金融庁がファクタリング利用の注意喚起をしている理由とは?トラブル発生時の連絡先を解説
金融庁はファクタリング利用における注意喚起をしています。
この注意喚起だけを見てしまうと「ファクタリングは危ない資金調達方法だ」と感じてしまい、利用を躊躇してしまうかもしれません。
ただファクタリングは安全な資金調達方法であり、適切な場面で利用すれば、資金繰りの改善が期待できます。
ファクタリングを利用する前に、金融庁が注意喚起をしている理由を知っておくとよいでしょう。
そこでこの記事では、金融庁がファクタリング利用の注意喚起をしている理由や、トラブル発生時の連絡先について解説していきます。
金融庁による注意喚起の理由を知りたい事業者は、ぜひ最後まで目を通してくださいね。
目次
金融庁がファクタリング利用の注意喚起をしている理由
金融庁がファクタリング利用の注意喚起をしている理由は、高額な貸付をおこなっている闇金業者の存在が確認されているからです。
ファクタリングの知名度が高まるにつれて、ファクタリング会社を装った闇金業者が増えています。
過去には裁判沙汰となった事例もあり、他人事ではありません。
過去の裁判例はこちらです。
・ファクタリング会社が売掛金の未回収リスクを負わず、高額な手数料を請求した事例
・給与ファクタリングは貸金業であり、違法であると判断された事例
ファクタリングは貸金業ではありません。
債権譲渡契約でなければ、契約をしないようにしましょう。
ファクタリングは違法な資金調達方法ではない
ファクタリングは金融庁による注意喚起がされていますが、違法性はありません。
ファクタリングには売掛債権を支払期日前に現金化できる点や、売掛先に知られずに資金調達ができる点など、多くのメリットがあります。
金融庁は闇金業者と契約をしないように注意喚起をしています。
闇金業者と契約をしなければ、安全な資金調達が可能です。
ファクタリングでトラブルが発生した際の連絡先4選
闇金業者に注意していたものの、契約してしまうケースはどの事業者にも考えられます。
もし闇金業者と契約してしまいトラブルが発生した際は、下記の連絡先に相談するとよいでしょう。
1. 金融庁の金融サービス利用者相談室
2. 日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センター
3. 警察
4. 消費生活センター等の消費生活相談窓口
それぞれの相談先について見ていきましょう。
1.金融庁の金融サービス利用者相談室
金融庁の金融サービス利用者相談室では、貸金や融資などの相談に対応しています。
相談方法は下記の4種類の方法があります。
・電話(平日10時から17時まで)
・ウェブサイト受付窓口(24時間受付)
・ファックス(高齢者・障害者専用、24時間受付)
・文書での受付(金融庁の金融サービス利用者相談室あてに郵送する)
ウェブサイト受付窓口とファックス、文書で受付をすると、金融庁の金融サービス利用者相談室から連絡があります。
連絡者の氏名と電話番号を忘れずに記入しておきましょう。
なお、原則としてメールや文書での回答には対応していません。
2.日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センター
日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターでは、貸金に関する相談や紛争解決などに対応しています。
闇金業者への対応方法を知りたいときや、登録業者か確認したいときは、貸金業相談・紛争解決センターに連絡することをおすすめします。
貸金業相談・紛争解決センターへの連絡方法は、電話とウェブ相談受付の2種類があります。
電話は土日と祝休日、12月29日から1月4日までを除いた9時から17時が対応可能時間です。
ウェブ相談受付で申込をした場合は、3営業日以内に電話にて回答があります。
メールでの回答には対応していません。
氏名や電話番号、メールアドレスなどの個人情報を間違えないように入力しましょう。
3.警察
闇金業者とのトラブルは、警察に相談することで解決する可能性が高まります。
暴力行為を受けたり、脅迫されたりした際は警察に連絡しましょう。
ただし、警察はすべての闇金業者とのトラブルを解決できるわけではありません。
