クラウド・オンライン型ファクタリングのおすすめサービスを比較|完全Web完結サービスのメリット・デメリットを解説
資金調達方法のひとつであるファクタリングのなかでも、オンラインファクタリングは手軽さや入金までのスピード感が好評です。しかし、さまざまなサービスがあるため選び方に迷われる方もいるでしょう。
この記事では、オンラインファクタリングのおすすめサービスを紹介します。メリット・デメリットも解説しているため、資金繰りの改善を考えている方は参考にしてください。
目次
オンラインファクタリングサービスとは
オンラインファクタリングサービスは、手続きがオンラインで完結するファクタリングサービスのことです。Web上で手続きが完結するため、店舗での対面手続きは原則不要です。
ファクタリングとは、企業の売掛債権をファクタリング会社に売却して資金を調達する方法です。売上が入ってくる前に資金を用意できるため、資金繰りの改善ができます。
各サービスのWebサイトに設置されている入力フォームなどから申込手続きをし、契約の締結は電子契約で行います。申込から契約までの煩わしい手続きや店舗に出向く手間が面倒な方に適したサービスです。
おすすめのオンラインファクタリングサービス5選
おすすめのオンラインファクタリングサービスは、以下の5つです。
- Easy factor
- ペイトナーファクタリング
- 日本中小企業金融サポート機構
- JBL
- ラボル
会社や自分の事業に合うファクタリングサービスを見つけて、契約を検討しましょう。
Easy factor
入金速度 | 最短60分 |
---|---|
取引形態 | 2社間 |
手数料 | 2~8% |
申込方法 | オンライン 電話 |
利用対象者 | 法人 個人事業主 |
利用可能額 | 30万円~ |
債権譲渡登記 | 債権譲渡登記なし |
必要書類 | 請求書 直近の決算書 通帳のコピー |
Easy factorは、最短60分で資金調達ができるスピード感と2〜8%の低い手数料が特徴です。手数料以外の費用はかからないため、コストも必要最低限で済みます。
すべての手続きがオンラインで完結できるようにZoomとクラウドサインを活用しており、加えて必要書類も3点だけです。そのため、申込みから入金まで手間がかからずに済むでしょう。
見積もりは最短10分で取れるため、スピーディーな資金調達が期待できるサービスです。
ペイトナーファクタリング
入金速度 | 最短10分 |
---|---|
取引形態 | 2社間 |
手数料 | 10% |
申込方法 | オンライン |
利用対象者 | 法人 個人事業主 |
利用可能額 | 1万~100万円 |
債権譲渡登記 | 債権譲渡登記なし |
必要書類 | 請求書 銀行通帳のコピー 本人確認書類 |
ペイトナーファクタリングは、最短10分とスピーディーな入金が特徴です。指定の金額までなら何回でも請求書を買い取ってもらえるため、急な資金不足にも対応できます。
ただし、最短10分での入金は営業時間である平日10:00〜19:00内でなければ受け付けていません。資金調達の緊急性が高い場合は、営業時間内に申し込みましょう。
日本中小企業金融サポート機構
入金速度 | 最短3時間 |
---|---|
手数料 | 1.5~12%程度 |
契約方法 | オンライン完結型 書面契約 |
利用対象者 | 法人 個人事業主 |
利用可能額 | 無制限 |
債権譲渡登記 | 債権譲渡登記なしでの契約も取り扱う |
必要書類 | 成因資料(請求書、注文書、契約書など) 銀行通帳のコピー(表紙付2カ月分) |
日本中小企業金融サポート機構のファクタリングは、中小企業に適したファクタリングサービスです。手数料は1.5%〜となっており、利用コストを抑えられます。
申込みは電話やWebの入力フォームから行います。必要書類の提出はFAXやメール、LINEなどでもできるため、スムーズな手続きが可能です。
日本中小企業金融サポート機構ではファクタリングのみでなくM&Aや事業承継のサポートなど、中小企業の経営を包括的にサポートしてくれます。
JBL
入金速度 | 最短2時間 |
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取引形態 | 2社間 3社間 |
手数料 | 2%~ |
申込方法 | オンライン |
