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ファクタリングはどのように会計処理するの?手数料の勘定科目や仕訳の注意点を解説

融資は担保や保証人が必要になるうえ、審査が厳しくハードルの高い資金調達方法です。
ファクタリングは、担保や保証人の必要もなく、審査が比較的緩いため、中小企業の資金調達方法として需要が高まっています。しかし、ファクタリングを利用したものの、会計処理の仕方がわからない企業もあるかもしれません。勘定科目や仕訳を知ることで、安心して利用できるでしょう。
本記事では、ファクタリングをどのように会計処理するのか、手数料の勘定科目や仕訳の注意点を解説します。

ファクタリングの種類

ファクタリングの種類によって、会計処理は違ってきます。ファクタリングの種類は、大きく次の2つに分けられます。

●買取型
●保証型

では、それぞれの種類について詳しく解説します。

買取型

買取型は、業者が利用者の売掛債権を買取り、現金化する仕組みです。業者は売掛金から手数料を差し引いた金額を利用者に先払いし、売掛金が支払われた後に利用者が業者へ送金して清算します。資金繰りの改善に用いられる方法です。
買取型は、2社間契約と3社間契約があります。2社間は、業者と利用者のみで契約します。3社間は、業者と利用者と売掛先の3社で契約し、売掛金は売掛先から直接業者へ支払われます。

保証型

保証型は、資金調達が目的ではなく、売掛先の未払いリスクを軽減するものです。業者は信用調査を行い、未払いリスクに対する保証を提供します。売掛金の支払いが行われない場合、業者が保証金を支払うというものです。資金調達の手段ではなく、保険のようにリスク管理として利用されます。

ファクタリングの手数料の勘定科目

ファクタリングに用いる勘定科目は、次の6つです。

●売掛金
●未収入金
●売上債権売却損
●支払手数料
●貸倒損失
●雑収入

では、それぞれについて詳しく見てみましょう。

売掛金

取引において生じる未回収の代金で、商品やサービスを販売したけれど、まだ相手から支払いを受けていない金額を指します。流動資産と見なされ、資産として仕訳されます。

未収入金

営業活動以外の取引によって生じた、将来受け取る予定の売上です。売掛金を売却した際の代金は、未収入金として計上されます。代金を受け取るまでの間、売掛金を未収入金に振り替える形です。なお、未収入金も流動資産に分類されるため、資産として記録します。

売上債権売却損

売掛金を業者に売却する際に生じる損失を仕訳する勘定科目です。買取型における手数料は、売上債権売却損に該当します。

支払手数料

取引や契約に関連して発生する手数料やサービス料金を支払った際に使用する勘定科目で、保険型における手数料が該当します。

貸倒損失

売掛金や未収金が回収不可能になった場合に、計上する損失を仕訳する勘定科目です。保証型では、売掛先が倒産などで支払不能となった場合の損失が該当します。一方、買取型は、売掛金の未回収に伴う損失は業者が負担するため、計上されることはほとんどありません。

雑収入

通常の営業活動とは、異なる取引から得られる収入を仕訳する勘定科目です。比較的少額で、一時的な収益を記録します。保証型で売掛金が未回収となった場合、業者から支払われる保証金が雑収入に該当します。

買取型2社間契約の会計処理

買取型2社間契約の会計処理を行うのは、次の5つのタイミングです。

●売掛金の発生時
●契約が締結時
●譲渡代金の入金時
●売掛先から売掛金の入金時
●業者に売掛金を送金時

では、売掛金200万円、手数料10万円を例にして仕訳方法を見てみましょう。

売掛金の発生時

通常の処理と同じ方法で、借方は売掛金200万円、貸方は売上200万円です。

契約が締結時

借方は未収入金200万円、貸方が売掛金200万円です。即日入金のファクタリングの場合、契約締結時の会計処理は必要ありません。

譲渡代金の入金時

借方が未収入金190万円、 売上債権売却損10万円、貸方が普通預金200万円です。

売掛先から売掛金の入金時

借方が普通預金200万円、貸方が預り金200万円です。預り金は、取引先が負担すべき現金を一時的に預かった際に用いる勘定科目です。

業者に売掛金を送金時

借方が預り金200万円、貸方が普通預金200万円です。

保証型の会計処理

保証型では、次の4つのタイミングで会計処理が必要です。

●売掛金の発生時
●契約を締結時
●売掛金が回収不能時
●業者から保証金の入金時

では、売掛金200万円、手数料10万円を例にして仕訳方法を見てみましょう。

売掛金の発生時

通常時と同じ処理方法です。借方が売掛金200万円、貸方は売上200万円です。

契約を締結時

借方は支払手数料10万円、貸方が普通預金10万円です。保証型は、契約締結時に手数料のみを仕訳します。

売掛金が回収不能時

借方は貸倒損失200万円、貸方が売掛金200万円です。回収不能となった売掛金の仕訳は、貸倒損失です。

業者から保証金の入金時

借方は普通預金200万円、貸方が雑収入200万円です。売掛金が順調に回収できていると、売掛金の回収不能や業者から保証金が入金されるタイミングはないため、仕訳は不要です。

