納税資金が足りない!調達方法や融資対象の税金種類・猶予制度についても解説

決算期や申告期限が近づくと、税金の支払いに頭を悩ませる経営者は少なくありません。売上の入金と納付のタイミングがずれて、納税資金が一時的に不足してしまうケースもよく見られます。
こうした場面では、融資制度や分納制度の活用が有力な選択肢となりますが、それぞれに特徴や条件があるため、自社に合った方法を選ぶのは簡単ではないでしょう。
本記事では、税金の種類や資金準備の方法など、納税資金にお悩みの方に役立つ情報を解説します。納税資金の確保も含め、資金繰りにお悩みの方は参考にしてください。
目次
税資金が必要になる税金の種類と支払時期

納税資金を準備するには、どの税金がいつ必要になるのかを把握しておくことが大切です。主な税金の種類と納付時期を、以下の表にまとめました。
税金の種類 | 納付時期(頻度) | 管轄 |
---|---|---|
法人税 | 決算後2カ月以内(年1回) | 税務署 |
法人住民税 | 決算後2カ月以内(年1回) | 都道府県 市区町村 |
法人事業税 | 決算後2カ月以内(年1回) | 都道府県 |
消費税 | 個人事業者:翌年3月31日まで(年1回) 法人:決算後2カ月以内(年1回) | 税務署 |
固定資産税 | 4月・7月・12月・2月など(年4回) | 市区町村 |
源泉所得税 | 翌月10日まで | 税務署 |
このように、税金は種類によって納付タイミングが異なります。そのため、納税資金を計画的に用意するには、事前にスケジュールを把握しておくことが重要です。とくに複数の税金が集中する時期は、早めに資金繰りを検討しておく必要があるでしょう。
納税資金を準備する方法

納税資金が足りないときは、まず社内でできることから着手しましょう。そのうえで、税務署との分納交渉や金融機関からの融資といった、外部の手段も併せて検討してみてください。
代表的な対応策は、次のとおりです。
- 経費を見直して支出を減らす
- 売掛金の早期回収を依頼する
- 税務署や支払先に分納を交渉する
- 融資やローンの利用を検討する
これらを組み合わせることで、納税に必要な資金を確保できます。準備は早いほど選択肢が広がるため、支払時期を見据えて早めの行動を心がけましょう。
納税資金に使える主な融資制度

納税資金をすぐに用意できない場合は、融資制度の利用も選択肢のひとつとなります。比較的利用しやすい融資制度として、以下の2つを取り上げて解説します。
- 日本政策金融公庫の「一般貸付」
- 銀行の短期融資
それぞれの特徴や活用のポイントを詳しく見ていきましょう。
日本政策金融公庫の「一般貸付」
公的融資制度のなかでもとくに利用しやすいのが、日本政策金融公庫の「一般貸付」です。民間の銀行より金利が低めに設定されており、納税資金としての利用も認められています。また、条件を満たせば担保や保証人が不要になるケースもあり、中小企業にとって負担の少ない融資制度と言えるでしょう。
一方で、審査や手続きに時間を要する傾向があり、申込みから融資実行まで通常2週間から1カ月程度かかります。そのため、緊急性の高い資金調達には適していません。
公庫の「一般貸付」は時間的余裕がある場合の資金調達に適しています。利用する際は、最寄りの公庫窓口に相談してみましょう。
銀行の短期融資
緊急で納税資金が必要な状況では、銀行の短期融資が有力な選択肢となります。
すでに取引のある銀行であれば、これまでの取引実績をもとにスピーディーな融資が期待できます。納付期限に間に合わせやすい点は、大きなメリットと言えるでしょう。また、資金の使い道に応じて、融資期間や返済条件を柔軟に調整してもらえる場合もあります。
ただし、銀行との取引実績が乏しい場合や信用面に課題がある場合は、審査に通過するハードルが高くなります。銀行融資をスムーズに利用するには、日ごろから取引実績を積み重ね、良好な関係を築いておくことが大切です。
納税資金融資が使える税金・使えない税金を確認

