ファクタリングでコストが生じる!?金額を左右する要素と抑えるためのポイントを解説
ファクタリングを利用する際、必ず考慮しておきたいことは、コストの存在です。
どのファクタリング会社やサービスを選択しても、コストが生じます。
これを意識していなければ、ファクタリングすることによって、資金繰りが悪化してしまうかもしれません。
今回は、ファクタリング利用時に重要なポイントとなる、コストの存在について解説します。
目次
ファクタリングにはコストが生じる
ファクタリング会社やサービスの利用時にはコストが生じます。
手数料と呼ばれるものを中心として、ファクタリング会社に支払いしなければなりません。
ファクタリングでは手数料が生じるため、支払う金額だけ手元に残るお金が減少してしまいます。
つまり、ファクタリングのコストは、売掛債権を現金化するにあたっての非常に重要なポイントなのです。
もし、ファクタリングのコストについて深く考えていなかったならば、この機会に認識を改めましょう。
ファクタリングのコストである手数料の相場
ファクタリングのコストは、一般的に手数料と呼ばれます。
手数料は契約の種類によって相場があるため、それらについて把握しておきましょう。
2社間ファクタリング:10%~30%
ファクタリング会社と利用者の間で完結するファクタリングが、2社間ファクタリングです。
こちらの場合、手数料の相場は10%~30%で、比較的高い値が設定されています。
手元に残るお金が少なくなりやすい取引であるため、注意しなければなりません。
ただ、近年はファクタリング取引がWebで完結することもあり、手数料の相場は下がりつつあります。
利用するファクタリング会社によっては、2社間ファクタリングでも手数料が10%未満の場合があるため、探してみても良いでしょう。
3社間ファクタリング:1%~10%
ファクタリング会社と利用者に加えて、売掛先も含むファクタリングが、3社間ファクタリングです。
こちらの場合、ファクタリング会社のリスクが軽減されることから、手数料相場は1%~10%が多くみられます。
さらに、売掛先が公的な機関や大手企業の場合は、低い手数料が提示されやすい状況です。
ただ、コストを抑えられる手法ではあるものの、3社間ファクタリングでは売掛先に手続きしてもらう必要があります。
売掛債権をファクタリングすることが、売掛先に伝わってしまうため、その点を理解して利用するようにしましょう。
ファクタリングのコストを決定する6つの要素
ファクタリングのコストは多角的に決定されます。
例えば、以下の要素で決定されるため、その内容を理解しておきましょう。
● 契約の種類
● 売掛先の信用力
● 売掛債権の金額
● 債権譲渡登記の有無
● 同じファクタリング会社の利用回数
● 各種実費
契約の種類
上記で解説したとおり、契約の種類によってコストが異なります。
ここでのコストとはファクタリング手数料を指していて、ファクタリング会社へと支払う費用が中心です。
ファクタリングのコストを考える際は、契約の種類を軸に考えなければなりません。
なお、ファクタリングの種類は細かく、例えば3社間ファクタリングも細分化が可能です。
ファクタリングの種類を細分化することによって、より詳細にファクタリングのコストが決定されます。
売掛先の信用力
ファクタリングでは、売掛先の信用力が非常に重要です。
審査でも売掛先が重視され、これは利用者が支払うコストにも影響します。
基本的に、売掛先の信用力が高ければ、ファクタリングのコストは下がるはずです。
ファクタリング会社のリスクが軽減されるため、それに応じて手数料などが下がります。
例えば、売掛先が上場企業と小規模なベンチャー企業では、コストに違いがあるのです。
もちろん、売掛先の信用力だけでコストが決定されるわけではありません。
ただ、コストに影響しやすい要素として理解しておきましょう。
売掛債権の金額
売掛債権の金額は、ファクタリング手数料に影響しがちです。
一般的に、高額な売掛債権をファクタリングすると、コストが下がる傾向にあります。
ファクタリング会社は、1回の取引でまとまった収益を得られるため、手数料を下げやすいのです。
ただ、売掛債権の金額が高額になると、ファクタリング会社のリスクが高まってしまいます。
そのため、高額な売掛債権ならば必ず大きくコストが下がるかと問われるとそうではありません。
債権譲渡登記の有無
ファクタリングの契約に際して、債権譲渡登記が必要となる場合があります。
登記の手続きにはコストが生じるため、これの有無がファクタリングのコストに影響するのです。
まず、債権譲渡登記は登記手続きの一種であるため、登録免許税を納めなければなりません。
売掛債権の額面などによって決定される金額を支払います。
また、登記に向けて専門的な書類を作成しなければならず、作成を行政書士に依頼するとなると、依頼費用も必要です。
債権譲渡登記の有無によって、手数料以外のコストが発生するかどうかが左右されます。
同じファクタリング会社の利用回数
同じファクタリング会社を繰り返し利用すると、手数料が下がる場合があります。
ファクタリング会社への支払いを繰り返すことで、利用実績に基づいた信頼関係が生まれ、コストが下がる仕組みです。
初回の利用と2回目以降の利用では、ファクタリング手数料が異なる場合があります。
ただ、これは一般的な考え方であり、ファクタリング会社によっては初回だけを優遇していることがあるようです。
例えば、初回の手数料は割引適用であり、それ以降は通常の手数料が適用されるなどが該当します。
そのため、総じてファクタリング会社の利用回数が、ファクタリングのコストに影響すると考えれば良いでしょう。
各種実費
何かしらの実費が発生している場合には、ファクタリング会社からコストの一環として請求されます。
例えば、3社間ファクタリングのためにファクタリング会社の担当者が出張したならば、出張費の支払いが必要です。
また、契約に際して印紙などの貼り付けが必要となるならば、これらを購入する費用もコストに含まれます。
なお、近年はこれらの実費が発生しないように、ファクタリングの契約をWebで完結させることが一般的です。