民事不介入となり、助言を受けるだけのケースも考えられます。
4.消費生活センター等の消費生活相談窓口
消費生活相談窓口では、商品やサービスに関する苦情や問い合わせに対応しています。
また、闇金に関する相談も受け付けているので、問い合わせをしてみましょう。
消費生活センターは機関によって相談受付時間が異なります。
平日の9時から16時ころまで受け付けている消費生活センターが多いです。
また、来所相談を受け付けている消費生活センターもあります。
安全なファクタリング会社の選び方5選
ファクタリングを安全に利用するためには、ファクタリング会社選びが重要です。
闇金業者と契約をしないためにも、ここから解説するファクタリング会社の選び方を知っておきましょう。
1. 手数料が相場の範囲内である
2. 償還請求権のない契約を結ぶ
3. 親身になって相談にのってくれる
4. 運営歴が長い
5. 口コミや評判の内容が悪くない
1.手数料が相場の範囲内である
闇金業者は高額な手数料を設定しているケースが多いです。
ファクタリングの手数料の相場は2社間ファクタリングで10%から30%、3社間ファクタリングでは2%から10%程度です。
上記の手数料は、利用するファクタリング会社や売掛債権の信用度などによって変動するので、目安として覚えておくとよいでしょう。
ファクタリングの手数料は2社間ファクタリングの方が割高となる傾向がありますが、30%を超えなければ適正だと判断できます。
もし20%を超える手数料を請求された場合は、闇金業者を疑いましょう。
2.償還請求権のない契約を結ぶ
ファクタリングを利用するメリットのひとつに、売掛金の未回収リスクを負わずに済む点があげられます。
売掛債権を保有していても、売掛金を確実に回収できるとは限りません。
支払期日前に売掛先が倒産した場合、売掛金を回収することはむずかしいでしょう。
ファクタリングを利用する際は、原則として償還請求権のない契約を結びます。
償還請求権のない契約を結べば、売掛先が倒産しても、ファクタリングの利用者は売掛金を弁済する必要はありません。
ほとんどのファクタリング会社は償還請求権のない契約を結ぶため、心配する必要はほとんどありませんが、念のために確認しておきましょう。
3.親身になって相談にのってくれる
ファクタリングを利用する事業者によっては、相談をしてから決断したいと考えているかもしれません。
優良なファクタリング会社は、利用者の立場になって相談にのってくれます。
ファクタリング会社に問い合わせをした際、どのように対応してくれるのかをチェックしておきましょう。
4.運営歴が長い
運営歴が長いファクタリング会社は、これまでに多くの資金調達をしてきました。
運営歴の長さは、安定した経営がおこなわれている証明となります。
またノウハウが蓄積されていることも考えられるので、的確なアドバイスをしてくれる可能性が高いです。
運営歴はファクタリング会社の公式サイトにある「会社概要」に記載されている場合が多くあります。
3年以上運営しているファクタリング会社であれば、心配は少ないでしょう。
5.口コミや評判の内容が悪くない
近年では、サービスの口コミや評判を容易に確認できるようになってきました。
ファクタリング会社の口コミや評判も、SNSや口コミサイトなどで調べられます。
投稿されている内容が特段悪くなければ、問題なく利用できるファクタリング会社だと判断できます。
ただし、虚偽の内容の口コミや評判を投稿する方がいるかもしれません。
これまでに解説した選び方と合わせて、参考にすることをおすすめします。
金融庁のファクタリング利用の注意喚起に関するまとめ
金融庁はファクタリング利用に関する注意喚起をしていますが、すべてのファクタリングには当てはまりません。
金融庁の注意喚起は闇金業者に対するものです。
もし闇金業者と契約をしてしまった場合は、金融庁の金融サービス利用者相談室や、日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターなどに相談しましょう。
ファクタリングは違法ではない、優れた資金調達方法です。
金融庁が注意喚起をしている理由が分かれば、適切な場面で利用できるでしょう。
闇金業者に注意して、安全なファクタリングを利用してみてはいかがでしょうか。