【危険】給料ファクタリングに「おすすめ」はない|リスクや安全性が高い資金調達を解説
ファクタリングは、企業の売掛債権(売掛金)を売却して資金を調達する手法です。会社の資金繰りの改善や、設備投資資金の用意などに有効です。
しかし、なかには危険なファクタリングサービスも存在します。代表的なサービスのひとつが、給料債権を売却してお金を調達する給料ファクタリングです。
この記事では、給料ファクタリングの危険性やおすすめできない理由、利用してしまった際の対処法について解説します。資金調達で給料ファクタリングを使おうとしている人は、今一度考え直してみましょう。
目次
給料ファクタリングはなぜおすすめできないのか
給料ファクタリングがおすすめできない理由は、危険性が高いからです。国民生活センターでは「給料ファクタリングはヤミ金の可能性が高い」として、注意喚起をしています。
給料ファクタリング利用後の手数料の支払いや脅迫まがいの取り立てで生活がままならなくなる可能性もあるため、利用は避けるようにしてください。
給料ファクタリングがおすすめできない具体的な理由を、3つ解説します。
金利・手数料が高額なため
給料ファクタリングの業者は、高額な手数料を要求してきます。国民生活センターに寄せられた相談事例のなかには、年利に換算すると700%以上のお金を徴収されたケースも存在しています。
利息制限法で定められているお金の貸し借りにおける上限利息は、以下のとおりです。
借入額 | 金利(年) |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
参照:日本貸金業協会「5 お借入れの上限金利は、年15%~20%です」
法律で定められている上限金利と比較しても、割高であることがわかるでしょう。
給料ファクタリングは、お金の貸し借りとして扱われます。しかし、違法業者は「借金ではなく手数料だ」と謳い、上限金利を上回る金利で貸付しています。
法外な手数料の要求はヤミ金の常套手段で、違法性の高いものです。手数料の支払いで生活が破綻する恐れもあるため、利用するのは避けましょう。
悪質な取り立てがされているため
給料ファクタリングを利用して返済が滞ってしまった場合、違法業者による悪質な取り立てが行われることが考えられます。
例えば、職場や自宅へ執拗な連絡をされたり、脅迫じみた言動をされたりするなどが挙げられます。また、張り紙や看板、SNSなどで個人情報や借金の情報を晒される可能性もあるでしょう。
強引で悪質な取り立ては、精神的苦痛を与えられたり、社会的な信用を失ったりすることにもつながりかねません。給料ファクタリングを利用したために、日々の生活が一変してしまう事態もありえる話です。
「審査なし」を謳っているため
給料ファクタリングは「審査なし」を謳うため、危険性の高いサービスです。審査なしで資金調達できると謳う業者とは、安易に契約してはいけません。
通常、ファクタリングは申込後にファクタリング会社の審査を経てから契約します。しかし、違法業者は審査を経ずに契約を迫るケースが多いです。お金を借りる際は基本的に審査が必要なため「審査を省略して資金調達ができる」というサービスを使うのは避けましょう。
このほか「給料を即日現金化」「給料ファクタリングは借金ではない」といった謳い文句も、違法業者の可能性があるため危険です。怪しい宣伝文句には注意してください。
給料ファクタリングが違法とされる法的根拠
給料ファクタリングについては、過去に運営会社の代表が逮捕されたことで、明確に違法とみなされました。
給料ファクタリングが違法とされた根拠として「貸金業法」と「労働基準法」の2つの法律が挙げられます。どのような内容が法律に抵触したのか、見ていきましょう。
貸金業法|無登録での営業は「法律違反」
給料ファクタリングが違法とされているのは、営業形態が貸金業法に違反しているケースが多いからです。
ファクタリングは、企業に資産である「売掛債権」を他社に売却・譲渡してもらい、資金を調達する金融サービス業です。しかし、給料ファクタリングは通常のファクタリングとは異なり、貸付の性質が強いため「貸金業」とみなされています。
貸金業は、貸金業法に基づき、営業の際に必ず貸金業登録をしなければなりません。
第三条 貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては内閣総理大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
