ファクタリングの手数料を安くするポイントとは？手数料の設定のポイントや相場を解説
ファクタリングの手数料が安いほど、受取れる金額が多くなります。しかし、ファクタリングは利息制限法が適用されず、融資よりも手数料の高いのが一般的です。効率的に資金調達をするためには、手数料を安く抑えることが命題になります。手数料を安くするためには、手数料がどのような基準で設定されるか知っておくことが大切です。また、相場を把握しておく必要もあります。本記事では、ファクタリングの手数料を安くするポイントや相場、設定のポイントなどについて解説します。
ファクタリングの手数料を設定するポイント
ファクタリングの手数料は、ファクタリング業者が負うリスクの高さにより変動します。手数料を設定する際に重視されるポイントは、次の通りです。
●売掛先の信用力
●利用者の信用力
●売掛債権の額面
●ファクタリング業者の方針
●2社間か3社間か
●ファクタリングの利用履歴
では、それぞれのポイントについて詳しく見てみましょう。
売掛先の信用力
ファクタリングの手数料を設定するうえで重要視されるポイントは、売掛先の信用力です。信用力とは、売掛先の支払い能力の高さや、信用情報の評価などです。支払い能力に不安がないと評価されると、手数料は低く設定されます。反対に、支払い能力が低いと見なされた場合、手数料は高くなるでしょう。
利用者の信用力
利用者の信用力は、売掛先の信用度ほど重要視されませんが、2社間での契約の場合は重視されることもあります。利用者の信用力が低いと、売掛金の支払い期日に入力されたお金を、ファクタリング業者へ振り込まない恐れがあるからです。あまりにも経営状態が悪いと、信用力が低くなり、手数料が高くなってしまいます。
売掛債権の額面
ファクタリングの手数料を設定するうえで重要視されるポイントは、売掛債権の額面です。額面が大きい売掛債権の場合、ファクタリング業者は1件の取引で大きな収益を得られます。コストパフォーマンスが良いため、手数料を低く設定できるのです。売掛債権の額面が低いと、1件の取引で得られる収益が少ないため、手数料が高くなってしまいます。
ファクタリング業者の方針
手数料を設定するうえで、ファクタリング業者の経営方針もポイントになります。高いリスクを取る業者は、手数料を低く設定する傾向があります。オンラインファクタリングなど、コストを掛けずに運営している業者は、手数料が低い傾向です。
2社間か3社間か
2社間か3社間かも、手数料を設定するポイントです。2社間は、二重譲渡や架空債権のリスクが高いため、手数料を高く設定されるのが一般的です。3社間は、売掛先の同意を得てしか利用できないため、二重譲渡や架空債権のリスクも少なく、手数料が低く設定されます。
ファクタリングの利用履歴
ファクタリングの利用履歴も、手数料を設定する際に加味されます。ファクタリングを複数回同じ業者で利用している場合、利用者の信用力が上がり、手数料を安く設定してくれることもあります。また、初めて利用する場合は、割引なしの通常手数料となるでしょう。
ファクタリングの手数料を安くするポイント
ファクタリングの手数料を安くするポイントは、次の通りです。
●3社間ファクタリングを選ぶ
●オンラインファクタリングを選ぶ
●信用力のある売掛債権を利用
●額面の大きい売掛債権を使う
●利用回数を増やす
●支払いサイトの短い売掛債権を利用
では、それぞれのポイントについて詳しく見てみましょう
3社間ファクタリングを選ぶ
ファクタリングの手数料を安くするポイントは、3社間ファクタリングを選ぶことです。3社間は、売掛先の同意を得て契約しているため、ファクタリング業者は売掛先の情報を入手しやすくなります。そのため、売掛金の未回収リスクが少なくなります。手数料を安く抑えたいなら、3社間で契約するのがおすすめです。
ただし、売掛先の同意が得られない場合、利用できません。また、売掛先に資金繰りが悪化していると勘繰られ、今後の取引に影響を与えるリスクがあります。
オンラインファクタリングを選ぶ
ファクタリングの手数料を安くするポイントは、オンラインファクタリングを選ぶことです。オンラインファクタリングは、手続きをオンライン上で完結できるうえ、審査をAIが行っているところもあります。面談にスタッフが対応する必要もなく、業者は人件費を節約できるのもメリットです。
また、面談を行う場合もビデオ通話ツールなどで行うため、小さなオフィスで事足ります。そのため、人件費や賃貸料を削減でき、手数料に還元しているのです。2社間であっても、10％以下の手数料で利用できるケースもあります。
信用力のある売掛債権を利用
信用力のある売掛債権を利用することも、手数料を安くするポイントです。信用力のある売掛債権とは、大手企業や公的機関の債権があげられます。倒産のリスクも少なく、経営状態も安定しているため、信用力が高いのです。複数の売掛債権がある場合は、信用力が高い売掛債権を使うと良いでしょう。
額面の大きい売掛債権を使う