納税資金に融資が使えるかどうかは税金の種類によって異なり、すべての税金が融資対象になるわけではありません。「融資が使える税金」と「使えない税金」に分けて、代表的な例を見ていきましょう。
融資が使える税金
法人税・法人住民税・法人事業税など、利益にかかる税金は融資対象として認められるケースが多くあります。税金の支払いをすると、たとえ売上がある事業者でも、現金の入金が遅れていると資金不足に陥ることは決して珍しくありません。
例えば、売掛金がまだ回収できていないのに納税期限が迫っているようなケースです。このような一時的な資金不足であれば、今後の返済が見込めると判断され、金融機関も融資を実行しやすくなります。
融資が使えない税金
消費税や源泉徴収税のように「一時的に預かっているお金」には、基本的に融資を利用できません。これらは取引先や従業員から一時的に預かっているお金であり、自社が負担する支出ではないからです。
また、延滞税や加算税などのペナルティ的な税金も、資金管理に問題があると見なされ、融資は通りにくくなります。さらに、少額の税金については「そもそも融資の必要がない」と判断されることもあるでしょう。
これらの税金には、融資ではなく内部の資金調整や納税猶予制度の活用が現実的な対応となります。
納税資金の融資が通りにくいケースとは

納税資金の融資が通らないのは、以下のような事情があるときです。いずれも返済能力に不安があると判断されやすく、審査に影響します。
- 経営状態が悪い場合
- 過去に返済の延滞歴がある場合
- 税金に未納・滞納がある場合
- 長期融資を希望した場合
なお、赤字決算の場合は法人税の負担がないため、納税資金としての融資は原則として認められません。金融機関に納得してもらうには、資金繰りの状況を整理し、実際に納税が発生する理由や返済の見通しを具体的に示すことが重要です。
納税資金融資の審査に通過するポイント3つ

納税資金の融資を受けるには、金融機関の審査に通過する必要があります。審査をスムーズに進めるために、事前に準備しておくべきポイントを3つ紹介します。
- 納税予定額を試算しておく
- 過去の納税状況や借り入れ返済履歴などを整理しておく
- 取引実績のある金融機関に依頼する
順番に解説します。
納税予定額を試算しておく
融資審査において重要なのは「いくら必要か」と「なぜ必要か」を明確に説明できることです。まずは納税に必要な金額を、可能な範囲で正確に見積もっておきましょう。
法人税や消費税など、税目ごとの納付予定額を一覧表にまとめておくと、具体性が増して説得力も高まります。あらかじめこうした試算表を用意しておくことで、融資担当者にも状況を理解してもらいやすくなり、審査がスムーズに進む可能性が高まります。
過去の納税状況や借り入れ返済履歴などを整理しておく
金融機関は融資判断の際に申込者の信用力を重視するため、これまでの納税や借り入れについて履歴を整理しておくことが大切です。
審査では「税金の滞納がないか」「過去に受けた融資を計画どおりに返済しているか」といった点がチェックされます。そのため、税務署からの納税証明書や金融機関との返済スケジュールの写しなどを手元にそろえておくと、説明しやすくなるでしょう。
過去にトラブルがあった場合は、その後の改善の取り組みを具体的に伝えて、前向きに評価してもらえるよう努めてください。
取引実績のある金融機関に依頼する
融資の申込み先は、すでに取引のある金融機関が有利です。これまでの口座の動きや入出金状況を見て、資金繰りの実態を理解してもらいやすいからです。
日ごろから取引している銀行であれば「納税資金が必要な理由」や「今後の返済計画」も伝えやすく、柔軟に対応してもらえる可能性があります。
新たな金融機関よりも、関係性ができているところのほうが審査を通過しやすい傾向にあるため、まずはメインバンクに相談するのが現実的な選択と言えるでしょう。
猶予申請で分納にして納税資金の負担を減らす方法

