必要書類が少ないファクタリングのメリットとデメリットとは?請求書のみで利用できない理由を解説
ファクタリングを利用する際は、必要書類を提出して審査や契約をおこないます。
しかし書類を用意するのは大変なので「できれば必要書類が少ないファクタリングを利用したい」と考えている事業者は多いです。
では、必要書類が少ないファクタリングにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
また、この記事では請求書のみでファクタリングを利用できない理由についても解説していきます。
必要書類の少ないファクタリングを利用したいと考えている事業者は、ぜひ参考にしてください。
目次
必要書類が少ないファクタリングのメリット2選
必要書類が少ないファクタリングのメリットには、下記の2つがあります。
1. スピーディな審査が期待できる
2. オンライン上で手続きが完了するファクタリング会社が多い
どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
1.スピーディな審査が期待できる
ファクタリング会社は、ファクタリングの利用者から提出された書類の内容を確認します。
必要書類の数が多ければ多いほど、確認するのに時間がかかります。
しかし、必要書類が少ないと確認するのに時間がかからないため、スピーディな審査が期待できるのです。
また審査が早く終われば、即日入金ができる可能性も高まります。
できるだけ早く資金調達をしたいと考えている事業者にとって、審査スピードの早さは魅力的にうつるでしょう。
2.オンライン上で手続きが完了するファクタリング会社が多い
必要書類の少ないファクタリング会社は、オンラインで完結する仕組みを構築しているケースが多いです。
オンライン上で必要書類のアップロードができれば、郵送をしたりファクタリング会社に来店して手渡しをしたりする必要はありません。
地方に住んでいる事業者にとっても、大きなメリットだといえるでしょう。
必要書類が少ないファクタリングのデメリット2選
必要書類が少ないファクタリングにはデメリットもあります。
下記の2つのデメリットについて知っておきましょう。
1. 手数料が高額となる可能性が高い
2. 審査に落ちるリスクがある
1.手数料が高額となる可能性が高い
ファクタリング会社は必要書類を確認して、売掛先やファクタリングの利用者の信用度をチェックしています。
しかし信用度を確認する必要書類が少ないと、ファクタリング会社としては「売掛金が本当に回収できるのか」と疑いを持つこととなります。
そのため高額な手数料を設定して、売掛金の未回収リスクを軽減するのです。
2.審査に落ちるリスクがある
一般的に必要書類の多さと信用度は比例します。
必要書類が少ないと十分に信用度を判断できないことから、審査に落ちるリスクが高まります。
もし審査に落ちてしまうのであれば、必要書類の多いファクタリングを利用してみるとよいでしょう。
請求書のみでファクタリングの利用ができない理由
「請求書のみでもファクタリングは利用できるのか」といった相談が寄せられることがあります。
結論からお伝えすると、請求書のみではファクタリングの利用はできません。
請求書のみでファクタリングの利用ができない理由は下記の3つです。
1. 売掛先の与信調査を請求書のみでおこなうのはむずかしい
2. 偽造された請求書を提出される可能性があり、ファクタリング会社が負うリスクが高い
3. 売掛債権の二重譲渡を避けるため
請求書のみでファクタリングができると持ちかけてくるファクタリング会社は、悪徳業者の可能性が高いです。
甘い言葉に騙されないように注意しましょう。
ファクタリングに必要な最低限の書類
ファクタリングで必要な書類は、契約するファクタリング会社によって異なります。
ただ、ファクタリングに必要な最低限の書類は共通しています。
1. 通帳のコピー
2. 成因資料
上記の書類について見ていきましょう。
1.通帳のコピー
事業の入出金が確認できる通帳のコピーは、必ず提出を求められる書類です。
通帳のコピーで確認する内容はこちらです。
・売掛先と継続的な取引があるか
・売掛金が支払期日内に入金されているか
