ファクタリングはフリーランスでも利用できる!その理由やメリットとデメリットを解説
ファクタリングは主要な資金調達方法となりつつありますが「フリーランスでもファクタリングを利用できるのか」と疑問を持つ人が多いようです。
企業向けのサービスというイメージがありますが、実際にはフリーランスに対応したファクタリング会社は多数存在します。
今回はフリーランスでもファクタリングは利用できるということや、実際に利用する際に意識したいことについて解説します。
目次
ファクタリングはフリーランスにも対応している
最初にファクタリングの概要と、なぜフリーランスでも利用できるのかを解説します。
ファクタリングのサービス内容
ファクタリングとは売掛債権をファクタリング会社に譲渡する資金調達方法です。
譲渡にあたって対価が支払われることで、売上債権を現金化できます。
一般的には短い期間で取引が完了するため、回収サイトを考慮せずに資金調達が可能です。
また、売掛債権はファクタリング会社のものになるため、売掛債権を回収することを意識しなくても良くなります。
フリーランスが売掛債権を抱えていると、回収まで気になってしまうと思われますが、ファクタリングすればその状況からも解放されるのです。
ただ、ファクタリング会社に売掛債権を譲渡するにあたっては手数料が必要となり、手元に残るお金が少なくなります。
頻繁にファクタリングすると収入が減ってしまうことが考えられるため、その点は注意しなければなりません。
なぜフリーランスでも利用できるのか
一部の人は「ファクタリングは法人が利用するもの」と考えているようです。
ただ、実際には個人であるフリーランスでも問題なく利用できる取引となっています。
その理由は単純で、あくまでもファクタリングは売掛債権を譲渡、売却するだけだからです。
融資の中には信用力の都合から法人のみが利用できるものもありますが、ファクタリングではそのような信用力が問われません。
売掛債権があればフリーランスのような個人でも利用可能です。
ただし、ファクタリング会社によってはフリーランスや個人事業主に対応していない場合もあるので事前に確認しておきましょう。
また、そもそも、ファクタリングの審査は利用者ではなく売掛先に対して実施されます。
ファクタリング会社は売掛先からの入金があるかどうかを重要視するため、利用者の信用力が不足していても大きな問題にはならないのです。
フリーランスがファクタリングを利用するメリット
フリーランスがファクタリングを利用するメリットは多岐にわたり、例えば以下が挙げられます。
● 売掛債権を現金化できる
● 保証人が必要ない
● 未回収のリスクを軽減できる
● 信用情報を利用しない
売掛債権を現金化できる
ファクタリングの大きなメリットは売掛債権を短時間で現金化できることです。
フリーランスで売上が安定しない時期などに、売掛金を入金してもらえることには大きな意味があります。
特に駆け出しのフリーランスは「やむを得ないが売掛はキャッシュフロー面で負担になる」と感じるでしょう。
現金を確保したいとの観点から、すぐにでも入金してほしいと考える人が多いはずです。
ただ、世の中のお金は売掛や買掛で処理されることが一般的であるため、売掛先に相談しても基本的には対応してもらえません。
しかし、ファクタリングであれば売掛先が対応してくれなくとも、すぐに現金が手に入るため、キャッシュフローを健全化してくれます。
保証人が必要ない
ファクタリングで資金調達すれば、保証人が必要ありません。
金融機関からの事業用融資は保証人が必要でフリーランスにはハードルが高いですが、ファクタリングならば心配しなくて良いでしょう。
保証人が必要とされないのは、ファクタリングが売買契約であるからです。
一般的に保証人が必要となるのは融資などの信用取引であり、ファクタリングはこのような取引に該当しません。
取引の種類が違うため一概には比較できませんが、融資と違って保証人が不要であることはフリーランスにとって大きなメリットです。
未回収のリスクを軽減できる
売掛債権をファクタリングすることで未回収のリスクを軽減できます。
フリーランスに限らず、売上金が入金されないと大きな打撃を受けるため、ファクタリングでリスクヘッジするのです。
例えば、キャッシュフローの都合で売掛金の入金が遅れると他の支払いができなくなることがあるでしょう。
このような状況においてファクタリングしておくと、未入金の事態に備えられます。
また、売掛先の状況が悪く倒産の危険性があるならば、ファクタリングで売掛債権の現金化が可能です。
倒産のリスクはファクタリング会社が背負ってくれ、フリーランスとしては安心できます。
信用情報を利用しない
売掛債権を売却する取引であることから、信用情報を参照しません。
そのため、信用情報に不安がある状況でもファクタリングは利用できます。
例えば、フリーランスになったことで収入が減って、借入すると信用情報に記録されます。
融資では信用情報が重要視されるため、この状態では審査に通過できないかもしれません。
しかし、ファクタリングでは信用情報を参照しないため、このような心配はなくなります。
一部の人だけが気にする部分ですが、信用情報を利用しないこともメリットなのです。
フリーランスがファクタリングを利用するデメリット
解説してきたとおりファクタリングにはいくつものメリットがあります。
ただ、フリーランスが利用する際は以下のようなデメリットに注意しなければなりません。
● 手数料が高くなりやすい
● 売掛債権を超えた資金調達ができない
● 売掛先によっては利用できない
● 売掛先に知られることがある
手数料が高くなりやすい
フリーランスがファクタリングを利用する際は、手数料が高くなりやすい点がデメリットです。
手数料が高いと手元に残るお金が少なくなってしまうため、注意しなければなりません。
フリーランスとファクタリングで手数料が高くなる背景にはいくつもの理由があるでしょう。
例えば、ファクタリングで取引する売掛債権が少額であるため、手数料が割高になることが考えられます。
