資金ショートの改善にはファクタリングが役立つ!?取引の概要から適している理由を解説
ファクタリングは売掛債権を利用して資金調達する方法です。
資金ショートなど、資金繰りに問題が発生している際に、活用できる方法でもあります。
ただ、残念ながらファクタリングについて正しく理解されておらず、万が一の際に利用できない状況の人も多いでしょう。
今回は、ファクタリングの基本について理解し、資金ショートなど万が一の際に備えられるよう解説します。
目次
資金ショートは「資金繰りの停止」
資金ショートといわれても、具体的な状況をイメージできない人が多いかもしれません。
まずは、ファクタリングを利用しなければならない、資金ショートとはどのような状況であるのか理解を深めましょう。
資金ショートの概要
資金ショートとは、簡単に説明すると「資金繰りの停止」という状況を指します。
収支のバランスが崩れ、これからの支払いに必要な現金が不足している状況だと考えましょう。
例えば、売上が少なく、原材料の調達先へと支払いができない状態が資金ショートです。
基本的には、賃金のように社内での支払いではなく、社外への支払いが滞ってしまう状態を資金ショートと呼びます。
資金ショートは資金繰りが停止している状態であるため、放置すると倒産する原因になりかねません。
ただ、資金ショートが発生すると直ちに倒産するわけではないため、その点も正しく理解しておくことが大切です。
資金ショートは黒字でも起きる
上記の説明を踏まえると「資金ショートは赤字の状況」と理解されてしまったかもしれません。
しかし、実際には資金ショートは黒字でも発生する可能性があります。
例えば、企業間取引の大半は売掛と買掛を利用した「信用取引」です。
こちらの取引では、売上が発生してから1ヶ月や2ヶ月してから現金が入金されます。
帳簿では売上が発生し黒字の状態であっても、入金までに時間を要することで資金繰りが悪化する可能性があるのです。
結果、社外へと支払う現金が不足してしまい、資金ショートが発生してしまいます。
また、在庫の数が増えすぎてしまっても、黒字で資金ショートが発生するかもしれません。
在庫は資産として扱われるため、昔の在庫が残り続けると、現金化されずに資金ショートの原因となってしまいます。
資金ショートとその他トラブルとの違い
資金繰りのトラブルには、資金ショートの他にも「赤字」や「債務超過」などが考えられます。
これらとの違いについても理解しておきましょう。
赤字との違い
資金ショートは、資金の流れや手元に保有している現金を表現するための考え方です。
企業が「現金が必要となる時点」で、支払いするだけの資金を持っていなかったり現金を調達できなかったりする状況を指します。
つまり、一時的に現金の確保に関する問題が生じたり、期待していただけの収入が得られなかったりした状態が該当するのです。
一方で、赤字は収益と支出の関係性に関連する概念で、資金ショートとは対象となるものが異なります。
赤字は一定期間の間に収益が支出を下回ることを指し、現金を確保できているかとは大きく違うのです。
資金ショートは短期的な現金の問題を指し、赤字は期間を問わず収入と支出のバランスの悪さを指すと理解しましょう。
債務超過との違い
上記で解説したとおり、債務超過は短期的に現金が不足して、問題が生じている状況を指します。
それに対して、債務超過は企業の財務状態に関する概念で、企業の総債務が総資産を上回っている状態です。
つまり、保有している借金(債務)が保有している資産よりも多い状態を指します。
どちらも資金が不足していることには違いがありませんが、資金ショートは現金に限った話であるのに対して、債務超過は資産全体です。
資金ショートでも、資産の現金化によって対処できる可能性はあるため、債務超過は資金ショートよりも状況が深刻であるといえます。
資金ショート前にファクタリングがおすすめ
資金ショートが発生すると、取引先に支払いができなくなるなど、会社としての信用力が下がりかねません。
そのため、資金ショートを防ぐためにも、ファクタリングを利用することを考えてみましょう。
ファクタリングとは
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡して、現金化する取引を指します。
上記でも触れたとおり、一般的な取引では売掛・買掛が発生するため、現金はすぐに手に入りません。
しかし、ファクタリング会社に売掛債権を譲渡すれば、契約が完了した段階で現金が手に入るのです。
例えば、入金が翌々月末の売掛債権でも、ファクタリングすれば最短で即日、現金化できます。
これにより、資金繰りを大きく改善することが可能であり、資金ショートを未然に防ぐことができるのです。
ただ、ファクタリングは資金繰りの改善に役立ちますが、手数料が発生する点に注意しなければなりません。
手数料を支払う必要があるため、ファクタリングを多用すると長期的に悪化する可能性があります。
2社間ファクタリング・3社間ファクタリング
ファクタリングには大きく分けて2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。
まず、2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の間で契約する取引です。
利用者が申し込みして、手続きが完了すると、短期間で売掛債権を現金化できます。
ファクタリング会社に左右されるものの、最短で即日の現金化が可能であることが特徴です。
資金ショートを防ぎたいのであれば、2社間ファクタリングを選択するケースが多いでしょう。