利用対象者 | 法人 |
利用可能額 | ~1億円 |
債権譲渡登記 | 原則必要 |
必要書類 | 請求書 身分証明書 決算書 取引先との成因資料 6カ月分の通帳すべて |
JBLは1億円までの資金調達ができるのがメリットです。高額なお金が必要な場合に使いやすく、資金繰りのみでなく設備投資にも活用できます。
入金までの時間も早く、最短2時間での資金調達が可能です。その日のうちに急な支払いがあるときにも役立つでしょう。
無料での査定もしてくれるため、資金調達ができるか不安な人も試しやすく、初めてのファクタリングでも気軽に使えます。
ラボル
入金速度 | 最短30分 |
---|---|
取引形態 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
手数料 | 10% |
申込方法 | オンライン |
利用対象者 | 法人 個人事業主 |
利用可能額 | 1万円~ |
債権譲渡登記 | 債権譲渡登記なし |
必要書類 | 請求書 成因証書 本人確認書類 |
ラボルは、フリーランス・個人事業主向けのファクタリングサービスで独立直後でも利用できます。最短30分で入金されるスピードの速さも特徴です。
審査通過後は24時間365日いつでも即時振込のため、審査にさえ通ればすぐに資金繰りの改善ができます。手数料は10%で固定されているため、ほかのサービスに比べてコストがかかる点には注意しましょう。
オンラインファクタリングのメリット・デメリット
オンラインファクタリングのメリットは、入金までのスピードが速い点や簡単に手続きができる点です。また、手数料も比較的低めとなっています。
一方、デメリットは審査が機械的な点や一部のファクタリングの形式に対応していない点などです。
オンラインファクタリングのメリット・デメリットを解説します。
メリット①入金までのスピードが速い
オンラインファクタリングは申込から入金までの手続きを簡素化していることから、入金までのスピードが比較的速いです。
なかには最短即日入金に対応しているサービスもあり、請求書や売掛債権をすぐに現金化できます。入金までのスピードが速い分「手元にお金を残せる」という安心感もあります。
メリット②いつどこにいても申込手続きができる
オンラインファクタリングはPC・スマホから申込手続きができます。店舗に出向く手間や対面での事前面談などがなく、必要最低限の手続きで申し込めるため、煩わしさがありません。
とくに仕事が忙しく店舗で相談する機会がない場合やすぐに資金が必要な場合などは、手続きに時間をかけたくないものです。オンラインファクタリングを使えば、スムーズな資金調達が期待できます。
メリット③手数料が低い傾向にある
オンラインファクタリングは、通常のファクタリングに比べて手数料が低い傾向にあります。
オンラインファクタリングは、企業とファクタリング会社の2社でやりとりする「2社間ファクタリング」の形態をとります。2社間ファクタリングの手数料相場は8〜18%です。
しかし、オンラインファクタリングならより低コストで資金調達ができます。例えば、イージーファクターなら手数料は2〜8%です。
加えて、書類提出や店舗に出向く際の交通費など、手数料以外のコストもかかりません。手数料のみ支払うのみで良いため、経費支出を抑えられます。
デメリット①柔軟な審査をしてもらえない
一方で、審査が機械的で柔軟でない点は大きなデメリットです。オンラインファクタリングの審査はスピーディーですが、審査時に書類の不備があると、審査に落ちてしまいます。
また、審査前の事前相談などがないため、決算状況や信用情報などを踏まえた個々の状況に応じた審査をしてもらえない可能性も高いです。
自社の状況に応じた資金調達をしたいなら、対面で資金繰りについて相談できるファクタリングサービスを使うと良いでしょう。
デメリット②3社間ファクタリングができない場合がある
オンラインファクタリングは、基本的に自社とファクタリング会社でやりとりする2社間ファクタリングを採用しています。売掛先も含めた3社間ファクタリングには対応していないことが多いです。
3社間ファクタリングは、ファクタリング会社からの入金後に、売掛先がファクタリング会社へ直接売掛金を支払います。そのため、自社でファクタリング会社へ売掛金を送金する手間を省けます。また、手数料相場も2〜9%と、2社間ファクタリングよりも低コストで資金調達できることも特徴です。
