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ファクタリングの割引手数料とは?低コストで利用する方法を解説

ファクタリングの取引で「割引手数料」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。なるべく安い手数料でファクタリングを利用したい場合、「割引」というワードは気になるかもしれません。

そこでこの記事では、ファクタリングの「割引手数料」について解説していきます。コストを押さえて利用するポイントや利用する際の注意点なども紹介するので、ぜひ最後までお読みください。

ファクタリングの「割引手数料」とは

ファクタリングにおける「割引手数料」は、取引にかかる手数料を指します。「割引料=手数料」と捉えてもらっても問題ありません。

「割引」という表現が使われる理由については、ファクタリングが「手形割引」の内容に似ていることが挙げられます。手形は期限内に額面金額の支払いを約束した証書で取引を行いますが、決められた期日前に現金と交換することも可能です。これを手形割引といい、取引にかかる手数料は手形割引料と呼ばれています。

そのため、ファクタリングの取引で割引料と言われた場合、一般的には手数料を指しているということを理解しておきましょう。

割引手数料は消費税が発生しない

ファクタリングは、国税庁が定める非課税となる取引(金銭債権などの譲渡)に該当します。そのため、ファクタリングの割引手数料には消費税がかかりません。もしファクタリング会社から手数料にかかる消費税を請求された場合、悪徳業者の可能性が高いので注意してください。

ただし、取引の元となる売上に対しては消費税が発生します。ファクタリングを利用しても納める消費税額が変わらない点は押さえておきましょう。

割引手数料には利息制限法が適用されない

貸し付けの金利については、利息制限法 によって以下のように上限が定められています。
• 元本10万円未満:年20%
• 元本10〜100万円未満:年18%
• 元本100万円以上:年15%

ファクタリングの取引における割引手数料は、借り入れの際に発生する利息とは異なるため利息制限法の対象外です。そのため、利息制限法の上限よりも高い手数料が設定されている場合もあるので注意しましょう。

ファクタリングの割引手数料の相場

ファクタリングの手数料は契約形態によって異なります。

2者間ファクタリング

2者間ファクタリングは、申込者・ファクタリング会社の2者間で結ぶ契約です。
ファクタリング会社が売掛先と接触しないことから信用リスクが高く、手数料は「10〜20%」と比較的高めに設定されています。

2者間ファクタリングのその他の特徴は以下です。
• 資金調達が迅速にできる
• 審査が厳しい傾向がある
• 売掛債権の譲渡について売掛先に通知されない

2者間ファクタリングでは、債権譲渡について登記が求められる場合があります。登記にかかるコストは申込者が支払うのが一般的なので、手数料以外の費用が発生する可能性があることに注意しましょう。

3者間ファクタリング

3者間ファクタリングは、申込者・売掛先・ファクタリング会社の3者間で結ぶ契約です。
売掛先が関与しない2者間ファクタリングに比べて信用できる取引のため、手数料は「2〜9%」と低めに設定されています。

3者間ファクタリングのその他の特徴は以下です。
• 2者間に比べて資金調達に時間がかかる
• 審査に通過しやすい
• 取引できる金額を融通してもらいやすい

手数料を抑えてファクタリングを利用したいなら3者間ファクタリングがおすすめです。売掛先の承諾が得られる場合は、3者間ファクタリングの利用を検討してみてください。

ファクタリングの割引手数料を安くするコツ

先ほど紹介した通り、ファクタリング会社にとって資金の未回収リスクが高い取り引きは手数料が高いのが一般的です。では、手数料を抑えるには具体的にどのような方法があるでしょうか。詳しく解説していきます。

信用できる売掛先の債権で契約する

ファクタリングにかかる手数料を安く抑えたい場合、信用力のある売掛先の債権で取り引きするのが効果的です。自社の支払い能力について審査される融資と違い、ファクタリングでは売掛先の信用度が重視されます。売掛金が回収できなくなるリスクが低いとファクタリング会社も安心して取り引きできるため、手数料を安く設定しやすいです。

信用度が高い売掛債権か判断するポイントについては、たとえば以下を参考にしてください。
• 売掛先の会社の規模が大きめ
• 売掛先が有名企業や公的機関
• 自社と長期的に取引を行っている

取引の履歴など、売掛先の信用力を証明できる書類を提示するのも有効です。売掛先が複数ある場合、まずは信用度の高い売掛債権を優先的に選びましょう。

できるだけ大きい金額の売掛金で取り引きする

なるべく大きい金額で申し込むのも、ファクタリング手数料のコストカットにつながります。取り引きする金額の多寡にかかわらず、ファクタリング会社が行う業務は基本的に同じです。そのため、まとまった金額で取り引きする方が少額の場合よりも手数料を安くしてもらいやすいと言えます。