移動コストや印紙の購入費用などを抑えることで、少ないコストでファクタリングできるようになっています。
ただ、どうしても出張費が生じることもあるため、その場合は支払うしかありません。
ファクタリングのコストを抑える5つの方法
ファクタリングのコストを抑えたいと考えるならば、以下の方法を試してみましょう。
● 3社間ファクタリングを選択する
● 高額な売掛債権を譲渡する
● 信用力の高い売掛先を選択する
● 同じファクタリング会社を利用する
● 複数の会社から見積もりを取得する
3社間ファクタリングを選択する
ファクタリングのコストを最低限に抑えたいならば、3社間ファクタリングを選択することが重要です。
上記の手数料で解説したとおり、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングには手数料の違いがあります。
3社間ファクタリングは、手数料の低い取引であるため、こちらを選択することで支払いを最低限に抑えられるのです。
ただ、近年は2社間ファクタリングでもWeb完結するようになったり審査精度が高まったりしたことで、手数料が下がってきました。
現時点では、3社間ファクタリングのほうが手数料が低いものの、徐々に大差ない状況にはなってきています。
高額な売掛債権を譲渡する
ファクタリングでは、高額な売掛債権ほど手数料が下がりやすいため、できるだけ高額な売掛債権を選択しましょう。
例えば、50万円の売掛債権を2つファクタリングするよりも、100万円の売掛債権を1つファクタリングしたほうがコストは少なくなりがちです。
手元にある売掛債権の中でも、可能な限り高額なものを選択することで、ファクタリング全体のコストを抑えられます。
ただ、保有している売掛債権の金額に大差がないことも考えられるため、その場合は他の方法を試すようにしてください。
信用力の高い売掛先を選択する
売掛先の信用力が高ければ、ファクタリング会社のリスクが低くなるため、コストも低く済む可能性があります。
複数の売掛債権を保有しているならば、大手企業や有名企業、公的機関などの売掛債権を優先しましょう。
このような売掛債権は、未回収になるリスクが低いため、ファクタリング会社が低い手数料を提示しやすくなります。
逆に、無名のベンチャー企業などの売掛債権は、手数料が高くなってしまうかもしれません。
できるだけ信用力の高い売掛先を選択することで、同じ売掛債権の金額でも手数料を抑えることができるのです。
同じファクタリング会社を利用する
ファクタリングでは、同じ会社を繰り返し利用することが大切です。
継続的に利用することで、ファクタリング会社との信頼関係が築かれ、ファクタリング手数料が下がりやすくなります。
結果、ファクタリングにかかるコスト全体を抑えられるようになるのです。
業界や業種によっては、資金繰りの観点からファクタリングを多用することがあるでしょう。
そのような会社は、ファクタリングのコストが重くのしかかってくる可能性があります。
可能な限り、コストの負担を抑えるためにも、継続的に同じファクタリングを利用することが重要です。
複数の会社から見積もりを取得する
ファクタリングのコストについて知るために、複数の会社へ見積もりを依頼してみましょう。
基本的に、見積もりを依頼するだけでは申し込みにならないため、複数社へと依頼しても差し支えありません。
提示されるコストを比較してみることによって、どこのファクタリング会社を選択すべきか明確になります。
特に、ファクタリングを初めて利用する場合は、どこのファクタリング会社が良いのか判断に困るでしょう。
実際にコストを提示してもらうことで、どのファクタリング会社が良いのか決定できるはずです。
ファクタリング会社はコスト以外でも評価すべき
ファクタリング会社を選ぶ際は、コストを意識しなければなりません。
ただ、それ以外にも評価したいポイントがあるため、それらについても解説します。
入金までの期間
ファクタリングを申し込みしてから、入金されるまでの期間に注目しておきましょう。
素早い手続きに対応しているファクタリング会社であれば、最短即日で現金化できます。
逆に、時間を要するファクタリング会社もあるため、それらを確認しなければなりません。
現金が必要なタイミングまでに余裕が無いならば、入金までの期間が短いファクタリング会社を選ぶことが求められます。
逆に、切羽詰まっていないならば、コストも含めて複数の観点から評価してみると良いでしょう。
ファクタリング会社の実績
公式サイトや口コミなどから、ファクタリング会社の実績を把握することが大切です。
基本的には、多くの実績を持つファクタリング会社を選択するようにすれば良いでしょう。
ファクタリング会社の中には悪徳業者が存在しますが、実績が豊富な会社を選択すればトラブルになる可能性が減ります。
特に、最近はファクタリング会社の数が増えてきたため、実態の分かりづらい中小規模の会社も増えてきました。
規模の小さなファクタリング会社が悪というわけではありませんが、実績があるかどうかは評価するようにしましょう。
専門性
ファクタリング会社によっては、取り扱う売掛債権に専門性を有している場合があります。
例えば、運送業や建設業など、支払いサイトが長い業界を得意としている会社があるのです。
もし、自社が何かしら特徴的な業界に該当するならば、専門性の高いファクタリング会社を選択しても良いでしょう。
専門性の高いファクタリング会社を選択することで、ファクタリングの審査が短くなったり手数料が下がったりする可能性があります。
ファクタリングで生じるコストについてのまとめ
ファクタリングを利用する際にはコストが生じることについて解説しました。
基本的には、ファクタリング手数料と呼ばれるコストが生じ、それ以外にも実費などが請求されることがあります。
コストが高くなればなるほど、手元に残るお金が少なくなるため、利用時には必ず意識しなければなりません。
なお、発生するコストは利用するファクタリング会社や契約の種類によって大きく異なります。
コストの違いが判断できない場合には、実際に見積もりを取得して、提示された値を比較するなどしてみましょう。