前述の給料ファクタリング業者の代表が逮捕された要因に、貸金業登録をしておらず違法営業をしているとみなされたことが挙げられます。よって、違法性の高いサービスとの認識が広まりました。
労働基準法|賃金支払いの仕方が法律違反の可能性あり
給料ファクタリングは、労働基準法にも抵触する可能性があります。
給料ファクタリングは給料債権が申込者からファクタリング会社に渡るため、ファクタリング会社は申込者の勤務先へ給料分の金額を請求する必要があります。しかし、使用者は以下の労働基準法第24条に基づき、労働者に賃金を支払わなければなりません。
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
よって、ファクタリング会社は申込者の勤務先に給料分の金額を請求できず、申込者に入金された給料を送金するよう命じなければならないのです。
こうしたサービス業態を取ることで、上記の労働基準法に定められる「賃金直接払いの原則」が脅かされる可能性があります。給料ファクタリングは法令違反のリスクが高いことから、利用するのは避けるべきです。
給料ファクタリングが普及した理由
給料ファクタリングが普及したのは、以下のような理由が考えられます。
- 審査が甘い
- 担保や保証人が不要
- 勤務先に知られずにお金を手に入れられる
- すぐに現金化ができる
審査が甘いうえに周囲に知られにくく、すぐに現金が受け取れるため、日々の生活の資金繰りが厳しい人ほど給料ファクタリングが魅力的に感じられるでしょう。とくに、お金を借りられないような多重債務者やブラック状態の人でも借りられてしまう点は、普及してしまう要因のひとつと考えられます。
即日で現金を調達できることや担保・保証人が不要なことは、通常のファクタリングでもメリットとなりえます。しかし「審査なし」や「借金ではないから心配いらない」といったことを謳う業者は違法性が高いため、惑わされないようにしましょう。
給料ファクタリングを使ってしまった場合の対処法
違法性を知らずに給料ファクタリングを使ってしまった場合は、まず専門家や公的機関へ相談しましょう。相談したのちに、どのように対処していけば良いのか計画を立てていき、トラブルや現状の解決を目指します。主な相談先について解説します。
弁護士に相談する
給料ファクタリングの利用でトラブルになりそうな場合は、早めに弁護士に相談しましょう。弁護士が仲介することで、法的トラブルを穏便に解決できます。
また、返済に悩んでおり生活が立ち行かなくなりそうな場合も、弁護士は適切な相談先となるでしょう。債務整理の手続きを進めれば、給料ファクタリング会社からの取り立ては終了します。
取り立てが悪質で精神的苦痛を与えられたり暴行を受けたりした場合は、裁判に持ち込むことも可能です。専門家の力を借りて、適切な解決方法を見つけましょう。
警察に相談する
給料ファクタリングでトラブルが起きた際は、警察に相談しましょう。相談の際は、給料ファクタリング会社とのやりとりを録音したものや、受け取った書類などの証拠を用意しておくと、警察も対応を取りやすくなります。被害届を提出し、警察の対応を待ちましょう。
警察署で被害届の提出に取り合ってもらえなかった場合は、各区都道府県警察本部「#9110」に電話して相談してみてください。
なお、警察に相談に行ったことは給料ファクタリング会社に伝えないようにしましょう。警察に行ったことが知られると、給料ファクタリング会社が取り立てや手数料上乗せといったさらなる圧力をかけてくる可能性があるからです。
警察に相談した後に給料ファクタリング会社とやりとりする際は、慎重に対応しましょう。
その他の公的機関に相談する
警察や弁護士以外にも、給料ファクタリングのことで相談できる機関は複数あります。主な相談機関は以下のとおりです。
金融庁金融サービス利用者相談室 | さまざまな金融サービスについて無料相談を受け付けている。電話やWebで申込可能。 |
---|---|
日本貸金業協会 | 無料の電話相談やWeb相談を受け付けている。Webサイトでヤミ金の実例検索もできる。 |
消費者生活センター | 全国の自治体に窓口を構えており相談しやすい。トラブルの相談のほか、不安や疑問の解消などにも適している。 |
お金に関する相談やより専門的な相談をしたい場合は、金融庁の金融サービス利用者相談室や日本貸金業協会の無料相談がおすすめです。