オンラインファクタリングのような2社間ファクタリングでは、売掛金の送金を忘れると遅延損害金が発生する可能性があります。売掛金が入金されたら、ファクタリング会社への送金を忘れずに行いましょう。
なお、オンラインファクタリングは比較的手数料が低く、3社間ファクタリングでなくてもコストをかけずに資金調達できます。そのため、コストについては気にしなくても良いでしょう。
オンラインファクタリングサービスの選び方
自社や自分の事業に合ったオンラインファクタリングサービスを選ぶために、以下の3点を押さえておきましょう。
- 即日入金に対応しているサービスを選ぶ
- 手数料が低いサービスを選ぶ
- ファクタリング協会の会員企業から選ぶ
ひとつずつ解説します。
即日入金の可否
オンライン型のファクタリングサービスを使うなら、強みの一つであるスピードの速さを享受するために、即日入金の対応可否を確認してみてください。
オンラインファクタリングの入金までの時間は、サービスごとに異なります。なかには、1時間以内に入金が完了するサービスもあります。できる限り入金スピードの速いサービスを選べば、急な支払いが必要なときや支払いの期限が迫っているときにも役立つでしょう。
最短で入金してもらうには、書類や申込情報の不備をなくすことが重要です。申込み手続きは丁寧に済ませましょう。
手数料率
手数料率も、オンラインファクタリングを選ぶ際にチェックしておきたいポイントです。手数料は、以下のようにファクタリングサービスによって異なります。
- 下限が2〜3%程度のもの
- 上限が10%以上のもの
- 一律で固定となっているもの
とくに、上限料率が低いサービスを選ぶことで、手数料の負担を抑えられる可能性が高まります。
ファクタリング協会の会員企業
どのファクタリングサービスを使うか迷ったら、ファクタリング協会の会員企業から選ぶと信頼できる企業から資金調達ができます。
一般社団法人オンライン型ファクタリング協会は、利用者向けセミナーや事業者向け研修会を実施しており、健全なファクタリングの運営に努めている団体です。
ファクタリング会社のなかには、ファクタリングを装った高金利貸付をする違法業者が存在します。一般社団法人オンライン型ファクタリング協会の会員企業のサービスを使えば、そうした心配はありません。
オンラインファクタリングサービスの内容や手数料を比較したうえで、どこと契約するか迷っているときは、会員企業の利用を検討してみましょう。
オンラインファクタリングの利用の流れ
オンラインファクタリングの利用の流れは以下のとおりです。
- 申込み
- 審査
- 契約
- 入金
まずは、ファクタリング会社のWebサイトから申込手続きをしましょう。サイトの入力フォームに必要事項を入力していきます。
なお、申込み時には必要に応じてZoomなどで相談を行う場合もあります。また、申込みの段階で以下の必要書類を用意しておきましょう。
- 本人確認書類
- 決算書
- 売掛金の請求書
- 通帳のコピー
必要書類はサービスによって異なるため、事前にWebサイトで確かめておきましょう。例えば、Easy factorでは、直近の決算書(個人事業主の場合は確定申告書)・請求書・通帳のコピーの3つが必要です。
申込みが終わったら、審査に移ります。審査は自社・自身の信用のみでなく、売掛先の信用力もチェックされます。重視されるのは売掛先の信用力ですが、自社・自身のクレジットやローンの支払いも適切に済ませているか、あらかじめ確かめておきましょう。
審査が終わったら契約条件が提示され、内容を確認して問題なければ締結します。契約締結後は、速やかに資金が入金されます。
資金入金後に売掛金が入ってきたら、ファクタリング会社へ送金します。送金しないと遅延損害金が発生したりファクタリング会社に訴訟を起こされたりする可能性があるため、期限までに済ませてください。送金が完了すれば、ファクタリングの利用は終了です。
オンラインファクタリングの利用を検討すべきシーン
オンラインファクタリングの利用を検討したいシーンは、早急な資金繰りの改善が求められるときです。オンラインファクタリングは入金までのスピードが速いサービスが多いため、急に資金がなくなった場合でも、すぐに手元にお金を用意できます。
