請求書のみで利用できるファクタリングはある?フリーランスがファクタリングを活用する際の必要書類を解説
フリーランスは融資を受けるのが難しいため、資金調達方法としてファクタリングを利用する方が増えています。融資よりも必要書類が少なく、請求書のみで利用できると耳にしたことがある方も多いでしょう。では、フリーランスでファクタリングを利用する際、請求書のみで利用できるのか気になります。また、必要書類が少ないことで、どのようなメリットがあるのかも、知っておきたいところです。本記事では、フリーランスが請求書のみでファクタリングを利用できるのか、必要書類について詳しく解説します。
目次
フリーランスがファクタリングを請求書のみで利用できない
ファクタリングを請求書のみで利用できるという話を耳にすることはありますが、法人・フリーランスに関わらず、原則的に請求書のみで利用できません。しかし、例外として一部のケースでは、請求書のみで利用できることもあります。では、請求書のみで利用できないケース、できるケースについて解説します。
●原則的に請求書のみでは利用できない
●一部のケースでは請求書のみで利用できる
●請求書がなくても利用できるケースもある
原則的に請求書のみでは利用できない
ファクタリングは、原則的に請求書のみで利用できません。なぜなら、ファクタリングは売掛債権をファクタリング業者へ売却し、現金化する資金調達方法だからです。ファクタリング業者は売掛債権を買取る前に、売掛債権の実在性や、売掛先の支払い能力を確認します。
請求書のみでは、売掛先との取引履歴を確認できず、支払い能力の判断も下せません。また、請求書は簡単に改ざんできるため、利用者が実在しない請求書を作成する可能性もあります。そのため、フリーランス・法人に関わらず、請求書のみでファクタリングを利用するのは難しいのです。
一部のケースでは請求書のみで利用できる
原則的に請求書のみで利用できないとはいえ、場合によっては請求書のみで利用できるケースもあります。請求書のみで利用できるケースは、継続的に同じファクタリング業者を利用している場合です。継続的に利用していると、利用者と業者の間に信頼関係が構築されます。
初めての利用者よりも信用度が高いため、請求書のみで利用できる場合があるのです。また、前回利用した売掛先の売掛債権を利用する場合、売掛先の信用力も分かっているため、請求書だけで利用できるケースがあります。ただし、前回といっても間が空きすぎていると、利用できないケースもあるので注意が必要です。
請求書がなくても利用できるケースもある
ファクタリングを利用する際、必ずしも請求書が必要なわけではありません。売掛金の存在を証明できるなら、請求書がなくても構いません。請求書の代わりとなる書類としては、次の3つがあげられます。
・発注書
・納品書
・基本契約書
これらは、請求書のように売掛金の確定性を証明できないものの、複数の書類を提出することで実在性を証明できます。
ファクタリングの必要書類
ファクタリングを利用する際、最低限求められる書類は、次の通りです。
●売掛金を証明できる書類
●通帳のコピー
●身分証明書
では、それぞれの書類について詳しく見てみましょう。
売掛金を証明できる書類
売掛金を証明できる書類は、請求書のほか、契約書や発注書などがあげられます。売掛先が発行した発注書は、偽造しにくいため信頼度が高い書類として扱われるでしょう。契約書も、取引を証明するものとなるため、求められることがあります。特に、信用度の低い売掛先の場合、売掛金が証明できる書類を複数用意することで、審査に通る確率を上げられるでしょう。
通帳のコピー
通帳のコピーは、取引履歴を確認できるページが必要です。過去3か月の振り込み履歴をコピーすると、継続的に取引があることを証明しやすくなります。通帳の場合は、取引履歴と通帳の表紙のコピーを用意しましょう。オンラインバンクの場合は、取引履歴をスクショすることで、通帳のコピーの代替となります。
身分証明書
フリーランスの方は、身分証明書としてマイナンバーカードや運転免許証などが必要です。顔写真入りの身分証明書が必要で、有効期限にも注意する必要があります。
フリーランスがファクタリングで求められることが多い書類
ファクタリングでは、追加書類を求められることも多くあります。フリーランスが求められる可能性のある書類は、次の通りです。
●開業届
●印鑑証明書
●確定申告書
では、それぞれ詳しく解説しましょう。
開業届
フリーランスで開業届を出しているケースは少ないですが、個人事業主の場合は開業届が必要な場合もあります。税務署や国税庁のウェブサイトから申し込みフォームを入手し、オンラインもしくは窓口、郵送で提出してください。
