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3社間ファクタリングが低手数料の理由とは?メリットや利用の流れについて解説

資金調達方法としてファクタリングを利用する企業も増えており、有効活用するには手数料を低く抑えることが命題となります。ファクタリングの契約形態は2社間と3社間の2種類があり、3社間の方が低手数料です。しかし、3社間ではなぜ低手数料になるのか気になります。また、円滑にサービスを活用するためには、メリットや、注意点についても知っておく必要があるでしょう。本記事では、3社間ファクタリングが低手数料の理由や活用するメリット、利用の流れについて詳しく解説します。

ファクタリングの種類

ファクタリングの契約形態は、大きく次の2つの種類に分類されます。

●2社間ファクタリング
●3社間ファクタリング

では、それぞれの概要について詳しく解説します。

2社間ファクタリング

利用者と業者の2社間で結ぶ契約形態で、迅速に手続きが進むのが特徴です。利用者は売掛債権を売却し、手数料が差し引かれた資金を受け取ります。ファクタリングの利用を売掛先へ告げていないため、支払期日になると売掛金は利用者の口座に支払われます。利用者は、支払われた売掛金を業者へ送金しなければなりません。業者へ送金する際は、一括で送金するのが原則です。売掛金を回収する権利は業者へ移行しているため、分割で支払うなどの方法は取れません。

3社間ファクタリング

利用者と業者、売掛先の3社間で契約を結びます。利用者は売掛債権を売却し、手数料が差し引かれた資金を受け取ります。支払い期日になると、売掛先から直接業者へ売掛金が支払われる仕組みです。売掛金が利用者を通さず直接入金されるため、業者にとってリスクが少なく、利用者も送金する手間が省けます。ただし、売掛先がファクタリング利用を拒否した場合、契約は締結できません。また、3社間で契約を結ぶため、2社間よりも契約締結までに時間がかかります。

3社間ファクタリングのメリット

利用するメリットは、次の5つがあげられます。

●低手数料で資金調達が可能
●審査がゆるい
●集金・送金の手間が省ける
●個人事業主も利用できる
●条件が良くなる可能性

では、それぞれのメリットについて解説しましょう。

低手数料で資金調達が可能

3社間ファクタリングは、2社間よりも低手数料であるのがメリットです。業者や額面によっても変動しますが、2社間の手数料の目安は10%~20%、3社間の場合は1%~9%です。低手数料である分、3社間の方がより多くの資金を調達できます。

審査がゆるい

審査がゆるいのもメリットです。ファクタリングは融資よりも審査がゆるく、担保や保証人も必要ありません。とくに、3社間ファクタリングは審査がゆるく、通る確率が高いのが特長です。売掛先の承諾を得て契約するため、取引の虚偽や架空債権のリスクが低いため、審査のハードルが低いのです。

集金・送金の手間が省ける

集金・送金の手間が省けるのもメリットです。2社間の場合、売掛金は一旦利用者に入金されるため、その後、業者へ送金する手間がかかります。3社間では、直接業者へ入金されるため、集金・送金の手間がかかりません。業種によっては、経理担当者が少なく振り込み業務まで手が回らないこともあります。3社間では、売掛先が業者へ売掛金を振り込んでくれるため、資金を受け取った後の心配はいりません。

個人事業主も利用できる

メリットは、個人事業主も利用できることです。2社間では、二重譲渡を避けるために債権譲渡登記を求められることも多く、法人のみしか対応できないケースが多く見られます。しかし、3社間ファクタリングは売掛先の承諾を得て契約するため、債権譲渡登記は必要ありません。そのため、個人事業主でも利用しやすいでしょう。

条件が良くなる可能性

3社間ファクタリングは業者の資金未回収リスクが低いため、調達できる資金の割合が高くなることがあります。額面の大きい売掛金を売却したい時にも安心です。

3社間ファクタリングが低手数料の理由

低手数料であるのは、次の理由があげられます。

●売掛先が直接売掛金を支払う
●取引事実が明確

では、それぞれの理由について解説しましょう。

売掛先が直接売掛金を支払う

3社間ファクタリングでは、売掛先が直接業者へ支払うシステムです。そのため、未払いのリスクが低くなります。2社間では利用者を経由して業者へ振り込む仕組みのため、利用者が資金繰りに困っている場合、振り込まれた売掛金を使い込み、業者への振り込みが遅延したりするリスクがあります。3社間であれば、売掛先からの直接払いで安心なので、低手数料で契約されるのです。

取引事実が明確

3社間ファクタリングでは、売掛先も契約に関与するため、取引事実があるのは明確です。架空債権のリスクも低く、安心して契約が結べます。ファクタリングでは、売掛債権の信用力に応じて手数料が設定されます。取引事実が明確でリスクが少ないため、低手数料に設定されているのです。

