ファクタリングのオンライン契約に印鑑証明は必要?必要書類や印鑑証明の取得方法をご紹介
ファクタリングの契約を行う際は、さまざまな書類を提出する必要があります。書類の準備に時間がかかるほど、資金調達も遅くなってしまいます。そのため、より簡易的に契約が行えるオンライン契約を選択する事業者も増えているのです。
しかし、オンライン契約であっても、印鑑証明は必要な場合があります。また、印鑑証明が求められるのには理由があります。本記事は、ファクタリングのオンライン契約で印鑑証明が必要な理由や、印鑑証明の取得方法などについてご紹介しましょう。
目次
ファクタリングのオンライン契約に印鑑証明は必要?
ファクタリングのオンライン契約は、対面型よりも必要書類が少ないのが一般的です。しかし、オンライン契約であっても、ファクタリング業者によって、印鑑証明を求められることがあります。では、なぜ印鑑証明が必要なのでしょう。
印鑑証明が必要な理由
ファクタリングの契約で印鑑証明が必要な理由は、売掛先との契約書類で用いられた印鑑との信義性を確認するためです。ファクタリング業者は、売掛金不回収などのリスクを負います。
そのため、契約者が確実に存在し、正式に契約していることを確認する必要があるのです。印鑑証明はこの確認手段として機能します。
法人・個人事業主に関わらず印鑑証明が必要
印鑑証明は、法人・個人事業主に関わらず、一律に求められるのが一般的です。法人の印鑑証明は法務局で、個人事業主の印鑑証明は市役所・区役所で取得できます。
印鑑証明不要のファクタリング業者もある
ファクタリング業者によっては、オンライン契約の際に印鑑証明が不要の場合もあります。とくに、個人事業主向けのファクタリング業者は、印鑑証明が不要なケースが多い傾向です。できるだけ早く資金調達したい場合は、印鑑証明不要のファクタリング業者を選ぶのが良いでしょう。
ファクタリングのオンライン契約に必要な書類
ファクタリングのオンライン契約で一般的に必要な書類は、次の通りです。
●身分証明書
●通帳のコピー
●売掛金の請求書
●決算書・確定申告書
●商業登記簿謄本
●印鑑証明書
●納税証明書
身分証明書
ファクタリング契約では、身分証明書が求められます。身分証明書が必要な理由は、反社会的勢力の排除やなりすまし防止のためです。個人事業主は事業主本人、法人は代表者の身分証明書が求められます。
顔写真付きの運転免許証やマイナンバーカード、パスポートが一般的に認められますが、顔写真のない健康保険証や住民票などの場合は、2種類が必要になります。また、有効期限が切れているものは不可であるため、期限切れに注意してください。
通帳のコピー
ファクタリング契約では、通帳のコピーが必要な場合があります。売掛先との取引実績・入金状況を確認し、売掛先の信用力を評価するためです。コピーする部分は、通帳の表紙と直近3〜6か月分の取引ページとなります。
インターネットバンキングを利用している場合は、入出金画面の印刷や鮮明なスクリーンショット画像で代用することが可能です。
売掛金の請求書
売掛金の請求書は、売掛債権が実際に存在すると証明する書類です。売掛金の請求書から、取引内容や売掛金額、支払い期日を確認できます。
そのため、ファクタリング業者が審査を行う際の基準の1つとなります。ファクタリング業者は、売掛金の請求書と通帳のコピーを基に、売掛債権の回収可能性を評価するのです。
決算書・確定申告書
オンライン契約では、事業規模や財政状況を確認して信用力を評価するために、法人は決算書、個人事業主は確定申告書の提出が求められる場合もあります。2者間ファクタリングでは売掛先から利用者を経由してファクタリング業者に資金が流れるものの、資金繰りが悪い企業はファクタリング業者に支払えないリスクがあります。
リスクを回避するために、ファクタリング業者は信用力の評価を行いますが、審査のハードルは金融機関の融資に比べて低い傾向です。
商業登記簿謄本
法人がオンライン契約する場合、商業登記簿謄本の提出が求められることもあります。通常は履歴事項全部証明書が必要で、これは会社の実在を証明する資料です。法務局で取得でき、郵送やオンラインで申請できます。
ただし、オンライン申請といっても申請時間が定められており、平日の指定時間内のみに行わねばなりません。郵送申請は申請書と手数料分の収入印紙・登記印紙が必要です。
印鑑証明書
オンライン契約でも、場合によっては印鑑証明書が必要です。法人の場合は、代表者の実印と法人印、それぞれの印鑑証明書が必要になります。
納税証明書
納税証明書は、利用企業に税金の滞納がないことを証明する書類で、追加書類として求められる場合があります。税金を滞納していると、売掛債権の差し押さえになるケースもあるからです。ただし、金融機関の融資では致命的な税金の滞納も、ファクタリングでは相談次第で利用可能な場合があります。
