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手形割引とは?仕組みやファクタリングとの違いをわかりやすく解説

資金調達を検討している方のなかには「手形割引とは何か」「どういう仕組みなのか」と感じている方もいるでしょう。

手形割引は、企業の資金繰りを支える手段のひとつとして活用されている方法です。ただし、手形割引を活用する際は仕組みやメリット・デメリットをきちんと理解しておく必要があります。

この記事では、手形割引の基本的な考え方やメリット・デメリットをわかりやすく解説します。併せて、よく似た仕組みを持つファクタリングとの違いについても紹介するため、資金調達手段の比較検討に役立ててください。

手形割引とは

「手形割引」とは、手形の満期日より前に、銀行や手形割引業者にその手形を売却し、現金化できるサービスです。主に企業間の取引で利用され、資金繰りの手段として活用されています。

手形とは「一定の期日に代金を支払うことを約束する」証書です。約束手形の場合、受け取った側は満期日まで現金を手にできず、それまでは資金として使えません。そこで、満期日を待たずに現金化したいときに「手形割引」を利用します。

ここからは、手形割引の具体的な仕組みや、現金が振り込まれるまでの流れについて見ていきます。

仕組み

約束手形の期日は、一般的に3ヵ月から4ヵ月後に設定されていることが多いです。期日まで現金が入ってこないため、資金繰りを圧迫する要因となります。

手形割引を活用すれば、手形を期日前に現金化できるため、資金繰りの安定につながります。

例えば、A社がB社との取引で約束手形を受け取り、その期日が3ヵ月後に設定されていたとしましょう。A社はこの手形を銀行や手形割引業者に持ち込むことで、手数料を差し引いた金額をすぐに受け取れます。

このように、手形割引は「将来受け取れるはずの資金」を前倒しで現金化する仕組みであり、資金繰りに余裕がないタイミングに役立つ手段です。

入金までの流れ

手形割引を利用して現金が振り込まれるまでの大まかな流れは、以下のとおりです。

  1. 取引先から約束手形を受け取る
    ⇒商品やサービスの提供後、支払い方法として約束手形が発行される
  2. 銀行や買取会社に手形割引を申し込む
    ⇒受け取った手形を、金融機関や手形割引業者に提出し、手形割引(現金化)を依頼する。ここで、手形の内容や発行元企業の信用状況などが審査される
  3. 割引料を差し引いた金額が入金される
    ⇒審査に通過すれば、手形額面から所定の割引料(手数料)が差し引かれた金額が指定口座に振り込まれる

この流れにより、企業は手形の満期日を待つことなく資金を確保でき、資金繰りの改善につなげられます。

手形割引のメリット3つ

手形割引を活用するメリットは、主に以下の3つです。

  • 支払期日前に現金化できる
  • 審査が比較的通りやすい
  • ファクタリングより手数料が安い

それぞれのメリットを詳しく解説します。

支払期日前に現金化できる

手形割引は、支払期日を待たず早期に資金調達ができます。

例えば、商品やサービスを納品した後に代金が手形で支払われた場合、その入金は少し後になることが一般的です。しかし、仕入先や外注先への支払いや日々の運転資金はそれより前に必要になることも多く、資金繰りを圧迫する原因になります。

こうしたときに手形割引を利用すれば、手形を現金化することで、必要なタイミングで資金を確保できます。突然の出費や一時的なキャッシュ不足への対応にも役立ち、資金繰りのリスク軽減にもつながるでしょう。

審査が比較的通りやすい

手形割引は銀行融資に比べて審査に通りやすい点も、メリットのひとつです。

通常、銀行から融資を受ける場合には決算書の内容や事業の将来性など、企業そのものの信用力について厳しく審査されます。財務状況によっては、融資を断られることも少なくありません。

一方の手形割引では、審査の際に重視するのは手形を発行した「振出人」の信用力です。そのため、取引先が一定の信用を有していれば、自社の財務状況に多少の不安があっても現金化できる可能性があります。

銀行融資にハードルを感じている企業にとって、資金調達手段のひとつとなるでしょう。

ファクタリングより手数料が安い

手形割引は、一般的にファクタリングと比べて手数料を抑えやすいメリットがあります。手形割引の手数料(割引料)は以下の計算式で求められます。

「手形金額×年利換算した割引率×支払日までの日数÷365日」

支払期日が近いほど割引料は少なくなり、長期的な融資やファクタリングに比べて利子負担が軽く済む傾向にあります。

例えば、300万円の手形を3%の割引率で90日前に現金化する場合、手数料は2.2万円ほどです。一方で、同じ金額をファクタリングで現金化し、手数料が3%だった場合には約9万円のコストがかかります。

このように、資金調達のコストを抑えたい企業にとって、手形割引は有力な選択肢のひとつと言えるでしょう。

手形割引のデメリット2つ

手形割引には、以下のようなデメリットがあります。

  • 不渡りリスクがある
  • 約束手形は2026年に廃止される見通し

理解したうえで利用すれば、資金繰りの改善につなげやすくなります。ひとつずつ見ていきましょう。

不渡りリスクがある

不渡りにより、手形が現金として回収できないケースが考えられます。不渡りとは、手形の支払期日が到来しても振出人(発行した企業)が約束通りに支払いを履行できない状態のことです。

手形割引には「償還請求権」という、手形の支払いが期日までに行われなかった場合、銀行や手形割引業者が手形割引を出した側に対して支払いを請求できる権利があります。

つまり、万が一手形が不渡りになると、利用者側は手形の全額に加えて利息を含めた金額を返済しなければなりません。

約束手形は2026年に廃止される見通し

約束手形(受取手形)は2026年をめどに、制度として廃止される予定であることも把握しておきましょう。

廃止の背景には、資金化までの期間が長く、企業の資金繰りを圧迫するという構造的な課題があります。多くの手形では、振出日から3~4ヵ月後が支払期日となっており、それまで現金が入らない仕組みです。このタイムラグは中小企業にとっては大きな負担となり、資金ショートを引き起こし、倒産につながるケースも見られます。