手数料を安くするポイントは、額面の大きい売掛債権を使うことです。額面の大きい方がファクタリング業者の利益も多くなるため、手数料が安くなります。ただし、業者によって買取限度額が決まっているため、それを超える金額は売却できません。
利用回数を増やす
手数料を安くするポイントは、利用回数を増やすことです。利用回数が多いほど、ファクタリング業者との関係性が深くなります。滞りなく回収できる債権を譲渡することが評価され、手数料を安くしてもらえるのです。ファクタリングのたびに業者を変えるよりも、同じ業者を利用し続ける方が、手数料は安くなるでしょう。
支払いサイトの短い売掛債権を利用
支払いサイトの短い売掛債権を利用するのも、手数料を安くするポイントです。支払いサイトが長いほど、支払い日までに売掛先の倒産するリスクが高くなります。支払い日が30日後よりも、支払い日が10日後の方が、業者の未回収リスクは低くなるのです。通常、支払いサイトが60日以上の売掛債権は、手数料が高くなるほか、審査に通らない可能性もあります。
ファクタリング手数料の相場
ファクタリングの手数料は法によって制限されておらず、業者が自由に設定できます。しかし、相場は大体決まっており、契約形態によって異なります。ファクタリングの手数料の相場は、次の通りです。
●2社間ファクタリング：10％～20％
●3社間ファクタリング：1％～9％
●診療報酬ファクタリング：0.25％～1％
では、それぞれについて詳しく解説しましょう。
2社間ファクタリング：10％～20％
2社間ファクタリングの手数料の相場は、10％～20％です。利用者と業者の2社間で契約する形態であるため、売掛先に知られずにファクタリングを利用できます。利用者にとっては、売掛先に資金繰りの悪化などを勘繰られないメリットがあるものの、ファクタリング業者は二重譲渡や架空債権の確認がしづらいため、未回収リスクが高くなります。そのため、手数料を高く設定されるのが特徴です。
3社間ファクタリング：1％～9％
3社間ファクタリングの手数料の相場は、1％～9％です。利用者と業者、売掛先の3社間で契約が行われ、売掛金も売掛先から業者へ直接支払われるのが一般的です。売掛先も関わっているため、二重譲渡や架空債権の心配も少なく、未回収リスクが低いため、手数料は低く設定されます。
診療報酬ファクタリング：0.25～1％
診療報酬ファクタリングの手数料の相場は、0.25％～1％です。診療報酬の売掛先は、国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金など国が母体です。そのため、一般企業のように経営不振や倒産の心配はありません。貸し倒れになる可能性は、ゼロに近いといえるでしょう。ファクタリング業者のリスクが低いので、手数料も低く設定されています。
ファクタリングを利用するメリット
ファクタリングを利用するメリットは、次の3つがあげられます。
●スムーズに現金化できる
●弁済スクが少ない
●担保や保証人が必要ない
では、それぞれのメリットについて詳しく解説しましょう。
スムーズに現金化できる
ファクタリングを利用するメリットは、スムーズに現金化できることです。銀行融資は、申し込みから融資を受けるまでに、早くても1か月はかかります。準備する書類も多く、厳しい審査を通過しなければなりません。ファクタリングは、必要書類も少なく、オンラインファクタリングなら最短即日で入金されます。急ぎで資金が必要な場合にも便利です。
弁済リスクが少ない
ファクタリングを利用するメリットは、弁済リスクが少ないことです。掛け取引で売掛先が倒産した場合、売掛金を回収できません。売掛金が回収できないことで、連鎖倒産するリスクがあります。ファクタリングを利用すると、売掛債権を譲渡する際に、売掛金の回収・未回収リスクも業者に移行されます。
また、ファクタリングは原則的に償還請求権なしで契約するため、売掛金が未回収の場合も弁済義務がありません。ただし、償還請求権ありで契約した場合は、弁済リスクがあるため注意が必要です。ファクタリングの契約をする際は、償還請求権なしであるか確認してください。
担保や保証人が必要ない
ファクタリングを利用するメリットは、担保や保証人が必要ないことです。担保や保証人が用意できず、銀行融資を利用できない企業でも、ファクタリングなら利用しやすいでしょう。
ファクタリングは、売掛債権を譲渡して現金化するシステムで、売買契約になります。融資のように借入契約ではないため、担保や保証人が必要ないのです。ファクタリングは売掛債権の信用力が高ければ、利用可能です。
ファクタリングの手数料を安くするポイントについてのまとめ
ファクタリングの手数料は、売掛債権の信用力によって変わります。売掛先の経営状態が安定しており、回収できる確率が高いほど、手数料も安くなります。そのため、ファクタリングの手数料を安くするなら、大手企業や公的機関の売掛債権を利用するのが良いでしょう。また、支払いサイトが短いほど、手数料が安くなります。ファクタリングの利用回数が多いほど、手数料も安くなるため、ファクタリング業者との関係性を強めることも大切です。