ファクタリングの割引率の相場はどれくらい?安く抑えるコツも紹介
「ファクタリングの割引率の相場が知りたい」
「ファクタリングの割引率をおさえて安く利用する方法はある?」
「そもそもファクタリングの割引率ってなに?」
優良なファクタリングサービスを選択するうえで、割引率の相場を理解しておくことは非常に重要です。しかし、はじめて利用する方は、割引率について詳しく知らない場合もあるでしょう。
そこでこの記事では、ファクタリングの取り引きに於ける割引率とは何かを説明したのち、相場や安く利用するポイントなどを紹介していきます。少しでもコストをおさえてファクタリングを活用したい方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
そもそもファクタリングの取り引きに於ける「割引率」とは
ファクタリング契約に於ける「割引率」とは、ファクタリングにかかる手数料の割合のことを指します。
ファクタリングに申し込む際、取り引きの対象となる売掛債権の金額から、一定の手数料が差し引かれます。そのときの手数料を決めるために用いられるのが「割引率」です。
額面金額に割引率を乗じて手数料を算出したのち、手数料を差し引いた金額がファクタリングの申込者へ支払われることとなります。
ファクタリングの取り引きに於いて割引率を左右する要素
先ほどの説明で、ファクタリングの取り引きに於ける割引率について理解できたかと思います。では、割引率を決める要素にはどのようなものがあるのか、詳しくみていきましょう。
売掛先の信用力
売掛先の信用力は、ファクタリングをおこなう業者が割引率を算定するうえで非常に重要です。
売掛先の経営状態や財務状況が安定していると、売掛金の支払いが遅延したり回収できなくなったりするリスクが低いと判断できます。そのため、信用できる取引先の売掛金であれば、割引率が低くなる傾向があります。
ファクタリングの契約に於いては、申込者よりも売掛先の与信を重視することが多いため、申し込む前にチェックしておきましょう。
売掛金額
契約に用いる売掛債権の金額も、ファクタリングの取り引きに於ける割引率を左右する大きな要因の一つです。売掛金額が大きければ、割引率を低めに設定してもファクタリングをおこなう業者が利益を得られます。
たとえば契約金額が1,000万円の場合、割引率から計算した手数料が3%だったとしたら、ファクタリングをおこなう業者が受け取れる金額は30万円です。一方で契約金額が100万円のケースで考えてみると、割引率から計算した手数料が10%だったとしても、ファクタリングをおこなう業者が受け取れるのは10万円となります。
上記のように、金額が大きい売掛金で申し込むほどファクタリングをおこなう業者が安定して利益を得やすいため、ファクタリングの取り引きに於ける割引率を低めに設定してもらいやすいです。
売掛金の支払いサイト
支払いサイトとは、未払い金が入金されるまでの期間を指します。ファクタリングをおこなう業者は、売掛金の支払いサイトが長いほど売掛先の経営状態が変化するリスクが高いと判断するため、割引率を高く設定される可能性が高いです。
ちなみに、一般的な売掛金の支払いサイトは1〜2か月程度であることが多いです。意外と見落としがちのため、ファクタリングに申し込む際は売掛金の支払いサイトにも注意しましょう。
申込者の信用力
売掛先のほかに、申込者の信用力も割引率に影響する場合があります。
ファクタリングをおこなう業者が審査をおこなうにあたって、売掛金について売掛先に直接確認できないケースでは、申込者の提出書類を信用するしかありません。そのため、申し込み内容に虚偽がないかファクタリングをおこなう業者がチェックする必要があり、申込者の信用度によって割引率が変動する可能性があります。
申込者の信用力が割引率に影響するのは主に「2者間ファクタリング」と呼ばれる契約で、後ほど詳しく解説します。
手続きにかかるコスト
ファクタリングの手続きにかかる費用として、以下が発生します。
• 審査にかかる費用
• 登記にかかる費用
• 事務手数料
• 印紙代
上記のようなコストがかさむと、その費用を回収する目的でファクタリングをおこなう業者が割引率を高くするケースが考えられます。たとえば、特殊な書類が必要だったり売掛先の審査に時間がかかったりする場合は注意が必要です。
割り引きや契約の方式
割り引きや契約の方式によっても、割引率が変わってきます。こちらも、割り引き方式・契約の形態の違いでファクタリングをおこなう業者が負う信用リスクが変動するため、割引率に差が生まれるためです。
詳しくは、次の「ファクタリングの取り引きに於ける割引率の相場」で解説していきます。
ファクタリングの取り引きに於ける割引率の相場
ファクタリングの取り引きに於ける割引率を左右する要素がわかったところで、相場はどれくらいなのか割り引き方式・契約の形態ごとに紹介していきます。
割り引き方式による違い
ファクタリングの割り引き方式には「一括割り引き方式」と「個別割り引き方式」があります。割引率の違いについて、詳しくみていきましょう。
一括割り引き方式
一括割り引き方式は、ファクタリングをおこなう業者が売掛債権の買い取り金額の全額を一括で支払う方式です。後述する個別割り引き方式よりも一般的な方法で、まとまった資金が必要な事業者にとってメリットが大きいと言えます。
