オンライン契約が可能なファクタリングとは?メリット・デメリットやオンラインファクタリングが向いているケースを解説
ファクタリングは銀行融資よりも審査に通りやすく、中小企業も利用しやすい資金調達として注目されています。近年は、オンライン上で契約可能なオンラインファクタリングも増えており、面談などの手間を省いて契約できると人気です。しかし、利用する前には、仕組みやメリット・デメリットなどを把握しておく必要があります。本記事では、オンライン契約が可能なファクタリングの仕組みや、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
目次
オンライン契約が可能なファクタリングとは?
オンライン契約が可能なファクタリングは、一般的にオンラインファクタリングと呼ばれています。ファクタリングは、売掛債権を業者に譲渡し、現金化する資金調達方法です。契約をするには、必要書類を業者へ郵送したり、面談を行ったりする必要があります。オンラインファクタリングは、これらの手続きをすべてオンライン上で完結できます。オンラインファクタリングの概要は、次の通りです。
●オンラインファクタリングの仕組み
●オンラインファクタリングの歴史
では、それぞれのポイントについて詳しく解説しましょう。
オンラインファクタリングの仕組み
オンラインファクタリングは、次のような流れで契約~現金化まで行います。
●申し込み
●仮審査
●見積もり
●オンラインで必要書類を提出する
●本審査
●オンライン契約
●入金
オンライン契約は、オンライン上で申し込みから入金まで完結する仕組みです。必要書類は、スキャンしたり撮影したりしたものをアップロードし、提出します。契約書の署名も、WEB署名を利用して行います。また、業者によってアカウント登録が必要、見積もりまではFAX対応など工程も異なるため、使いやすいサービスを提供している業者を選びましょう。
オンラインファクタリングの歴史
日本でオンラインファクタリングがスタートしたのは、2017年です。その後、2020年からのコロナ禍により、非接触非対面が推奨されるようになったため、広く利用されるようになりました。
オンラインファクタリングのメリット
オンライン契約可能なファクタリングのメリットは、次の通りです。
●手続きが効率化
●契約にかかるコストを削減
●入金までがスピーディ(最短即日)
●営業時間外でも手続き可能
●手数料が安い傾向
では、それぞれのメリットについて解説しましょう。
手続きが効率化
手続きが効率化できることは、オンラインで契約するメリットです。通常のように、必要書類を持参したり、業者のオフィスまで面談に出向いたり、契約書に署名捺印したりする必要はありません。すべてのプロセスがオンライン上で完結でき、手続きが効率化できます。
契約にかかるコストを削減
契約にかかるコストを削減できることもメリットです。通常は、紙での契約書となるため、印紙を貼付しなければなりません。そのため、印紙税がかかってしまいます。オンラインでの契約であれば、電子契約となるため印紙の貼付が必要ないため、印紙代を削減できます。また、書類の郵送代や面談に向かう交通費なども削減可能です。
入金までがスピーディ(最短即日)
入金までがスピーディであるのも、メリットの1つです。効率的に申し込み手続きができるため、審査の時間も短くなります。最短数時間で審査が完了する業者もあり、素早い資金調達ができます。
営業時間外でも手続き可能
営業時間外でも手続き可能なこともメリットです。通常は、営業時間内しか申し込めませんが、オンラインであれば24時間いつでも手続きができます。もちろん、営業時間内しか担当者からの返事はないものの、必要書類のアップロードなどをして営業時間外に送っておくことは可能です。
手数料が安い傾向
手数料が安い傾向にあることも、メリットにあげられるでしょう。手数料が安いのは、業者のコストが削減できるからです。面談のための部屋やスタッフを準備する必要がなく、家賃や人件費を削減できるため手数料に還元できます。
オンラインファクタリングのデメリット
オンラインファクタリングのデメリットは、次の通りです。
●審査に通りにくいことがある
●信頼関係を築きにくい
●書類をデジタル化する手間が発生する
●ネットワークやパソコントラブルが起きると利用できない
●3者間ファクタリングに対応していないことが多い
では、それぞれのデメリットについて解説しましょう。
審査に通りにくいことがある
審査に通りにくいことがあるのも、デメリットの1つです。オンラインファクタリングでは、審査を効率化するためにAI審査を採用しているところがあります。提出された書類を、AIが事務的に審査するのです。人間が審査する場合、不備があっても審査に影響を与えない場合は不問にされるケースがほとんどであるものの、AI審査は基準から少しでもずれていると、審査に通らない可能性があります。
また、通常は対面の面談が行われるため、足りない情報は口頭で補えます。しかし、オンラインファクタリングはすべてのやり取りがオンライン経由であるため、提出できる情報が限られてしまうのです。書類だけで審査に通る自信がない場合は、オンライン面談を行っている業者にしましょう。
信頼関係を築きにくい
信頼関係を築きにくいことも、デメリットに数えられます。審査もAIで行われるうえ、やり取りはメールやチャットで行うので、担当者と信頼関係を築くプロセスがありません。継続的にサービスを利用しても、担当者の顔さえわからないこともあるでしょう。担当者と絆を深め、きめ細やかな対応をしてもらうのは難しいかもしれません。
書類をデジタル化する手間が発生する
書類をデジタル化する手間が発生することも、デメリットにあげられるでしょう。オンライン契約では必要書類を業者へ持ち込んだり、郵送したりする手間はかかりません。しかし、オンライン上で送信するために、書類をデジタル化する手間が発生します。紙の書類に慣れている場合、コピーを取って郵送する方が早いと感じるかもしれません。デジタル作業に慣れていない場合、書類をデジタル化するのが負担になることもあるでしょう。
