フリーランスがファクタリングを利用する際の必要書類は?注意点も解説
融資以外の資金調達法を検討しているフリーランスの中には、ファクタリングの利用を考えている方もいるかもしれません。そのような場合は、ファクタリングの必要書類について押さえておくと、事前に書類を用意できてスムーズに利用できます。
そこで本記事では、フリーランスがファクタリングを利用する際の必要書類について解説していきます。ファクタリングを選ぶポイントや注意点についても解説するので、ぜひ最後までお読みください。
目次
請求書だけだとファクタリングを利用できない
ファクタリングを利用する際の必要書類と聞くと、請求書が真っ先に思い浮かぶ人も多いでしょう。しかし、請求書だけではファクタリングを利用できません。
ファクタリング会社は、申込者と契約を結ぶ前に信用できる取引先か調査する必要があります。その調査のために、請求書以外の書類が必要というわけです。どんな書類が必要になるかは、これから詳しく解説していきます。
フリーランスがファクタリング利用時に用意する必要書類
先ほどの説明の通り、請求書だけ用意してもファクタリングを利用することはできません。ファクタリング会社によって違いはありますが、一定の書類提出が必要です。
では、フリーランスがファクタリングを利用する際の必要書類にはどのようなものがあるか、具体的に紹介していきます。
請求書
ファクタリングを利用する際に必須なのが、売掛債権の存在を証明できる請求書です。どのファクタリング会社を利用する場合でも必ず提出を求められます。
売掛債権が実際にあることを確認できるのであれば、請求書以外に発注書や納品書なども有効です。
売掛先との基本契約書
基本契約書とは、継続的に取り引きを行う相手と締結する契約書を指します。同じ相手と何度も取り引きする場合にあらかじめ共通事項について定めておくことで、契約書を毎回作成する手間を省くことが可能です。
こちらも、売掛債権が実在するか確認するために提出を求められる場合があります。
通帳・入出金明細
通帳のコピーや入出金明細を確認することで、申込者と取り引きしている企業の存在や入金履歴が把握できます。特に対面での申し込みで必要になるケースが多く、過去3〜6か月分の提示を要求されるのが一般的です。ネット銀行を利用している場合は、取り引き画面を印刷して提出しましょう。
試算表
試算表とは、帳簿に記載されているすべての勘定科目の残高を集計した一覧表です。審査が厳しいファクタリング会社で提出が求められる可能性が高く、申込者の状況を判断する材料としてチェックされます。
印鑑証明書
印鑑証明書は、実印が公的に登録されていることを証明する書類です。市役所などで印鑑登録を行うことで、印鑑証明書が発行できます。印鑑登録カードを持っていれば、役所のほかコンビニでも証明書の発行が可能です。
身分証明書
身分証明書の提示を求められた場合、以下を提出しましょう。
• 運転免許証
• マイナンバーカード
• パスポート など
身元がわからないフリーランスと契約するのはファクタリング会社にとってリスクが高いため、身分証明書の提示は求められる場合がほとんどです。
納税証明書
申込者がきちんと税金を納めているかチェックするために、納税証明書の提出を要求される場合があります。
• 所得税
• 住民税
• 固定資産税
• 個人事業税 など
納めるべき税金を滞納している場合は、審査に通らない可能性が高いです。
確定申告書
確定申告書は、申込者の所得状況について把握する目的で提出が求められる場合があります。特にフリーランスの場合は、どのような事業でいくら所得があるのかわかりにくいため、確定申告書を提示することで信用してもらいやすくなります。
フリーランスがファクタリングを利用するメリット
フリーランスがファクタリングを利用するメリットを理解して、上手に活用していきましょう。
自身の信用度に関係なく資金調達できる
ファクタリングでは、主に売掛先の支払い能力や信用度について審査されます。そのため、社会的信用があまりないフリーランスでも申し込み可能です。特に、信用力が高い売掛先の債権を選ぶと審査に通りやすいでしょう。
金融機関で借り入れを断られた場合でもファクタリングを利用できる可能性があるので、一度相談してみてください。
保証人や担保を用意しなくてよい
無保証・無担保で資金調達できるのもファクタリングの利点です。ファクタリングは借り入れとは明確に異なるため、保証人や担保が契約に必要ありません。
個人として活動するフリーランスが、不動産などの担保や連帯保証人を用意するのは難しい場合がほとんどです。ファクタリングは、そのようなフリーランスでも利用しやすいと言えます。
売掛金の未回収リスクを避けられる
売掛金が回収できなくなった場合のリスクはファクタリング会社が負います。ファクタリングを利用することで、取引先の倒産リスクに備えながら資金調達することが可能です。