売掛金額による手数料の違いは、以下の例を参考にしてみてください。
売掛金100万円:手数料10%=10万円
売掛金1,000万円:手数料3%=30万円

上記のように、売掛金額が高いと手数料率を低くしてもファクタリング会社が利益を得やすいです。また、自社にとって十分な事業資金を調達できるというメリットもあります。

ただし、ファクタリング会社の規模によっては扱える金額の上限が低い場合があるので、事前にチェックしましょう。

支払いまでの期間が短いものを選ぶ

ファクタリングを安く利用する上で、支払い期間が短い売掛金を選択するのも重要なポイントです。売掛金を受け取るまでの期間が長いと、その間に売掛先が倒産するなどの事由で資金が回収不能になるリスクが高くなってしまいます。そのため、支払いまでの期間が短い売掛金の方がファクタリングにかかる手数料が安くなる可能性が高いです。

売掛金額ばかりに着目しがちですが、支払いまでの期間も申し込む前に確認してみてください。

複数の業者で見積もりをとる

初めてファクタリングを利用する場合は、複数の業者で見積もりして手数料を比較しましょう。

大まかな手数料は各業者の公式サイトでも確認可能ですが、売掛先の信用力や売掛金額などによって手数料が変動します。独自の審査基準を設けているファクタリング会社も多いため、実際に見積もりしてもらって比較検討するのがおすすめです。

たとえば、見積もりの結果が以下の通りだったとします。
• A社:手数料22%
• B社:手数料18%
• C社:手数料15%

この場合、A社とB社に対して「C社では15%と言われましたが、御社でももう少し安くなりませんか?」と交渉するのも一つの手です。特に売掛金額が大きいとファクタリング会社が得る利益も大きいため、他社に契約と取られたくないと考える業者が少なくありません。結果として柔軟な対応をしてくれることがあるので、手数料を下げたい場合に有効な手段と言えます。

会社によって手数料が大きく異なるケースも珍しくないので、見積もりをとる際は同じ条件で3社以上に依頼するのが望ましいでしょう。

同じ業者で利用実績を積む

なるべく同じ業者と取引を続けることで、信頼関係が生まれて手数料を下げてもらえる可能性があります。そのため、信用できるファクタリング会社を見つけて利用実績を積むのがおすすめです。ファクタリング会社としても低リスクで取り引きできる上に、何度も利用した実績があると審査がスムーズに進みやすい傾向があります。

自社とファクタリング会社の双方にとってメリットが大きいので、できるだけ業者を絞って利用するようにしましょう。

ファクタリングを利用する際の注意点

最後に、ファクタリングを利用する上で注意すべき点について解説していきます。

自社の信用力が審査に影響する場合がある

ファクタリングの審査対象は、基本的に売掛先の支払い能力などについてです。しかし、ファクタリング会社が売掛先と直接関与しない2者間ファクタリングでは、申込者の信用力も審査される可能性があります。

3者間ファクタリングは売掛金がファクタリング会社に対して直接支払われます。それに対して2者間ファクタリングでは、申込者が売掛先から受け取った売掛金をファクタリング会社に渡すという流れです。この場合、売掛金を持ち逃げされるリスクがあるので、ファクタリング会社は申込者の経営状態などをチェックしなければいけません。

そのため、自社の信用情報について不安がある場合、3者間ファクタリングを検討するのが無難です。

違法業者も存在する

ファクタリングの取り引きについては、法整備がまだ十分に整っていません。そのため、違法な契約を持ちかける悪徳業者も存在します。

たとえば、以下に該当するファクタリング会社は要注意です。
• 利息制限法の上限金利より大幅に高い手数料を設定している
• 売掛金が回収不能になった場合、申込者に買い戻しを要求する
• 貸し付けではないにもかかわらず、高金利が設定されている

ファクタリングの契約を装って貸金を行う「偽装ファクタリング」 については金融庁でも注意喚起しています。ファクタリング業者を選ぶ際は、信用できるかどうか見極めるようにしましょう。

ファクタリングの割引手数料のまとめ

ファクタリングの割引手数料は取引にかかるコストを指します。ファクタリング会社は、未回収リスクが高い売掛金は手数料を高めに設定する場合が多いです。そのため、なるべく安くファクタリングを利用したい場合、信用できる売掛債権を選ぶようにしましょう。また、偽装ファクタリングを行う悪徳業者も少なからず存在するため、十分に注意してください。

今回紹介した内容を参考に、ファクタリング手数料を安く抑えて資金繰りの改善を目指しましょう。