納税額が大きく一括で払うのが難しい場合でも、申請をすれば分割での納付が認められることがあります。納税の負担を減らす方法として、以下の2つが挙げられます。
- 納税の猶予制度
- ダイレクト分納
ひとつずつ見ていきましょう。
納税の猶予制度とは
納税の猶予制度とは、災害や経済的な理由などで税金をすぐに払えないときに、税務署に申請することで支払いを延期できる制度です。原則として1年間、延長が認められます。
猶予には主に次の2種類があります。
- 換価の猶予
⇒ 財産をお金に換えて納税する(=換価)ことで、生活や事業が続けられなくなる場合に適用。担保が必要な場合あり - 納税の猶予
⇒ 災害などで財産に大きな被害を受け、納税が難しい場合に適用。担保は原則不要
納税の猶予が認められると延滞税が軽くなったり、差押えが止まったりする場合があります。困ったときは、早めに税務署へ相談しましょう。
「ダイレクト分納」なら自動引き落としが可能
ダイレクト分納とは、猶予が認められた税金をe-Tax(税金の手続きをインターネットで行う国のシステム)に登録した口座から自動で分割納付できる仕組みです。あらかじめ納付日と金額を登録しておけば、期日ごとに指定口座から引き落とされるため、納付忘れを防げます。
例えば「4月・5月・6月の月末に3回に分けて引き落とす」といった設定も可能です。納付の手間を減らしたい方や、毎月の支払管理を簡単にしたい方にとって便利な方法と言えるでしょう。
納税資金融資が難しい場合の代替手段3つ

銀行や日本政策金融公庫の融資が受けられなかった場合、代替手段として以下の3つが考えられます。
- ファクタリング
- 親族や知人からの借り入れ
- ビジネスローンの活用
それぞれ詳しく解説します。
ファクタリング
ファクタリングとは、売掛金を専門業者に買い取ってもらい、早期に現金化する資金調達方法です。納税期限が迫っている場合でも、早めに資金を確保できます。
ファクタリングのメリットは、以下のとおりです。
- 売掛金をスピーディーに現金化できる
- 融資とは異なり、審査が通りやすい
- 担保や保証人が不要
- 負債にあたらないため今後の融資審査に影響しにくい
取引先からの入金が1カ月後に予定されている場合でも、その売掛金をファクタリングで現金化すれば、納税に必要な資金をすぐに用意できます。
手数料はかかるものの、時間的な余裕がない場合に有力な選択肢となるでしょう。
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銀行や公的機関からの融資が難しい場合は、親族や知人に資金を借りる選択肢もあります。親しい関係であれば、利息なしで貸してもらえることもあります。
ただし、返済をめぐって関係が悪化する恐れもあるため、借入金額や返済期限は書面で明確にしておきましょう。
ビジネスローンの活用
ビジネスローンは審査が比較的早く、資金の使い道に制限が少ない融資です。銀行融資が難しい場合でも、対応してくれる業者が見つかる可能性があります。
とくに、ノンバンク系のビジネスローンは即日融資に対応しているものもあり、納税期限が迫っているときには候補のひとつとなるでしょう。
ただし、金利は高めに設定されていることが多く、返済負担が大きくなるリスクもあります。結果的に資金繰りがさらに厳しくなる恐れもあるため、慎重な判断が必要です。
まとめ

納税資金が不足しそうな場合でも、適切な対策を取れば立て直しは可能です。税金の種類や支払時期を把握し、自社の状況に合った資金調達方法を選ぶことで、納付の遅れや延滞を防げます。
なかでも、ファクタリングは売掛金を資金に変えられる手段として注目されています。審査が早く、借り入れとは異なるため、信用情報への影響を抑えながら資金の確保が可能です。資金繰りに余裕が生まれれば、気持ちにもゆとりが生まれ、本来の業務に集中できる環境が整うでしょう。
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