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任意整理とは?ファクタリングへの影響も合わせて解説

ファクタリングを利用しても資金繰りが改善せず、任意整理が必要な企業もあるでしょう。
本当に任意整理が必要か、経営状況から判断してください。
仮に任意整理をすれば、経済的負担を軽くできるかわりに、経営や生活への影響が懸念されます。
自転車操業を防ぐためにも、手遅れになる前に、ファクタリングの利用方法を見直しましょう。
今回は資金繰りに困る企業へ、任意整理の定義やメリット、リスクなどを紹介します。
ファクタリングへの影響も踏まえ、メリットとデメリットを見極めてから、任意整理すべきか判断しましょう。

任意整理とは債務整理の一種

任意整理とは、債務整理の一種です。
返済条件を緩和できますが、社会的信用を損なう点に注意しましょう。
任意整理の定義に加え、メリットとデメリットをまとめました。

返済条件の緩和を求められる

任意整理とは、返済条件の緩和方法の一種です。
金融機関に対し、支払方法の変更や利息カットなどを交渉できます。
交渉がうまくいけば、毎月の返済を楽にできるかもしれません。
資金繰りの厳しい企業にとっては、重要な選択肢でしょう。
任意整理は経営状況のよくない企業が、経済的負担を減らす方法です。
利息の減少や分割払いなどがメリットになります。
一方、一度任意整理をすると金融事故が成立し、社会的信用を損ないます。
企業にとっては、任意整理の開始時点で経済的負担を楽にできる一方、以後の経営や生活への影響に注意しなければなりません。
任意整理は債務整理の一種ですが、一度手をつけると金融事故になります。
実際に利用する場合は、慎重な検討が必要です。

任意整理のメリット

任意整理のメリットは、毎月の経済的負担の減少です。
たとえば交渉の結果、利息がカットされるかもしれません。
借入金のある企業にとって、金利で支払額が増える点は気になるでしょう。
返済があまりに苦しくなったら、利息カットのために任意整理も選択肢です。
また任意整理が決まれば、分割払いもできます。
借り手との和解が決まれば原則3年、最長5年にわたる元本だけの返済が可能です。
毎月の返済が無理のない金額になるので、経済的負担を軽減できます。
場合によっては元本減額もあるでしょう。
加えて利息の過払い分を取り戻し、実質的に借金を減額できる企業も見られます。
このように任意整理ができれば、月々の支払による負担を減らせます。

任意整理のデメリット

任意整理には、さまざまな代償が伴います。
一度選択すれば、企業がブラックリストに登録されます。
ブラックリストへの登録により、金融機関や公的機関からの借入が難しくなるでしょう。
以上から任意整理を選ぶときは、慎重な検討が大切です。
ほかにも資産の差し押さえや、連帯保証人による借入金の肩代わりなどが考えられます。
資産の差し押さえは、事業に影響が及ぶかもしれません。
たとえば製造業が任意整理を受けた結果、業務に重要な設備を差し押さえられると、業務が困難になります。
さらに連帯保証人がいれば、その方に多大な経済的負担を強いるでしょう。
社会的な迷惑をかけることになるため、任意整理はよく考えてから実行しなければなりません。

ファクタリング利用企業が任意整理を要する場合も

ファクタリングを利用しても、最終的に任意整理を要する企業もあります。
資金繰りが改善せず、任意整理の選択を強いられるケースもあるでしょう。
また悪質業者にファクタリングを依頼した場合、取り立てのリスクも考えられます。
ファクタリングは融資と違って、過払い金の請求も不可能です。
ファクタリング後の任意整理について、重要なポイントをまとめました。

ファクタリング利用後も資金繰りが改善しない企業もある

ファクタリングを使っても、資金繰りがよくならない企業もあります。
資金繰りの悪化の原因は、主に事業の不調です。
赤字経営が長期的に続き、常に資金の余裕がない企業もあるでしょう。
この場合はファクタリングで売掛金を早期換金しても、その場しのぎしかなりません。
時間が経てば、運転資金のショートのおそれもあります。
毎月の利益が出ていても、資金繰りが苦しい企業もあるでしょう。
商品在庫や設備投資が過剰になり、経費が収益を上回るからです。
この場合も支払に苦労し、最終的には任意整理に追われるかもしれません。
以上からファクタリングを利用しても、資金の見通しが立たない企業もあります。
経費が利益を上回る状況が続けば、任意整理が現実味を帯びるでしょう。

