ファクタリングの審査に落ちる原因は?再審査請求で通る可能性があるケース・難しいケースを解説
ファクタリングは、銀行融資よりも審査に通りやすいと認識されていますが、100%通るわけではありません。それぞれのファクタリング業者には審査基準があり、それを満たさないと判断されると落とされてしまいます。審査落ちを避けるには、落ちる原因を知っておくことが大切です。また、再審査請求をして、審査に通過することも可能です。本記事では、ファクタリング業者に落ちる原因や、再検査請求で通る可能性があるケース・難しいケースを解説します。
目次
ファクタリングの審査に落ちる原因
ファクタリングの審査通過率は、7割~9割とされています。しかし、逆にいうと1割~3割は落ちる計算になります。審査落ちを避けるには、落ちる原因を把握することが大切です。審査に落ちる原因は、次の通りです。
●売掛先の経営不振
●取引歴が短い
●利用者の信頼性
●虚偽申告や債権の二重譲渡
●依頼者の対応が不誠実
●支払いサイトが長い
●債権金額に対応していない
では、それぞれの原因について詳しく解説しましょう。
売掛先の経営不振
売掛先の経営不振は、落ちる原因の1つです。ファクタリングでは、利用者よりも売掛先の経営状態が重視されます。なぜなら、ファクタリングは利用者が売掛債権を業者へ譲渡(売却)して、現金化する資金調達方法だからです。
売掛先が経営不振で倒産すると、業者は売掛金を回収できません。売掛金を譲渡した時点で、売掛金の回収リスクも業者へ移行するため、利用者に弁済請求ができない決まりです。そのため、経営不振か判断することは、業者にとって重要事項となります。判断基準は、次の通りです。
●年商
●事業内容・経営実態
●ファイナンスの実態
●ネットの評判
年商が低いと、倒産しやすいと判断されます。また、反社が疑われるような事業者も、審査に不利に働きます。そのほか、ノンバンクから借り入れしていたり、ネットで悪い評判が立っていたりするのも、経営状態の判断基準です。
取引歴が短い
取引歴が短いことも、原因の1つです。売掛先と長期的に取引している場合、長期間売掛金が支払われているため、支払い能力が高いと判断されます。しかし、取引歴が短いと、売掛金がきちんと支払われるか判断がつきません。回収リスクが高いとして、落ちる可能性が高くなるのです。取引し始めたばかりの売掛先の債権を利用するのは、避けるのが賢明です。
利用者の信頼性
落ちる原因として、利用者の信頼性があげられます。ファクタリングは利用者の信頼性がさほど重視されず、過去に金融事故を起こしていても、通る可能性があります。しかし、2社間ファクタリングは、売掛金は直接業者へ支払われるわけでなく、利用者に振り込まれた売掛金を業者へ支払うシステムです。そのため、あまりにも経営状態が悪いと、売掛金の横領をするリスクがあり、確実に売掛金を回収できないと判断される可能性があります。
虚偽申告や債権の二重譲渡
虚偽申告や債権の二重譲渡も、落ちる原因です。審査に通りたいがために、虚偽申告をしてバレた場合、落ちてしまいます。また、二重譲渡は債権譲渡登記を調べると確認できるため、隠し通せません。刑事罰に問われ、社会的な信用を失うことになるでしょう。
利用者の対応が不誠実
利用者の対応の不誠実なことが、落ちる原因になるケースもあります。通常、書類審査だけでなく対面の面談が行われ、その対応も加味されます。書類では通っていても、面談において人間的に信頼できないと判断されると、落とされてしまうのです。面談では、社会人として信頼に値する対応をする必要があります。
支払いサイトが長い
支払いサイトが長いことも、審査に落ちる原因です。売掛債権の支払いサイトは、通常は30日~60日ほどが一般的です。支払いサイトが長いと、支払い期日までに売掛先が倒産するリスクも高くなるため、通りにくくなります。支払いサイトが30日~60日であれば、それほど問題視されませんが、60日以上は落ちやすい傾向があります。業界によっては、支払いサイトが長いものもあるため、業界の事情が分かったファクタリングを利用することが大切です。
債権金額に対応していない
債権金額に対応していないことも、落ちる原因になります。業者によっては、売掛金の最低・最高金額を設定しているところがあります。業者の対応可能な債権金額を確認してから、利用することが必要です。
ファクタリングの再審査請求で通過の可能性があるケース
ファクタリングは、審査に落ちても再審査請求ができます。再審査請求は審査に落ちた業者に改めて審査を請求することで、売掛債権も変えず、落ちた時とほぼ同じ条件で申し込みすることです。再審査請求の回数に制限はなく、何度行っても構いません。再審査請求で通過できる可能性があるケースは、次の通りです。
●提供書類の不足・不備
●売掛先に問題があると判断された
では、それぞれの事例について詳しく見てみましょう。
提供書類の不足・不備
提供書類の不足・不備で落とされた場合、再審査請求に通る可能性があります。必要書類は業者によって異なりますが、複数の書類が必要です。求められるすべての書類を提出しないと、審査に落とされてしまいます。とくに、オンラインファクタリングの場合、AI審査を採用していることも多く、書類の不足や内容の不備は即座に落とされてしまうのです。書類の不備を修正して再審査請求すれば、通れる可能性があるでしょう。