売掛債権が高額であるほど手数料が下がる傾向にあるため、フリーランスは不利になってしまうのです。
また、法人よりも信用力が低いことから、手数料が高めに設定されている場合があります。
信用力の高さが手数料に反映される取引であるため、ある程度はやむを得ないと考えましょう。
売掛債権を超えた資金調達ができない
ファクタリングは自身が保有する売掛債権を売却する取引です。
売却する際は売掛債権の額が買取金額の上限となるため、これを越えた資金調達はできません。
つまり、売掛債権をあまり保有していないフリーランスは、ファクタリングでの資金調達が難しくなってしまいます。
また、まとまった資金が必要など、売掛債権を集めても必要な資金に届かない場合は、ファクタリングだけでは調達できません。
この場合はファクタリングではなく、融資など別の資金調達方法を検討しましょう。
売掛先によっては利用できない
売掛債権を譲渡するにあたって、売掛先の信用力などに問題があるとファクタリング会社が対応してくれません。
審査はフリーランス側ではなく売掛先に左右されてしまうため、思うように資金調達できない可能性があります。
例えば、売掛先も個人事務所などの個人事業主である場合は、信用力の観点からファクタリングできないかもしれません。
また、売掛先が倒産の危機に陥っていると、こちらもファクタリングしてもらえないでしょう。
基準はファクタリング会社によっては異なるため一概には言い切れませんが、利用できない可能性がある点はデメリットです。
売掛先に知られることがある
3社間ファクタリングを利用する場合は、ファクタリングすることが売掛先に伝わってしまいます。
ファクタリングの事実をマイナスに捉えてしまう企業があるため、ここは注意しなければなりません。
特にフリーランスがファクタリングすると「キャッシュフローに問題がある人」などと評価されてしまう可能性があります。
今後の取引に影響を与えることも考えられ、フリーランスにとって大きなデメリットとなりかねません。
ただ、売掛先に知られる可能性があるのは3社間ファクタリングを利用した場合のみで、2社間ファクタリングの場合には知られません。
そのため、売掛先に知られることで何かしらリスクを抱えるならば、2社間ファクタリングを選択したほうが良いでしょう。
逆に売掛先との関係が良好であれば、大きなデメリットにはなりにくく、3社間ファクタリングを利用しても良いかもしれません。
フリーランスがファクタリングを利用する際のポイント
資金調達のためにファクタリングを考えているフリーランスの方は、以下のポイントを押さえておきましょう。
● ファクタリング手数料
● 入金までの期間
● 対応金額
● 必要書類
ファクタリング手数料
ファクタリングでは必ずファクタリング会社に手数料を支払わなければなりません。
手数料が高ければ手元に残るお金が少なくなるため、なるべく手数料の低いファクタリング会社を選びましょう。
フリーランス向けのファクタリング手数料は高く設定されていることがあるため、比較してみることが重要です。
なお、近年はオンライン完結型のファクタリング会社が増えています。
こちらを利用すればフリーランスでも手数料が低くなりやすいため、こちらの利用を検討してみましょう。
ただ、極端に手数料の安いファクタリング会社は悪徳業者の可能性があるため、そこは注意すべきです。
入金までの期間
ファクタリングの手続きにどの程度の時間がかかり、いつ入金されるかは重要なポイントです。
現金が必要となるタイミングを考えて、そこに間に合うファクタリング会社を選択しましょう。
最短、即日で入金されるファクタリング会社が増えているため、そのような会社の利用もおすすめです。
なお、3社間ファクタリングを利用するとどうしても手続きに時間を要してしまいます。
現金化までの時間を重要視するならば、2社間ファクタリングがおすすめです。
対応金額
ファクタリング会社がどの程度の金額まで対応してくれるのかも重要です。
中には高額な売掛債権に対応していないファクタリング会社があるため注意しましょう。
例えば、フリーランスなど個人からのファクタリングは上限が100万円などと定められています。
フリーランスの場合「上限など気にしなくても良い」と考えるかもしれませんが、職種によっては売掛債権が高額です。
いざという時にファクタリングできないとキャッシュフローに影響が出るため、事前の確認をおすすめします。
必要書類
手続きにあたってどのような書類が必要となるか確認しておきましょう。
必要となる書類の種類が多いと準備に時間を要してしまい、ファクタリングできるまでの時間が長引いてしまいます。
利用するファクタリング会社によって異なりますが、ファクタリング会社では以下のような書類が必要です。
● 確定申告書
● 請求書
● 身分証明書
● 売掛先からの入金が把握できる通帳のコピー
フリーランスなど個人は法人よりも少ない傾向にありますが、ファクタリング会社によっては多くの書類が求められます。
ただ、逆に必要書類の少ないファクタリング会社では2種類や3種類で完結することもあり、書類を準備する手間が少なくて済みます。
書類が多ければ多いほどファクタリングに申し込むハードルが高まってしまうため、なるべく書類数の少ないファクタリング会社を選んでみましょう。
ファクタリングはフリーランスにも対応したサービスであることのまとめ
フリーランスでもファクタリングを利用できるのかどうかについて解説しました。
ファクタリングは売掛債権を売却する取引であるため、フリーランスでもほぼ法人と同じように利用できます。
企業間取引で利用するイメージが強いようですが、実際にはそのようなものではありません。
ただ、企業間のファクタリングより少し信頼性に欠けることから、手数料が高くなる傾向になります。
またファクタリング会社によっては、フリーランスの利用に対応していない場合もあるので事前確認しておきましょう。
ファクタリング手数料は手元に残るお金を大きく左右するため、特に意識しながら利用すると良いでしょう。