印鑑証明書
印鑑証明が必要なこともあります。ファクタリングの契約をする際、署名と押印をするため、印鑑証明が必要になるのです。また、2社間ファクタリングを利用する際、債権譲渡登記が求められることもあります。その場合、印鑑証明書を提出する必要があります。
確定申告書
ファクタリングを利用する際、法人は決算書を求められますが、フリーランスの場合は確定申告書を求められることもあります。確定申告書が求められる理由は、売掛先との取引量や事業規模を把握するためです。確定申告書から予測できる取引額と、売掛債権の額面の規模が違いすぎないかなどがチェックされます。
ファクタリングは売掛先の信用力が重視されるものの、利用者の財務状況が軽視されるわけではありません。また、税金を滞納していると売掛金を差し押さえられることもあるため、滞納していないか確認する目的もあります。
必要書類が少ないファクタリングのメリット
請求書のみで利用できるファクタリングは原則的にないものの、必要書類の少ない方が、効率的に利用できる傾向があります。必要書類が少ないファクタリングのメリットは、次の通りです。
●審査時間が短い
●オンライン上で完結する手続き
では、それぞれのメリットについて見てみましょう。
審査時間が短い
必要書類が少ないファクタリングのメリットは、審査時間の短い傾向があることです。書類が多いと、すべての書類に目を通すだけでも時間がかかってしまいます。それぞれの内容を確認し、信用力をチェックするのに手間取ってしまいます。必要書類が少ないと、チェックする資料も少ないため、短時間で審査が完了するのです。また、書類を準備する時間も短縮できるので、素早くファクタリングに申し込めます。
オンライン上で完結する手続き
オンライン上で完結する手続きも、必要書類が少ないファクタリングのメリットです。書類を店舗に持ち込んだり、郵送したりする場合、手間も時間もかかります。また、店舗が遠い場合は、移動費もかかってしまいます。オンライン上で手続きできると、書類をデジタル化してアップロードしたり、メールに添付したりするだけで提出できるので便利です。面談が必要な場合でも、ビデオ通話などのツールを使って行えます。書類に不備があった場合も、修正してすぐに訂正して再提出できるのもメリットです。
必要書類が少ないファクタリングの注意点
必要書類が少ないと、準備に手間がかからないなどのメリットはあるものの、注意すべきポイントもあります。必要書類が少ないファクタリングの注意点は、次の2つです。
●手数料を確認する
●審査に通りにくいことがある
では、それぞれの注意点について詳しく解説します。
手数料を確認する
必要書類が少ないファクタリングの注意点は、手数料を確認することです。必要書類が少ないと、売掛先の支払い能力や売掛債権の信頼性を判断するのが難しく、ファクタリング業者にとってリスクの高い取引になります。ファクタリングの手数料はリスクの高さによって設定されるため、必要書類が少ないと、手数料の高い傾向があります。
そのため、複数のファクタリング業者から見積もりを取り、条件の良い業者を選ぶことが大切です。ファクタリングの手数料の目安は、契約方法によっても異なりますが、1%~19%ほどになります。ファクタリングで受け取る金額は、売掛金から手数料を差し引いた金額です。手数料が高いほど、受け取る金額も少なくなるため、事前に確認しましょう。
審査に通りにくいことがある
必要書類が少ないと、審査に通りにくいことがあるので注意が必要です。ファクタリングの審査では、売掛先の信用力が重要なポイントになります。フリーランスの場合、売掛先もフリーランスや個人事業主のことが多いため、請求書や通帳のコピーだけでは信用力を証明できない可能性が高いのです。未回収リスクが高いとして、審査に落ちることがあります。
そのため、信用力を証明できる複数の書類を提出することで、審査に通る確率を上げられます。売掛先がフリーランスの場合は、特に追加書類の提出を義務付けている業者に依頼する方が、審査通過率は高まるでしょう。
フリーランスが請求書のみでファクタリングを利用することについてのまとめ
フリーランスはもちろん、法人も請求書のみでファクタリングを利用するのは原則的にできません。ただし、継続的にファクタリング業者を利用していたり、前回利用した売掛先の売掛債権を利用したりすることで、例外的に利用できることもあります。通常は、請求書のほかに通帳のコピーや身分証明書が必要です。また、売掛先がフリーランスや個人事業主の場合、審査に通りにくい傾向があるため、信用力を証明するために追加書類の提出をおすすめします。ファクタリングはフリーランスでも手軽に利用できる資金調達方法なので、うまく活用してください。