悪質業者による取り立ても

ファクタリングで悪質業者を利用した場合、取り立ても考えられます。
過剰な取り立てで損失がかさめば、任意整理が必要になるかもしれません。
基本的にファクタリングは、償還請求権なしでの契約が多いといえます。
この場合、売掛金の取引先が債務不履行に陥っても、依頼企業は責任を負いません。
売掛金を譲渡したあとなら、取引先が支払期日を守らない場合、企業ではなくファクタリング業者が責任を負います。
譲渡後の売掛金の保有者が、業者に移っているからです。
ただしファクタリング業者の一部は、償還請求権つきの契約を結びます。
償還請求権があれば、売掛金の取引先が債務不履行に陥れば、業者は企業に未回収分の資金を請求できるのです。
企業が償還請求権への対応を強いられた結果、資金繰りが急激に悪化し、任意整理に追われることもあります。
償還請求権ありで契約した業者が、企業に苛烈な取り立てを行うかもしれません。
以上から悪質業者によっては、償還請求権ありで契約を結びます。
取引先が債務不履行になれば、企業は取り立てへの対応に追われ、大きな損失を受けるでしょう。
その結果として、任意整理が必要な場合もあります。

手数料の過払い金請求も困難

ファクタリングの手数料は、過払い金としての請求が難しいといえます。
ここでの手数料は、当事者間の合意で決まるしくみです。
ファクタリングの手数料に関して、法的な決まりはありません。
たとえば融資や借入の場合、借入金額に応じて金利の上限が決まっています。
しかしファクタリングにはそのような決まりがないのです。
そのため想定より高い手数料でも、企業は異議を唱えられません。
また借入にありがちな過払い金も、ファクタリング業者には請求できないのです。
任意整理に迫られた企業によっては、過払い金を取り戻し、返済に充てたいと思うでしょう。
しかしその場合も、ファクタリングの手数料に対しては、過払い金請求が困難です。

ファクタリング後の任意整理をすべきかの判断基準2つ

ファクタリングをしても資金繰りが改善しない場合、任意整理を検討することもあるでしょう。
資金繰り改善の可能性や、取引先の動向で、任意整理を判断しましょう。
ここでは重要な判断基準を、2つ紹介します。

1.資金繰り改善が難しいか
2.取引先が契約解除の意思を示していないか

1.資金繰り改善が難しいか

任意整理の判断基準として、資金の見通しがあります。
ファクタリングによって、かえって資金繰りが悪化する企業もあるのです。
たとえば売掛金を早期換金した結果、次の支払まで時間がかかり、その間の経費をカバーできない形です。
以上の繰り返しで資金繰りが難しく、負債がかさむようだと、任意整理が選択肢になります。
そこで重要なのが、ファクタリング業者への経営相談です。
業者によっては売掛金の買取だけでなく、経営コンサルティングも行います。
コンサルティングの結果、資金繰りのヒントがわかり、経営改善ができるかもしれません。
しかし経営状態があまりに悪いと、コンサルティングでも任意整理を結論づけられるでしょう。
以上の場合は、資金繰りの改善をあきらめ、任意整理に応じる形も選択肢です。

2.取引先が契約解除の意思を示していないか

取引先が契約解除の意思表示をした場合、任意整理の検討材料になります。
契約解除だと、企業は売掛金の相当額を受け取れません。
そのため入金のメドが消え、借入金の返済計画にも影響が出ます。
負債額が大きく、取引先の契約解除が決まった場合は、任意整理も選択肢です。
可能な限り、債務関係をきれいにすることが優先されるでしょう。
資金繰りの見通しが立たない場合は、自社と取引先の関係を調べましょう。
契約解除や取引停止をする取引先が現れたことで、任意整理を選ぶ企業も見られます。

任意整理後でもファクタリングは利用できる

任意整理が済んだあとも、ファクタリングは利用可能です。
ファクタリングは審査時、信用情報を照会しません。
主な審査基準は取引先の支払能力です。
そのため取引先が健全なら、企業の経営状態を問わず、売掛金を買い取ってもらえるでしょう。
任意整理後は、金融機関や公的機関からの融資が困難です。
そのためファクタリングでしか資金調達できない企業もあります。
手元に売掛金があり、まとまった資金が必要なら、従来どおりにファクタリングへの依頼が可能です。

ファクタリングは計画的に行おう

資金繰りの悪化を繰り返さないため、計画的なファクタリングが重要です。
ファクタリング後に任意整理を要する理由として、資金繰り改善失敗があります。
手元の売掛金を換金しても、利益が少なく、経費をカバーできなくなるからです。
さらに売掛金の早期換金によって、次の入金までの時間が空いてしまうこともあります。
この場合も運転資金の管理が難しくなり、再び資金繰りが悪化するかもしれません。
以上からファクタリングには、慎重な検討が必要です。
何度も利用すれば手数料がかさみ、経費が重くのしかかります。
売掛金の譲渡は、自社方針で一定期間の回数制限を設けましょう。

ファクタリング後の任意整理のまとめ

ファクタリングを利用しても、資金繰りが改善しないとき、任意整理が必要かもしれません。
毎月の経済的負担を軽くできますが、社会的信用を損なう点に要注意です。
企業によっては、ファクタリングがその場しのぎにしかならず、経費のカバーが困難になるかもしれません。
このような背景で、任意整理に追われるケースもあります。
ファクタリング後の任意整理を避けるためには、売掛金の計画的な譲渡が大切です。
ファクタリング時は慎重な検討を行うとともに、普段から無理のない資金管理をしてください。