ファクタリングで信用情報はチェックされない?利用するメリットや審査に通るコツを解説
銀行融資は信用情報チェックがあるため、支払いの遅延があったり、滞納していたりする場合、審査に通過するのは難しいでしょう。しかし、ファクタリングは信用情報のチェックがないため、信用度が低い会社であっても、利用することが可能です。いわゆる、ブラックリスト入りしていても、資金調達ができます。
また、信用情報の確認がないのに、審査に落ちることがあるのかも気になるところです。本記事では、ファクタリングで信用情報がチェックされない理由や、ファクタリングを利用するメリットなどについて詳しく解説します。
目次
信用情報とは?
信用情報とは、個人や企業の信用に関する情報を指します。これらは、金融機関やクレジットカード会社などが、取引相手の信用力を評価するために利用しています。支払いの遅延や滞納をすると信用情報が悪化し、クレジットカードが作れない、融資が受けられないなどのリスクがあるのです。信用情報は、次の2つに分けられます。
●個人の信用情報
●法人の信用情報
では、それぞれについて詳しく見てみましょう。
個人の信用情報
個人の信用情報は、CIC(株式会社シー・アイ・シー)もしくはJICC(日本信用情報機構)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3つの機関に管理されています。保管されている信用情報の内容は、現在・過去に利用したクレジットカードの利用情報、クレジットカードやローンの申し込み情報、債務整理情報です。
金融機関は、信用情報管理機関のいずれかに加盟しており、情報を引き出して審査の判断基準としています。個人向けの融資は、返済能力以上の貸し付けを防ぐために、信用情報を確認することが義務付けられています。
法人の信用情報
法人の信用情報は、個人と同様に3つの機関が管理しているわけではなく、JICCのみによって管理されています。登録されているのは、返済状況に関する情報や取引事実に関する情報、申し込みに関する情報などです。
これらの情報は、CICとKSCにも共有されますが、JICCに加盟する金融機関を通じて融資を受けた場合のみ、信用情報として登録されます。そのため、個人の信用情報のように多くの情報が管理されているわけではありません。
ファクタリングで信用情報がチェックされない理由
ファクタリングの審査では、銀行融資のように信用情報のチェックは行われません。その理由としては、次の4つがあげられます。
●与信取引ではない
●売掛先の信用力を重視
●機関に加盟していない
●法人の信用情報が少ない
では、それぞれの理由について詳しく見てみましょう。
与信取引ではない
ファクタリングは、利用者の信用度を基に行う与信取引ではないため、信用情報は重視されません。ファクタリングで重視されるのは、利用者ではなく売掛先となります。そのため、銀行融資やカードローンのように信用情報を確認する必要はないのです。
売掛先の信用力を重視
ファクタリングの審査の基準は、売掛先の信用力によって決まります。そのため、利用者ではなく、売掛先が期日通りに支払いをしているか、安定した経営状態であるかなどが大きなポイントとなるのです。したがって、利用者の信用情報は重視されません。
機関に加盟していない
ファクタリング会社は、信用情報機関に加盟していません。情報は、加盟する金融機関の要望に沿って開示されるシステムです。そもそも加盟していなければ、情報を知ることはできません。確認しないのではなく、したくても確認できないというのが実情になります。
法人の信用情報が少ない
管理されている法人の信用情報が少ないのも、ファクタリングの審査で信用情報が確認されない理由です。消費者金融から融資を受けた履歴などは保管されているものの、そもそも登録されている情報が少ないため、照会しても必ずヒットするわけではないのです。そのため、確認してもあまり意味がないと考えられています。
ファクタリングで信用情報チェックがないメリット
ファクタリングのメリットの1つに、信用情報をチェックされないことがあげられます。では、利用者の信用情報がチェックされないことで、どのようなメリットがあるのかというと、次の通りです。
●履歴を残さずに資金を調達
●ブラックリスト状態でも利用できる
●即日の資金調達が可能
履歴を残さずに資金を調達
ファクタリングは審査の際に信用情報を確認されないだけでなく、利用した履歴も信用機関に登録されません。なぜなら、ファクタリングは借り入れではなく、売掛金を売却するシステムであるからです。信用機関の範疇ではないため、ファクタリングを利用したことが履歴に残り、今後借入する際に影響を及ぼすなどの心配はいりません。
ブラックリスト状態でも利用できる
信用情報の確認がないメリットは、ブラックリスト状態でもファクタリングを利用できることです。銀行融資では、ブラックリストであると審査に通過するのは難しいでしょう。融資は利用者の信用力が重視されるため、返済能力に懸念があると却下されてしまいます。