また、ファクタリングをおこなう業者にとっても支払いの手続きが一回で済むので、事務作業のコストを削減できます。そのため、割引率が個別割り引き方式よりも低い傾向にあるのが特徴です。
個別割り引き方式
個別割り引き方式は、売掛金額の範囲のなかで必要額を決めて請求できる方式を指します。大きい金額をまとめて受け取るとつい浪費してしまう場合は、個別割り引き方式で計画的に必要額を受け取ることで資金繰りの改善を図るのがおすすめです。
ただし、一括割り引き方式とくらべて割引率の相場が高く設定されやすいため、注意が必要です。自社のニーズに合わせて割り引き方式を選択するようにしましょう。
契約の形態による違い
ファクタリングの契約の形態には「2者間」と「3者間」があります。それぞれ割引率にどのような違いがあるのか、詳しく解説していきます。
2者間での契約
2者間(申込者・ファクタリングをあつかう業者)でおこなうファクタリングは、売掛先が関与しない契約です。ファクタリングをおこなう業者が売掛金の実態を把握しにくいため、3者間での契約よりも信用リスクが高いと判断されます。そのため、割引率の相場は「10〜20%」とやや高めに設定される傾向があります。
ただ、2者間での契約は、売掛先に知られることなくファクタリングに申し込めるメリットもあるので、そういった面も考慮して契約の形態を検討しましょう。
3者間での契約
3者間(売掛先・申込者・ファクタリングを扱う業者)でおこなうファクタリングは、売掛先の承諾が必要な契約です。ファクタリングをおこなう業者が売掛先と直接関われるため、信用リスクは低減します。そのため、割引率の相場は「1〜10%」と低めに設定される傾向があります。
ファクタリングについて売掛先に通知されても問題ない場合は、より低コストで利用できる3者間での契約がおすすめです。
割引率をおさえてファクタリングを活用するポイント
ファクタリングを活用する際、割引率を安く抑えるにはどのようなポイントがあるか詳しく解説していきます。
ファクタリングをおこなう業者に交渉してみる
ファクタリングをおこなう業者に対して、割引率を下げてもらえないか交渉するのも一つの手です。
ファクタリングをおこなう業者が負う信用リスクがそれほど高くなければ、割引率を再検討してもらえる可能性があります。たとえば、売掛金額が大きい場合や売掛先の信用力が高いケースであれば、ファクタリングをおこなう業者も割引率の引き下げに応じやすいでしょう。
ファクタリングにかかるコストを少しでも抑えたい場合は、ファクタリングをおこなう業者に割引率の引き下げを相談することを検討してみてください。
複数の業者に対して見積もりを依頼する
複数の業者で見積もりしてもらうのも、割引率をおさえてファクタリングを活用するうえで重要なポイントです。
売掛金額や支払いサイトなどの条件が同じだったとしても、業者によって割引率が異なる場合があります。そのため、なるべく複数の業者に見積もりを依頼して比べることで、より割引率の低いファクタリングサービスを見つけるのに効果的です。
また、割引率以外の費用が別途かかるケースもあるので、事前に確認するようにしましょう。
一つの業者に絞って利用実績をつくる
一つの業者を何度も利用することによって、ファクタリング契約の際に割引率を低くしてもらえる場合があります。
初回利用のときは、売掛金を問題なく回収できるか、ファクタリングをおこなう業者の方で判断するのが難しいため、割引率を高めに設定されるケースが少なくありません。しかし、何度も利用することでファクタリングをおこなう業者との間に信頼関係が生まれ、初回よりも低い割引率で取り引きしてもらいやすくなります。
ファクタリングに申し込む際は、なるべく業者を絞って利用実績を重ねるようにしましょう。
場合によっては他の業者への乗り換えも検討する
現在利用しているファクタリングをおこなう業者で、割引率の引き下げに応じてもらえない場合、他の業者を利用することも検討してみてください。
ファクタリングをおこなう業者によって独自の審査基準を設けているケースも多く、既存の業者よりも有利な割引率で利用できる可能性があります。また、他のファクタリングをおこなう業者での利用実績があれば、実績がない場合よりも好条件で契約してもらいやすいでしょう。
ただし、偽装ファクタリングをおこなう悪徳業者も存在するので、契約内容はよく確認しましょう。
ファクタリングに於ける割引率の相場についてのまとめ
ファクタリングの取り引きに於ける割引率の相場は、割り引き方式や契約の形態によって異なります。
• 一括割り引き方式:個別割り引き方式にくらべて割引率が低い傾向にある
• 個別割り引き方式:一括割り引き方式にくらべて割引率が高い傾向にある
• 2者間での契約:割引率の相場は10〜20%ほど
• 3者間での契約:割引率の相場は1〜10%ほど
基本的に、信用リスクが低い契約ほど割引率を安く設定してもらいやすいです。そのため、割引率を安くおさえてファクタリングを活用したい場合は、売掛先の信用力や売掛金額・支払いサイトなどに注意しましょう。また、複数の業者に対して見積もりを依頼して比較検討してみるのも有効な手段です。ぜひ本記事の内容を参考にして、優良なファクタリングサービスを探してみてください。