また、手形には不渡りリスクや紙の保管リスクといった問題もあります。取引先の経営悪化や倒産によって手形が決済されないケースがあるほか、火災・盗難・紛失などによって物理的に手形を失うリスクも否定できません。

なお、今回廃止の対象となるのは紙ベースの約束手形であり、電子記録債権(でんさい)などの電子的な手段については、引き続き利用が可能です。

手形割引を活用する際のポイント

手形割引はうまく活用すれば資金繰りの安定に貢献する手段である一方で、以下のような注意すべきポイントもあります。

  • 手形の信頼性を見極める
  • あらかじめ条件や申請の流れを理解する

各ポイントについて、順番に見ていきましょう。

手形の信頼性を見極める

手形割引を利用する際は、手形を発行した企業(振出人)の信用力を確認することが重要です。例えば、上場企業やそのグループ会社が発行した手形であれば、支払いの確実性が高く、割引の審査にも通過しやすくなります。

一方で、信用力の低い企業の手形は「本当に支払いがされるのか」という懸念が生じるため、銀行や手形割引業者が現金化を断る可能性もあります。

また、過去に不渡りを出した履歴がある企業は信用力が著しく低下していると見なされ、審査で敬遠されがちです。適切に手形割引を活用するためには取引先の財務状況や過去の不渡り履歴などを事前に調べ、手形の信頼性を見極めることが重要です。

あらかじめ条件や申請の流れを理解する

手形割引をスムーズに利用するためには、事前に利用条件や申請の手順を把握しておくことが大切です。

手形割引を申し込む際には、手形の原本に加え、会社の登記簿謄本や印鑑証明など、いくつかの書類を提出する必要があります。また、審査には一定の時間がかかるため、入金までのスケジュールも確認しておきましょう。

手続きや必要書類、割引手数料の水準は利用する金融機関や手形割引業者によって異なります。そのため、スムーズに活用するためには複数のサービスを比較し、自社のニーズや状況に合ったところを選定しておくことがポイントです。

手形割引とファクタリングの違い

ここからは、手形割引によく似た資金調達手段である「ファクタリング」との違いについて見ていきます。

ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権(請求書など)をファクタリング会社に売却し、期日前に現金化する金融サービスです。仕組みは手形割引と似ているものの、いくつか重要な違いがあります。

両者の主な違いを、以下の表にまとめました。

手形割引 ファクタリング
対象債権 約束手形 売掛債権
償還請求権 あり なし
手数料・割引料の相場 2~15%程度 二社間:8~18%

三者間:2~9%

以下で詳しく解説します。

対象となる債権

ファクタリングと手形割引の違いのひとつが、現金化の対象となる債権の種類です。

手形割引は「約束手形(受取手形)」を現金化する仕組みです。約束手形は、支払い期日と金額が明記された有価証券であり、発行した企業がその期日に支払うことを約束するものです。したがって、約束手形を保有しているときにのみ利用できます。

それに対し、ファクタリングの対象となるのは「売掛債権」です。売掛債権とは、商品やサービスを提供した後に、取引先から将来的に受け取る予定の代金を指します。「売掛金」とも呼ばれ、手形のような証書がなくても請求書があれば現金化が可能です。

償還請求権の有無

先述のとおり、手形割引には「償還請求権」があります。もし手形の振出人が支払いを行わず不渡りとなった場合、手形を割引に出した側(利用者)に対して、金融機関や手形割引業者が代金の返済を請求できます。

一方のファクタリングには、原則として償還請求権がありません。売掛先が支払いを履行できなかった場合でも、ファクタリング利用者が返済する必要はないため、利用者にとってのリスクは低くなります。

不渡りリスクを避けたい場合には、償還請求権のないファクタリングのほうが適した選択肢と言えるでしょう。

手数料・割引料の相場

手形割引とファクタリングでは、手数料や割引料の相場にも違いがあります。以下は、一般的な相場の比較です。

相場の目安
手形割引 2~15%程度
ファクタリング 二社間:8~18%

三者間:2~9%

このように、手形割引のほうが手数料は低く抑えられている傾向があります。ただし、手数料の設定は利用する金融機関や手形割引業者、取引条件によって変動するため、事前に見積もりを取って比較することが大切です。

また、ファクタリングは「償還請求権なし」といったメリットがある分、手数料が高めに設定されることが多い点も理解しておきましょう。

手形割引に向いている企業

以下のような特徴を持つ企業は、手形割引の活用に向いていると言えます。

まとめ

手形割引とは、受け取った手形を満期日前に金融機関などへ売却し、現金化が可能な資金調達手段です。支払期日前に資金を得られる点や、比較的柔軟な審査で利用しやすい点がメリットとして挙げられます。

一方で、手形が不渡りとなるリスクがあるほか、2026年をめどに約束手形の廃止が予定されている点にも注意が必要です。

手数料・割引料を抑えたい企業や、手形による取引が日常的にある企業の場合は手形割引を活用しましょう。一方で、不渡りリスクを回避したい場合はファクタリングがおすすめです。

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監修者 三坂大作
本記事の監修者
三坂 大作(ミサカ ダイサク)
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役

東京大学法学部卒業後、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。ニューヨーク支店での非日系企業向けコーポレートファイナンス担当を経て独立。企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。

資格・登録情報
・経営革新等支援機関
・貸金業務取扱主任者
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号


Tsujimoto