ファクタリングは、利用者の信用度よりも売掛先の信用力が重視されます。そのため、利用者がブラックリストに名を連ねていても審査を通過できるのです。
即日の資金調達が可能
信用情報の確認が行われないと、審査のスピードも早くなります。融資の場合、信用情報の照会に時間を費やすため、資金調達までに数日から数週間見積もらなければなりません。
準備する書類も多く、手続きの準備だけで時間がかかってしまいます。ファクタリングは審査が早いのはもちろん、準備する書類も多くありません。手持ちの資料だけで申し込むことが可能で、即日入金もできます。
ファクタリングの審査に通りにくいケース
ファクタリングは信用情報の照会がないため、審査も通りやすいとされています。では、どのような場合に落とされるのでしょうか。審査に通りにくいのは、次のようなケースです。
●貸し倒れリスクが高い
●売掛先企業が反社会的勢力
●売掛金回収までの期間が長い
●売掛先が個人事業主
では、それぞれのケースについて詳しく見てみましょう。
貸し倒れリスクが高い
却下されやすいのは、貸し倒れリスクが高いケースです。売掛先の経営状態が悪い、倒産しそうであるなど、悪い評判が広まっていると、リスク回避としてNGにすることがあります。売掛先の信用情報を照会されるわけではありませんが、業界内のつながりなどにおいて、危ない会社の情報は回っています。ファクタリングでは、基本的に売掛金の回収不能を利用者が弁済する必要はなく、ファクタリング会社の損益となるのです。そのため、売掛先の信用度によって落とされるケースがあるでしょう。
売掛先企業が反社会的勢力
審査に通りにくいのは、売掛先が反社会勢力である場合です。反社会勢力とかかわりを持つと世間の目も厳しく、ファクタリング会社もグレーな事業をしていると思われる可能性もあります。また、売掛先が反社会勢力ではなくても、つながりがあると疑われる場合、却下される可能性が高まります。売掛先は、クリーンであることが大切です。
売掛金回収までの期間が長い
売掛先の経営状態に問題はなくても、売掛金回収までの期間が長い場合、NGになることがあります。売掛金の回収は、2か月以内に行われるのが一般的です。
回収期日が2か月以上先の場合は、その間に売掛先が倒産するリスクもあるため、却下される可能性があります。落ちたくないのであれば、回収までの期日が2か月以内の売掛債権を売却するのが良いでしょう。
売掛先が個人事業主
売掛先が個人事業主の場合も、落ちやすいケースです。個人事業主は、大企業と比較すると信用力の点で劣ってしまいます。個人は法人のように財務状況を評価しにくく、経営も不安定な傾向があります。そのため、経営状態に問題のない事業であっても、却下される可能性が高いのです。大手企業の売掛債権の方が、審査に通りやすいでしょう。
ファクタリング審査に通るコツ
ファクタリング審査は通りやすいとはいえ、売掛先の信用力によって落ちることもあります。審査に通るコツは、次の3つがあげられます。
●継続性の高い売掛債権を選ぶ
●問い合わせには真摯に対応
●複数社で審査申請
では、それぞれのポイントについて詳しく見てみましょう。
継続性の高い売掛債権を選ぶ
ファクタリング審査で重視されるのは、売掛先の信用力だけではありません。どれぐらい継続してその会社と取引しているかも、審査対象となります。長期的に取引している売掛先であれば、支払い能力も高いと評価され、通りやすくなります。一方、初めて取引した会社や取引歴が浅い会社の売掛債権は、支払い能力が明確ではないため、却下されるかもしれません。継続して取引している売掛債権を選びましょう。
問い合わせには真摯に対応
審査に通るコツは、問い合わせに真摯に対応することです。売掛先の信用力が高いのはもちろんですが、対応の仕方によって、ファクタリング会社との関係性も変わってきます。審査過程では追加資料や説明を求められることもあり、面倒に思うかもしれません。
しかし、そこでぞんざいな対応をすると、人柄に難ありと評価され、落とされる可能性もあります。ファクタリング会社と良好な関係を築ければ、手数料を安くしてもらったり、入金期日を早めてもらったりと、優遇してもらえることもあります。
複数社で審査申請
審査に通るコツは、1社ではなく複数のファクタリング会社に申請することです。審査基準はそれぞれの会社で異なるため、1つの会社で却下されても、ほかの会社は通る可能性があります。通った中から、条件が良い会社を選ぶとよいでしょう。
ファクタリングは信用情報チェックがないことについてのまとめ
ファクタリングは信用情報が照会されないため、ブラックリスト入りしている会社であっても利用することが可能です。融資での資金調達が難しい場合でも、信用度の高い売掛債権があれば、スピーディーに資金を調達できます。即日入金も可能であるため、融資よりも手軽な方法です。ファクタリングを活用して、資金繰りを改善させましょう。