ファクタリングでは、売掛金が回収不能になった場合に契約者が責任を負う「償還請求権」が認められません。償還請求権や買い戻し特約が付帯した契約は、ファクタリングではなく実質的な貸し付けとみなされる場合が多いです。そのような契約を持ちかけられた場合は違法業者の可能性が高いので注意しましょう。
迅速な資金調達が可能
ファクタリング契約によっては、融資よりも早く資金調達できる可能性があります。急な資金需要に備えられるので、収入が安定しないフリーランスも安心して利用することが可能です。
より迅速に資金調達したい場合は、以下のポイントを押さえると審査に時間がかかりにくいです。
• 2者間ファクタリングを申し込む
• 同じファクタリング会社を使い続けて利用実績を積む
融資が実行されるまでのつなぎ資金としても利用できるので、ぜひファクタリングを資金繰りに役立ててください。
フリーランスがファクタリングを選ぶ際のポイント
次に、フリーランスはどのようなポイントに着目してファクタリングを選べば良いか、詳しく解説していきます。
申し込みから入金までがスピーディ
最近では、申し込んでから最短即日で入金されるファクタリングも珍しくありません。早急に資金が必要な場合は、対応が早いファクタリング会社を選びましょう。
また、必要書類が少ないとファクタリング会社がチェックに要する時間も短いため、審査が早く終わる場合が多いです。そういったファクタリングを選ぶことで、書類を用意する手間や入金にかかる時間が削減できます。
小口の売掛金も買い取ってもらえる
フリーランスとして個人で活動している場合、大きな金額の売掛債権を所有している方はあまり多くありません。業種にもよりますが、売掛金があったとしても数万〜数十万円と比較的少額な場合がほとんどでしょう。そのような場合、最低買い取り金額は事前にチェックしておくことをおすすめします。
10万円未満の売掛債権は買い取ってもらえない場合が多いため、複数の売掛金を合算して契約することも検討しましょう。
オンラインで手続きが行える
オンラインで申し込めるファクタリングを選ぶと、店舗に足を運ぶ必要がありません。最近は、審査や契約に関する手続きをメールや電話で完結できるファクタリングが増えてきています。
また、オンラインでのファクタリング手続きに対応している業者では、求められる必要書類が少ないケースも珍しくありません。仕事が忙しいフリーランスはオンライン手続きに対応しているファクタリングを選ぶと、余計な手間が省けて時間を有効活用できるでしょう。
フリーランスがファクタリングを利用する際の注意点
ファクタリングは便利な資金調達方法ですが、利用する際に気をつけるべきポイントもあります。効果的に活用できるよう、これから解説する注意点についてしっかり押さえましょう。
申し込むには売掛金が必要
当たり前に思うかもしれませんが、売掛金がない場合はファクタリングを利用できません。ファクタリングは売掛債権を買い取ってもらうことで早期に現金化する仕組みなので、契約には売掛金が必要です。そのため、開業して間もないフリーランスの方は、ファクタリングを利用できない場合がほとんどでしょう。
最初は創業融資やビジネスローンなどで事業資金を調達し、売掛金が発生したらファクタリングも検討してみましょう。
多用するとキャッシュフローが悪化する恐れがある
利便性が高いからといって、ファクタリングを多用しすぎるのはおすすめしません。ファクタリングを利用する際は必ず手数料が発生するため、本来受け取るはずの売掛金から減額されてしまいます。そのため、繰り返しファクタリングを利用することで、キャッシュフローの悪化に陥るリスクがあります。
ファクタリングは、多用を避けて計画的に利用しましょう。
悪徳業者でないか確認が必要
ファクタリングを装って貸金を行う業者も存在します。よく確認しないで契約してしまうと、法外な利息を要求されるなどのトラブルにつながりかねません。金融庁でも注意喚起しているため、少しでも怪しいと感じたら契約しないようにしましょう。
偽装ファクタリングを行う悪徳業者が少なからず存在するため、急いでいても契約書は必ず目を通すようにしてください。
フリーランスがファクタリングを利用する際の必要書類のまとめ
フリーランスがファクタリングを利用する際の必要書類には以下があります。
• 請求書
• 売掛先との基本契約書
• 通帳・入出金明細
• 試算表
• 印鑑証明書
• 身分証明書
• 納税証明書
• 確定申告書
必要書類が少ないファクタリングは、審査が早く終わったりオンラインで手続きが行えたりする場合が多いです。忙しい場合や急いで資金調達したい場合は、必要書類が少ないファクタリングを選んでみると良いでしょう。
自身の信用度にかかわらず利用できるファクタリングは、フリーランスが事業資金を調達する有効な手段の一つです。今回紹介した内容を参考にして、資金繰りの改善に役立ててください。