ファクタリングの仕訳の注意点

仕訳をする際は、次の点に注意する必要があります。

●手数料は売掛債権売却損で仕訳
●ファクタリングに消費税はかからない
●現金入金までに決算期末をまたぐケース

では、それぞれの注意点について詳しく解説します。

手数料は売掛債権売却損で仕訳

ファクタリングは、売掛債権を売買して資金調達を行います。売掛債権は流動資産として扱われており、株や債券と同じ金融商品となります。ファクタリングで受取るお金は、売掛金から手数料を差し引いたものです。本来、売掛金として受取る金額より少なく、手数料によって損益が生じたことになるため、売掛債権売却損として仕訳します。

売掛金を担保として融資を受ける場合は、売買契約ではなく貸付となるため、借入金として仕訳しなければなりません。勘定科目に売掛債権売却損がない場合は、雑務もしくは支払手数料として仕訳することも可能です。

ファクタリングに消費税はかからない

ファクタリングは非課税取引であるため、消費税はかかりません。そのため、業者が手数料に消費税を上乗せしている場合は、違法な請求になります。ただし、債権譲渡登記をする際の費用や、事務手続きなどには消費税がかかるため、支払後に仕訳する必要があります。

現金入金までに決算期末をまたぐケース

ファクタリングの契約後、入金されるまでの間に決算期末をまたぐケースは注意が必要です。入金されていなくても、売上に税金が課されます。売掛金が現金化されるまでに、売上をもとに計算して法人税や消費税の支払をしなければなりません。

ファクタリングの勘定科目を間違えたらどうなる?

勘定科目を間違えたら、どのような影響があるのでしょう。

●影響は限定的
●損益グループと貸借グループの違いに気をつける
●金額の重要度が高い科目は税務署に追求されやすい

では、それぞれについて詳しく見てみましょう。

影響は限定的

勘定科目の間違いは、過度に気にする必要はありません。税額などに影響を与えることは少ないからです。また、中小企業においては、大企業ほど厳密な会計処理が求められないため、あまり気にする必要はありません。しかし、業績評価に大きな影響を与える勘定科目については、注意が必要です。経営判断をゆがめる恐れがあるため、慎重に扱いましょう。

損益グループと貸借グループの違いに気をつける

「損益グループ」と「貸借グループ」を誤ってしまうのは問題です。なぜなら、税額に影響を与える可能性があるからです。損益グループ内で勘定科目を誤っても、税金に影響を与えるケースは限定的であるため、それほど気にする必要はありません。
しかし、損益グループに登録すべきものを誤って貸借グループに登録した場合は、損益の金額が変動し、その結果として税額に影響を及ぼします。したがって、正しいグループに登録することが重要です。

金額の重要度が高い科目は税務署に追求されやすい

年間の合計金額が少ない勘定科目については、多少誤りがあっても税額に与える影響は小さいでしょう。税務調査官では、「少額不追求」という姿勢で調査を行っているため、少額の誤りに対して厳格な処理を求めません。些細な金額まで細かく是正を要求することは、税務署にとっても手間がかかります。実際、税務調査で誤りが発見されても、「今回は指導にとどめます」といった形で終わることが多くあります。ただし、金額が重要な科目には特に注意が必要です。

ファクタリングの会計処理に困ったら

会計処理に困ったら、次のように対処すると良いでしょう。

●税務署の個人課税部門に相談する
●納税協会に相談する
●商工会議所・商工会に相談する

では、それぞれについて詳しく見てみましょう。

税務署の個人課税部門に相談する

会計処理で困ったら、税務署の個人課税部門に相談できます。勘定科目や仕訳について無料で説明してくれるので、記帳の仕方がわかるでしょう。

納税協会に相談する

会計処理で困ったら、納税協会に相談することも可能です。大阪国税局が、正しい税知識を普及させるために設立した団体です。基礎から実践まで、専門家が指導してくれる教室もあります。ただし、関西エリアのみとなります。

商工会議所・商工会に相談する

商工会議所や商工会も、会計処理に関する指導を行っています。わからないことがあれば、相談すると良いでしょう。比較的気軽に利用でき、初心者向けのサポートも充実しています。

ファクタリングの手数料の勘定科目についてのまとめ

勘定科目は、ファクタリングの種類によって違います。また、会計処理のタイミングも違ってくるため、種類に合わせた処理方法を行う必要があります。現金入金までに決算期末をまたぐ場合は法人税や消費税の支払が必要であるなど、注意すべき点もいくつかあるため、しっかり把握したうえで会計処理を行ってください。わからない時は、税理士や商工会議所に相談すると良いでしょう。