悪質な取り立てなどで不安を覚えている場合や、身近なところに相談したい場合は消費者生活センターで相談を申し込むと良いでしょう。
給料ファクタリング以外の安心感ある資金調達方法
給料ファクタリングは危険なサービスのため、それ以外の方法で資金調達を検討しましょう。法的に問題のない資金調達方法は、以下の2つです。
- 国や自治体の公的支援制度を活用する
- 正規の貸金業者を使う
誤って給料ファクタリングを利用する前に、参考にしてください。
国や自治体の公的支援制度を活用する
国や自治体では、生活困窮者を対象とした支援制度を用意しています。例えば、生活福祉資金貸付制度では、生活を再建するための費用や急な資金不足に対応する緊急小口資金などを貸し付けてくれます。無利子のため元金のみ返済すれば良く、保証人も不要なケースが多いです。
このほか、地方自治体でも同様な貸付制度を実施しているところがあります。詳しくは居住地の自治体に問い合わせてみましょう。
正規の貸金業者を使う
どうしてもお金が必要な場合は、国に登録された正規の貸金業者を活用しましょう。消費者金融のカードローンなどは、金利が法律の範囲内に収められており、給料ファクタリングよりも返済負担が少ないです。
貸金業ではないところでお金を借りるのであれば、銀行のカードローンやフリーローンを検討しましょう。銀行が貸し出してくれるため、安心感ある借入が可能です。ただし、借り過ぎには注意し、計画的に返済していきましょう。
個人事業主は正規のファクタリングを活用しよう
個人事業主で資金繰りにお悩みの場合は、違法の可能性が高い給料ファクタリングではなく、正規の業者が運営するファクタリングで資金調達をしましょう。おすすめのファクタリングサービスの選び方を解説します。
給料ファクタリングと事業向けファクタリングの違い
一般的なファクタリングは、企業や個人事業主が持つ売掛債権を売却・譲渡するものであり、合法的な資金調達方法です。貸金業法に基づいて事業運営をしているため、貸金業としても登録されており、悪質な取り立ての心配もありません。
ファクタリングサービスを選ぶ際は、オンライン型のサービスや即日入金に対応しているか確認してみてください。オンライン型ファクタリングであればスマホやパソコンから申込み手続きができるため、店舗に出向く手間がありません。
また、Webで手続きが完結するため、気軽に使いやすいこともメリットです。即日入金に対応していれば、最短で申込み日の当日に入金され、すぐに資金が必要なときや急な支払いが発生したときに使いやすいです。
入金までのスピードや手数料などを比較し、自分に合うサービスを契約しましょう。
迷ったらEasy factorがおすすめ
どのファクタリングサービスを使うか迷ったら、Easy factorへご相談ください。Easy factorは見積もりが最短10分、入金が最短60分とスピーディーで、申込当日の資金調達が可能です。手数料は2〜8%と低く抑えられており、コストも抑えられます。
申込みから契約まですべてWebで完結することも、大きな特徴です。Webで問い合わせたのちにZoomで面談し、審査に通過したのちはクラウドサインで契約を締結します。事前面談を設けているため、ファクタリングの利用で気になる点や不安な点を解消しながら手続きを進められます。
申込みは簡単なため、資金繰りを改善したい個人事業主はご検討ください。
まとめ
給料ファクタリングは、高額な手数料や悪質な取り立てなどのリスクがある違法サービスです。どうしても資金が必要な場合は給料ファクタリングではなく、国・自治体の公的支援制度や正規の貸金業者の利用を検討しましょう。
一方、個人事業主は、正規のファクタリングサービスを活用すれば、目的にあわせた資金調達が可能です。給料ファクタリングの謳い文句に惑わされず、正規のファクタリングサービスで資金繰りを改善しましょう。
個人事業主で直近の資金にお困りの方は、Easy factorにご相談ください。最短即日での入金に対応しているため、目先の支払いにも対応できる可能性があります。
東京大学法学部卒業後、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。ニューヨーク支店での非日系企業向けコーポレートファイナンス担当を経て独立。企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
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