それに対して、3社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社、売掛先で契約する取引です。
利用者が申し込みしたあと、売掛先へも連絡が入り、それぞれが合意した状態で契約が進みます。
売掛先の合意が必要となるため、この部分や契約に時間を要してしまい、2社間ファクタリングよりは時間がかかりがちです。
ただ、ファクタリング手数料が低くなりやすいなど、一定のメリットもあります。
状況によってどちらが適しているかは異なりますが、資金ショートの対策には2社間ファクタリングを利用するケースが多いと理解しておきましょう。
資金ショートにファクタリングが役立つ4つの理由
資金ショートの対策にファクタリングが役立つ理由はいくつもあります。
明確な理由があるため、それらの中でも4つを最初に理解してください。
短期間で資金調達できる
ファクタリングを利用する大きな理由として、短期間で資金調達できることが挙げられます。
上記で解説したとおり、最短で即日の現金化が可能であるため、資金ショート目の前でも対応できるのです。
ファクタリング会社が即日の契約に対応している必要はありますが、時間を要するケースでも3日程度あれば現金化できます。
資金調達には金融機関からの借入などもありますが、審査などで時間を必要とする方法です。
状況をすぐに改善できる方法ではないため、資金ショートの改善にファクタリングを特におすすめします。
保証人や担保が必要ない
保証人や担保の必要がないため、ファクタリングは短期間で契約が完了します。
これらを用意する必要があると、準備にどうしても時間を要してしまいますが、その時間が発生しないのです。
利用者の都合だけで契約を進められるため、資金ショートのように刻一刻を争っているときに役立ちます。
また、保証人や担保の必要がないため、これらを用意できない状況でも契約できることがメリットです。
一般的に、保証人を依頼する行為はハードルが高いため、依頼先がないと契約できなくなってしまいます。
しかし、ファクタリングならば仮に依頼できる人や提出できる資産がなくとも、安心して申込みが可能です。
赤字でも利用できる
仮に会社が赤字であっても、ファクタリングであれば問題なく利用できることがメリットです。
融資による資金調達は、赤字だと契約できない可能性がありますが、ファクタリングにその心配はありません。
基本的には「赤字だから」という理由だけで審査に落ちてしまうことはないと考えましょう。
赤字でも利用できる理由として「ファクタリングは売掛先の信用力が重視される」ということが挙げられます。
ファクタリング会社は、売掛先からの入金をもって支払いしてもらうため、売掛先が支払いしてくれるかが最も重要です。
売掛先に支払い能力があると認められるならば、利用者が赤字でも特に問題視されません。
信用情報へ影響しない
借入ではないため、ファクタリングを利用しても信用情報には影響しません。
審査の事実が記録されることはなく、審査にあたって信用情報が参照されることもないのです。
そのため、信用情報に何かしらの不安がある人でも、安心してファクタリングを利用できます。
例えば、資金ショートの可能性があり金融機関から融資を受けていると、信用情報にそれが記録される仕組みです。
参照されると審査に悪影響を与えることが考えられますが、ファクタリングでは参照しないため、何の影響もありません。
また、資金繰りが悪化して直近で支払い遅延が発生したなど、信用情報に問題があることが明確な人でも安心です。
資金ショート前にファクタリングを利用する際の注意点
資金ショートの際はファクタリングを利用することで資金繰りを改善できます。
ただ、ファクタリングはメリットだけではなく、注意点もあるため理解しなければなりません。
手数料が生じる
ファクタリングを契約する際には、必ず手数料が発生してしまいます。
手数料が差し引かれて入金される仕組みとなっているため、手元に入る金額が減ってしまう点が注意点です。
ファクタリング会社や譲渡する売掛債権の金額に左右されますが、数%から10%程度の負担があると考えましょう。
また、手数料が発生することで、中長期的に見て資金繰りが悪化してしまう可能性があります。
一時的には資金ショートを解決できますが、根本的に改善しないと、手数料の負担が重くなりかねません。
手数料の低いファクタリング会社も増えていますが、多少なりとも負担があることは注意点として認識すべきです。
調達金額に限界がある
ファクタリングを利用するためには、譲渡する売掛債権が必要です。
言い換えると、売掛債権がなければファクタリングは利用できず、資金調達には限界があります。
例えば、100万円の売掛債権しか無い状態で、200万円の調達はできず、最大でも約99万円までしか資金調達できないのです。
ファクタリングではなく融資であると、売掛債権を大きく超えて資金調達できる可能性があります。
しかし、ファクタリングはそのような方法ではないため、資金ショートの改善に向けて多くの現金が必要になるならば注意すべきです。
資金ショートの回避に役立つファクタリングまとめ
資金ショートを回避するために、ファクタリングが役立つことを解説しました。
売掛債権を譲渡することで資金調達できるため、売上から入金までのタイムラグを解消できます。
結果、黒字で資金ショートしている場合を含めて、資金繰りの改善が可能です。
ただ、ファクタリングは最短即日で資金調達できますが、手数料が発生する点に注意しなければなりません。
メリットと注意点をどちらも理解して、資金ショートの改善に役立てるようにしましょう。