ネットワークやパソコントラブルが起きると利用できない
ネットワークやパソコンのトラブルが起きると利用できないのも、デメリットです。オンライン契約では、インターネット環境が整っていればどこからでも申し込みができます。しかし、ネット回線やパソコンにトラブルが生じた場合、申し込みができなくなってしまいます。ネット回線が復旧したり、パソコンを修理したりすれば申し込みはできますが、数日かかる場合もあるでしょう。急ぎの場合は、不便に感じるかもしれません。
3者間ファクタリングに対応していないことが多い
3者間ファクタリングに対応していないことが多いのもデメリットです。ファクタリングは、2社間で契約するものと3社間で契約するものの2種類があります。3社間は利用者と業者だけでなく、売掛先も交えて契約をするため、手続きが複雑になります。そのため、オンライン契約では3社間に対応していないことが多いのです。3社間ファクタリングを利用したいなら、通常のファクタリングを利用するのが良いでしょう。
オンラインファクタリングが適しているケース
オンラインファクタリングが適しているケースは、次の通りです。
●急いでお金が必要
●本業が忙しくて時間が取れない
●遠方で窓口まで出向けない
●コストを抑えて資金を調達したい
では、それぞれのケースについて詳しく見てみましょう。
急いでお金が必要
適しているケースは、急いでお金が必要な時です。オンライン契約は最短即日で現金化できるため、急に資金が必要になった際に活用できます。
本業が忙しくて時間が取れない
適しているケースは、本業が忙しくて時間が取れない時です。業務が立て込んでおり、営業時間中に申し込み手続きができなかったり、面談に訪れたりできない場合、オンラインファクタリングは重宝します。24時間いつでも申し込みができるうえ、業者のオフィスまで面談に行く必要もありません。隙間時間を見つけ、手続きが行えるでしょう。
遠方で窓口まで出向けない
適しているケースは、遠方で窓口まで出向けない時です。近所に業者がない場合、県外の業者を利用しなければなりません。オンラインファクタリングなら、全国どこに所在していても、オンライン上で手続きを完結して利用できます。
コストを抑えて資金を調達したい
適しているケースは、コストを抑えて資金を調達したい時です。オンラインファクタリングは手数料が低く設定されていることが多く、コストを抑えた資金調達が可能です。また、面談に行く必要もないため、交通費など無駄な費用もかかりません。ただし、手数料は売掛債権の信用力などにより変動するため、オンラインだからといって必ず安いわけでないことに注意してください。
オンラインファクタリングを選ぶ際のポイント
オンラインファクタリングを選ぶ際のポイントは、次の通りです。
●オンライン完結型であるか
●審査にかかる時間
●買取可能額の下限・上限
●手数料
●個人事業主でも利用できるか
では、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
オンライン完結型であるか
オンライン完結型であるかも、選ぶ際のポイントです。オンライン契約できるファクタリングであっても、すべての手続きがオンラインで完結しないものもあります。申し込みはオンラインでできても、対面の面談が必要というケースもあるのです。効率性を重視し、対面でのやり取りを避けて利用したい場合は、オンライン完結型のサービスを提供しているか確認してください。
審査にかかる時間
選ぶ際のポイントは、審査にかかる時間です。オンラインファクタリングは、概して審査時間が短いものの、業者によってスピードは異なります。最短30分で審査が完了する業者もあれば、1日~3日かかる業者もあります。とくに、急ぎで資金調達が必要な場合は、審査にかかる時間を事前に確認し、審査が早い業者を選びましょう。
買取可能額の下限・上限
選ぶ際のポイントは、買取可能額の下限・上限です。業者によっては、売掛債権の買取限度額が設定されている場合もあります。買取上限が低い場合、売掛債権の額面が大きいと買取不可となってしまいます。反対に、買取加減が高い場合、売掛債権の額面が小さいと、買取ってもらえません。調達したい資金額に合う、買取限度額に定めている業者を利用しましょう。
手数料
手数料も、選ぶポイントの1つです。オンラインファクタリングは手数料が低い傾向にあるものの、相見積もりをして比較することも大切です。基本的に2社間での契約は3社間よりも割高で、オンラインは2社間での契約が一般的になります。そのため、3社間ファクタリングを利用する方が、2社間のオンラインファクタリングを利用するよりも手数料が安くなるケースもあります。
個人事業主でも利用できるか
個人事業主でも利用できるかも、選ぶポイントです。業者によっては、法人しか取引していないところもあります。個人事業主が利用する場合、事前に確認しておく必要があるでしょう。また、売掛先が個人事業主の場合も、断られることがあります。
ファクタリングでは、売掛先の信用力が重要です。個人事業者が売掛先の場合は、信用力が低いと評価されてしまいがちです。大手企業や公共事業など、信用力が高い売掛債権を利用しましょう。
オンライン契約が可能なファクタリングについてのまとめ
オンライン契約が可能なファクタリングは、効率的に手続きができるうえに、入金スピードが早いというメリットがあります。また、ファクタリング業者の営業時間外に申し込み手続きができるのもメリットです。しかし、AIが審査を行うケースもあり、ちょっとした入力ミスなど些細な間違いで落とされる可能性もあります。申し込みの際はミスがないよう注意し、オンラインファクタリングを上手に活用してください。