・取引の規模(金額)はどのくらいか
なお、3か月から6か月程度の取引履歴が記載されている通帳のコピーを用意するのが一般的です。
また、取引期間の長さはファクタリング会社としても安心材料となるので、もしそれ以上の取引がある場合は提出しても構いません。
2.成因資料
売掛金の存在を証明するために提出するのが成因資料です。
成因資料は請求書や発注書、納品書などを指します。
成因資料の提出ができなければ、ファクタリングの利用はほぼ不可能です。
資金調達に必要な資料となるので、大切に保管しておきましょう。
ファクタリングに必要なそのほかの書類
先述した最低限の必要書類のほかに提出を求められるケースが考えられるのは、下記の9つの書類です。
1. 決算報告書
2. 基本契約書
3. 身分証明書
4. 試算表
5. 商業登記簿謄本
6. 印鑑証明書
7. 税金・社会保険関係の書類(個人事業主)
8. 確定申告書(個人事業主)
9. 開業届(個人事業主)
スムースに手続きができるように、しっかりと用意をしておきましょう。
1.決算報告書
ファクタリング会社は決算報告書をチェックすることで、経営状態を確認します。
ファクタリングでは過去3期分の決算報告書を求められるケースが多いです。
ただ、開業したばかりでは決算報告書が手元にないことも考えられます。
決算報告書を作成していない場合は、ファクタリング会社に相談しましょう。
2.基本契約書
ファクタリング会社と契約をする際に交わされるのが基本契約書です。
基本契約書を提出すれば、売掛金の存在が確認できます。
3.身分証明書
ファクタリングの利用者の身分証明書を提出します。
顔写真付きの身分証明書が望ましいです。
下記の身分証明書の提出をおすすめします。
・マイナンバーカード
・運転免許証
・パスポート
4.試算表
経営状態を確認するために試算表の提出を求められるケースもあります。
決算報告書と試算表を確認することで、ファクタリング会社はよりリスクの低い取引が可能です。
ただし、中小企業や個人事業主では試算表を作成していないケースも考えられます。
試算表がなければファクタリング会社に相談しましょう。
5.商業登記簿謄本
法人の存在を確認するために提出する書類が商業登記簿謄本です。
ファクタリング以外では、銀行の融資や補助金を受けるときなどに提出します。
6.印鑑証明書
登録されている印鑑が本物である事実を証明する書類が印鑑証明書です。
印鑑証明書はファクタリングのほかに、会社設立時の登記や不動産の購入などで必要です。
利用する場面が多いので、早めに印鑑登録の手続きをしておきましょう。
7.税金・社会保険関係の書類(個人事業主)
売掛債権は差し押さえの対象となる資産です。
ファクタリングの利用者が税金や社会保険料を納めていなければ、ファクタリング会社は売掛金を回収できなくなる可能性が高くなります。
なお、税金や社会保険料の滞納や未納があっても、ファクタリングの審査に影響することはほとんどないとされています。
ただし、ファクタリング会社によっては納付書を確認するケースも考えられるので、提出できるようにしておきましょう。
8.確定申告書(個人事業主)
個人事業主は決算報告書の作成義務がないため、代わりに確定申告書の提出を求められるケースがあります。
売掛金の未回収リスクを軽減するため、ファクタリング会社は確定申告書を確認して支払能力の有無を判断するのです。
確定申告書も3期分を用意しておけば問題ないでしょう。
9.開業届(個人事業主)
開業届には事業内容が記載されています。
開業届は個人事業主にとって、法人の商業登記簿謄本のようなものです。
必要書類が少ないファクタリングに関するまとめ
必要書類が少ないファクタリングのメリットはスピーディな審査が期待できることや、オンライン上で手続きが完了するファクタリング会社が多いことがあげられます。
一方で手数料が高額となる可能性が高い点や、審査に落ちるリスクがある点がデメリットです。
ファクタリングは請求書のみでの利用はできません。
売掛先の与信調査を請求書のみでおこなうのはむずかしく、偽造された請求書を提出される可能性があるからです。
必要書類が少ないファクタリングのメリットやデメリットを把握したうえで、申込をしてみてはいかがでしょうか。