保険料の滞納も差し押さえ対象となり、保険料納付済証の提出が求められることもあります。納税証明書は税務署、保険料納付済証は市町村役場で取得可能です。
印鑑証明の取得方法
オンライン契約で印鑑証明が必要な場合、取得する必要があります。印鑑証明の取得方法は、次のようになります。
●法務局
●証明書発行請求機
●郵送
●オンライン請求
法務局
印鑑証明書は、法務局で取得できます。窓口で手続きする場合は、当日中に受け取ることが可能です。受付時間は平日午前9時~午後5時で、申し込みから受け取りまで時間内に完了してください。
取得方法は、印鑑証明書交付申請書に必要事項を記入し、手数料分の収入印紙の購入・支払いをします。印鑑カードとともに窓口へ提出すると、印鑑証書が受け取れます。
証明書発行請求機
法務局に証明書発行請求機が設置されている場合、証明書発行請求機で印鑑証明書の申請を行うことが可能です。ただし、すべての法務局に証明書発行請求機があるわけではありません。また、提出や取得は窓口で行わねばならないため、平日午前9時~午後5時までに完了してください。
取得方法は、証明書発行請求機に印鑑カードを挿入すると、必要事項を入力した後に整理券が発見されます。整理券番号を呼ばれたら、印紙を購入後に提出し、印鑑証明書が受け取れます。
郵送
印鑑証明は、郵送で取得することも可能です。時間を気にせず、手続きできるのがメリットです。ただし、郵送の場合は即日に印鑑証明書を受け取れません。
郵送での取得方法は、法務局のHPから申請書をダウンロードし、必要事項を記入して収入印紙を貼付します。切手の貼付した返信用封筒を同封し、法務局担当窓口に郵送したら完了です。
オンライン請求
印鑑証明書はオンライン請求も可能です。オンラインで申請し、郵送または窓口で受け取れます。オンライン申請の手順は、申請用総合ソフトをインストールし、申請者情報を登録します。次に、印鑑カードと電子証明書を用いて申請書を作成し、手数料を納付して受け取り方法を選択して申請完了です。
オンライン申請も利用時間が決まっているため、平日午前8時30分〜午後9時までに行ってください。また、オンライン申請をするには、法人の電子証明書を法務局で取得しておく必要があります。
ファクタリングは請求書のみで利用できない
ファクタリングのオンライン契約は、請求書のみでできるという話を耳にすることがあります。しかし、実際には請求書のみでオンライン契約はできません。オンライン契約が請求書のみでできない理由は、次のようになります。
●売掛債権の存在を確認
●過去の取引の存在を確認
●二重譲渡のリスクを回避
売掛債権の存在を確認
ファクタリングの契約で請求書以外の書類が求められるのは、売掛債権の実在の確認です。ファクタリングを行う際には、売掛債権の存在を明確に確認する必要があります。請求書は取引の証明書ですが、自社で発行するため偽造や改ざんが可能です。
そのため、実在しない売掛債権でファクタリングを試みるケースもあります。売掛債権が存在しないと判明した場合、ファクタリング業者にとって大きな損失です。請求書だけでは売掛債権の実在を確認するのは難しいため、複数の書類を用いて慎重に審査する必要があります。
過去の取引の存在を確認
ファクタリングの契約で請求書以外の書類が求められるのは、過去の取引の存在を確認するためです。ファクタリングを行う際、多くのファクタリング業者は過去の取引履歴が確認できる書類を求めます。
継続的な取引で発生した売掛金は信用度が高く、問題なく入金されていれば、ファクタリング後もスムーズに回収できると判断されます。そのため、通帳のコピーなども求められるのです。継続した取引と、期日までの入金実績が重要になります。
二重譲渡のリスクを回避
ファクタリングの契約が請求書のみでできない理由は、二重譲渡のリスクを回避するためです。ファクタリングで二重譲渡が行われると、ファクタリング業者は売掛金を回収できず、大きな損失を被ってしまいます。二重譲渡とは、売掛債権を複数のファクタリング業者に譲渡することです。
売掛先からの支払いは一度であるため、二重譲渡されると売掛金が回収できません。これを防ぐために、ファクタリング会社は複数の書類を用いて二重譲渡がないか確認するのです。請求書だけでは確認できないため、他の書類もあわせて慎重に審査を行います。
ファクタリングのオンライン契約の印鑑証明についてのまとめ
ファクタリングのオンライン契約では、必ずしも印鑑証明が必要なわけではありません。しかし、必要とされた時のために、印鑑証明書の取得方法は知っておくほうが良いでしょう。
また、ファクタリング業者が、印鑑証明をはじめとする、さまざまな書類を求めるのには理由があります。オンライン契約は、対面で契約するよりも必要な書類が少ないため、早急に資金調達をしたい場合は、オンライン契約をするのがおすすめです。