必要書類が多いと、より多くの情報が提供できるため、売掛先の信用力を高められます。しかし、書類をそろえる時間がない、多くの書類は準備できないという場合、必要書類が少ないファクタリング業者を選びましょう。
売掛先に問題があると判断された
売掛先に問題があると判断された場合、通過できる可能性があります。業者が売掛先の信用力を判断する際は、利用者が提出した情報を参照して行います。しかし、情報を補充すれば、売掛先の信用力を補充できるかもしれません。
再審査請求をしても難しいケース
再審査請求は何度でも行えるものの、落ちた時と全く同じ内容で行っても、通るのは難しいでしょう。また、審査に通っても、悪い条件になる可能性が高くなります。再審査請求をしても難しいケースは、次の通りです。
●売掛債権の請求先が反社会的勢力の場合
●融資非対象な業種
●ファクタリング業者とのトラブル
●ファクタリング業者のレギュレーションに合わない
では、それぞれのケースについて詳しく解説しましょう。
売掛債権の請求先が反社会的勢力の場合
再審査請求をしても難しいケースは、売掛債権の請求先が反社会的勢力の場合です。反社会勢力と取引をすることは、暴力団関連の法律に引っかかってしまいます。反社会勢力というだけで、再審査請求を行っても通りません。
融資非対象な業種
再審査請求をしても難しいケースは、融資非対称な業種の場合です。銀行融資では、風俗業やナイトワークは融資非対称の業種は、融資を受けるのが難しくなります。ファクタリングも同様に、融資非対象な業種は受け入れられないことがあるのです。風俗やナイトワークに係る業者でも、お酒の納入やおしぼりの納入など、一般的な業種のケースも数多くあります。
しかし、風俗店やナイトワークは合法的に業務を行っていても、突然店をたたむことも少なくありません。そのため、ファクタリングにおいて未回収リスクが高いとして、敬遠される傾向があります。一般的に名前が知られた店などは、長年営業を続けており、支払い能力が高いと伝えることで、再審査に通るかもしれません。
ファクタリング業者とのトラブル
再審査請求をしても難しいケースは、業者とトラブルになった場合です。利用者が業者と債権譲渡に係るトラブルがあった場合、ブラックリストに入っています。そうなると、どれだけ売掛先の信用力を高める情報の追加をしても、審査に通ることはないでしょう。
ファクタリングは信用情報の照会は行われませんが、業者が独自でブラックリストを作っているケースもあります。ブラックリスト入りしていると通るのは難しいため、別の業者に申し込むことおすすめします。ただし、ファクタリング業界でブラックリスト情報を共有していることもあるため、業者を変えても難しい場合もあるでしょう。
ファクタリング業者のレギュレーションに合わない
再審査請求をしても難しいケースは、業者のレギュレーションに合わない場合です。業者が法人限定でサービスを提供している場合、個人事業主が何度再審査請求をしても通りません。業者ごとにレギュレーションが異なるため、自社に合うレギュレーションであることを確認してから申し込むことが大切です。
ファクタリングでは再審査にならないことが重要
ファクタリングでは、再審査にならないことが重要です。再審査にならないために留意すべきことは、次の通りです。
●信用力の高い売掛先
●取引期間の長い売掛先
●ファクタリング金額
では、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
信用力の高い売掛先
再審査にならないために留意すべきことは、信用力の高い売掛先の債権を選ぶことです。通常、企業は複数の取引先を抱えており、売掛債権も複数存在します。再審査にならないためには、上場企業や公共事業などの売掛先にすると、通りやすいでしょう。信用力が高い売掛債権を使っても審査に落ちる場合は、売掛先以外の問題で審査に落ちている可能性が高くなります。
取引期間の長い売掛先
再審査にならないために留意すべきことは、取引期間の長い売掛先を選ぶことです。取引期間が長いほど、支払い能力が高いと評価されやすくなります。再審査を避けるには、保有する売掛先の中で、最も取引期間が長いところを選びましょう。支払い能力の高さだけでなく、取引が存在することも証明できるため、審査に通りやすくなるのです。
ファクタリング金額
再審査にならないために留意すべきことは、ファクタリングの金額です。高額な金額を利用するほど、審査が厳しくなってしまいます。また、受取れるのは売掛金から手数料を引いた金額であるため、利用する額が多いほど、手数料も大きくなってしまいます。必要最低限の金額で利用しましょう。
ファクタリングの再審査についてのまとめ
ファクタリングの再審査にならないためには、審査基準を把握し、業者のレギュレーションに合った申し込みをすることが大切です。審査に落ちた場合も、納得がいかない場合は再審査を申請でき、必要な情報などを追加することで審査に通れます。ただし、売掛先が反社会勢力であったり、業者とトラブルになったりした場合、再審査申請をしても通らない確率が高いでしょう。再審査申請をしなくてもいいように、信用力の高い売掛債権を使い申し込んでください。