また、事業が忙しく金融機関やファクタリング会社に相談しに行く時間がないときにもおすすめです。職場や自宅にいながら申込手続きができるため、店舗に出向く手間が省けます。手続きで必要書類が不足していた場合に、店舗と会社を往復する必要もありません。
急な支払いが発生したときや、本業に集中したい時期に資金繰りが悪化し始めたときは、オンラインファクタリングの活用を考えてみましょう。
オンラインファクタリングを使う際に気をつけたいポイント
オンラインファクタリングを利用する際は、以下の2点に注意してください。
- 悪徳業者を使わないようにする
- 償還請求権の有無を確かめる
ファクタリングを有効に活用するために、ぜひ押さえておきましょう。
悪徳業者を使わないようにする
ファクタリングサービスを提供する業者のなかには、悪徳業者が存在する可能性があります。悪徳業者はファクタリングを装って高金利での貸付をする「ヤミ金」を運営しているケースが多いです。
以下のようなケースは、ファクタリングではなくヤミ金の可能性があります。
- 手数料が相場に比べて高い場合
- サービスの説明・書類交付がない場合
- 分割払いを勧められる場合
悪徳業者と契約してしまうと、返済額が増えて却って資金繰りが悪化するおそれがあります。契約前に改めて、サービス内容を確認しておきましょう。
償還請求権の有無を確かめる
ファクタリング契約時は、償還請求権の有無を確かめましょう。償還請求権とは、売掛先から売掛金が支払われない場合、遡って売掛金を請求できる権利です。償還請求権の有無によって、ファクタリングにかかるコストが変わります。
償還請求権ありでファクタリング契約すると、売掛先が倒産した際に、ファクタリング会社に入金されたお金を返したうえで手数料も支払わなければなりません。売上が回収できなくなってしまい、資金調達どころか経営に支障がおよぶ可能性があります。
一方、償還請求権なしでファクタリング契約をすれば、ファクタリング会社へお金を返還せずに済みます。
両者ともメリット・デメリットがあるため、理解したうえで自社に合うほうを選びましょう。
オンラインファクタリングに関するよくある質問
オンラインファクタリングに関する質問や疑問をまとめました。契約時の参考にしてください。
Q.オンラインファクタリングは赤字決算でも利用できる?
オンラインファクタリングの利用には、売掛先の信用力が重視されます。そのため、取引先に十分な信用があり財務が好調であれば、自社が赤字でも利用可能です。ただし、最終的に利用できるかどうかは、審査で決定されます。
Q.オンラインファクタリングは設立間もない会社や開業直後の個人事業主でも使える?
オンラインファクタリングは前述のように自社の信用力よりも売掛先の信用力が重視されるため、会社設立から日が浅い場合や独立間もない個人事業主でも、資金調達できる可能性があります。
「銀行融資はハードルが高い」と感じている人は、利用を検討してみましょう。
Q.審査にはどれくらい時間がかかりますか?
ファクタリングの審査はサービスごとによって異なりますが、オンラインの場合は30分や1時間など、最短即日で完了するものが多いです。審査後の契約締結もオンラインでするためスムーズで、審査完了から資金調達までの時間もかかりません。
まとめ
オンラインファクタリングは、入金スピードの速さや手続きに手間がかからない点が大きな特徴です。店舗へ出向く必要がないため、事業が多忙で対応できない方にもおすすめです。
完全Web完結のものや即日入金に対応しているものを選べば、ファクタリングのメリットを実感しやすいでしょう。とくに資金繰りが厳しいときや、黒字だが手元に資金がないときに活用すれば、キャッシュフロー改善につながります。
Easy factorであれば申込みから入金まで、すべてオンラインで完結できます。最短60分で入金されるため、早急なキャッシュフロー改善に有効です。自社のキャッシュフローで悩んでいる方は、ファクタリングの利用をご検討ください。
東京大学法学部卒業後、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。ニューヨーク支店での非日系企業向けコーポレートファイナンス担当を経て独立。企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
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