3社間ファクタリングが向いているケース

3社間ファクタリングが向いているのは、次のようなケースです。

●売掛先との関係性が良好
●入金まで時間がかかってもいい
●長期的にファクタリングを利用したい

では、それぞれのケースについて見てみましょう。

売掛先との関係性が良好

信頼関係を築いた売掛先がある場合に向いています。3社間は売掛先の了承を得なければ利用できないため、信頼関係を築いた売掛先があると協力をお願いしやすいでしょう。古い付き合いがあり、ファクタリングの利用を快く了承している売掛先がある場合、3社間で契約するのが有効です。

入金まで時間がかかってもいい

3社間ファクタリングは、売掛先の承諾を得てから契約するため、資金調達までに時間がかかってしまいます。2社間は、申し込んだ即日に資金調達することも可能であるものの、3社間は3日~1週間ほどかかると見積もっておく方が良いでしょう。入金まで時間がかかってもいいから、低手数料で利用したい場合に向いています。

長期的にファクタリングを利用したい

資金繰りを安定させるために一定期間ファクタリングを利用したい場合、3社間の契約が向いています。低手数料であるため、長期間利用しても手数料の負担が少なくて済むからです。手数料は1%~9%ほどですが、長期間利用して業者との関係性が良好になれば、手数料をより低くしてもらえることもあります。

3社間ファクタリングの注意点

3社間ファクタリングはメリットも多いものの、注意点もいくつかあります。3社間ファクタリングの注意点は、次の3つです。

●売掛先との関係が悪くなるリスク
●長期的利用のリスク
●不当な契約

では、それぞれの注意点について詳しく解説しましょう。

売掛先との関係が悪くなるリスク

3社間ファクタリングでは、契約の際に売掛先の承諾を得なければなりません。そのため、資金繰りが悪いと疑われる可能性があります。承諾を得られたとしても、今後の取引に影響を及ぼすことがあるでしょう。取引の規模が小さくなったり、取引がなくなったりする恐れもあります。売掛先との関係性が悪化することも、考慮しておかねばなりません。

長期的利用のリスク

ファクタリングは気軽に利用しやすい資金調達方法ですが、長期的に使い続けるのはリスクがあります。手数料が差し引かれ続けることで、経営の負担になることもあるからです。本当に必要な時だけ利用するのが原則です。ファクタリングに過度に依存するのは避けましょう。

不当な契約

ファクタリングの需要は高まっており、業者の数は増加しています。その中には、不当な契約を結ぼうとする悪徳業者も混じっています。ファクタリングは利息制限法が適用されないため、手数料の上限は決まっていません。契約の際には、高すぎる手数料を請求されることがないように、契約内容をしっかり確認してください。業者の実績を確認したり、口コミでの評判をチェックしたりしてください。

3社間ファクタリングの利用の流れ

利用の流れは、次の通りです。

●利用の申し込み
●審査
●売掛先の承諾を得る
●契約の締結
●資金の受け取り

では、それぞれの工程について詳しく解説します。

利用の申し込み

まずは、業者に申し込みます。申し込みの際は、必要書類を揃えて提出します。必要書類は業者によって異なりますが、一般的に必要なものは次の通りです。

●請求書や発注書、納品書など売掛金に関する書類
●通帳のコピー
●決算報告書もしくは確定申告書
●身分証明書
●商業登記簿謄本
●印鑑証明書

直接店舗へ持ち込むほか、郵送したり、オンラインで提出したりできます。オンラインで提出する際は、書類をデジタル化する必要があります。

審査

必要書類を提出したら、業者が審査を行います。審査では、利用者よりも売掛先の信用力が重視されます。3社間は、売掛先も契約に加わっているため情報を確認しやすく、2社間よりも審査に通りやすい傾向です。

売掛先の承諾を得る

審査に通ったら、売掛先へ債権譲渡通知を行い、ファクタリング利用の承諾を得なければなりません。売掛先の承諾が得られないと利用できません。申し込む際に、事前確認しておくことをおすすめします。

契約の締結

承諾が得られたら、3社間の契約が成立します。契約の際は、内容をしっかり確認してから契約を結んでください。疑問がある場合は、契約前に質問をして、納得してから契約しましょう。疑問を放置して契約すると、後で大きなトラブルになりかねません。

資金の受け取り

契約を締結したら、業者から資金を受け取ります。支払われる金額は、売掛金の額面全額ではなく、手数料を差し引いた金額となります。売掛金の支払い期日には、売掛先が直接業者へ支払うため、利用者が関与する必要はありません。

3社間ファクタリングが低手数料であることについてのまとめ

3社間ファクタリングが低手数料であるのは、売掛先も関与する契約だからです。架空債券や二重譲渡のリスクも少ないため、ファクタリング業者は安心して契約できます。ただし、売掛先の承諾を得なければならないため、資金繰りが苦しいのではと、勘ぐられるリスクもあります。また、2社間ファクタリングよりも、資金調達に時間がかかるのが一般的です。調達までに時間がかかっても、低手数料でファクタリングを利用したい方におすすめです。