ファクタリングでは担保が不要!その理由や手数料との関係を解説
ファクタリングを利用するにあたって気にする人が多いのは「担保が必要になるのか」という点です。
一般的な金融機関からの借入では担保が必要となるため、ファクタリングでも同様ではないかと考えられています。
しかし、結論としてファクタリングを利用する際に担保は必要ありません。
今回はファクタリングと担保の管理について解説します。
目次
ファクタリングは売買の取引
最初にファクタリングの内容を理解して、なぜ担保が必要のない取引であるのか把握しておきましょう。
ファクタリングの概要
ファクタリングとは、自分が保有する売掛債権を、ファクタリング会社などに譲渡する取引です。
譲渡にあたっては、対価が支払われるため、売買取引であると理解すると分かりやすいでしょう。
各種債権は、法律で譲渡が認められているため、債権譲渡や債権売買などによってファクタリング会社へ売却します。
ファクタリングの利用者には、取引の一環で買取金額が入金されるため、支払いサイトの期間を待つ必要がなくなります。
これによって、本来の期日よりも早く現金が手に入り、キャッシュフローの改善などに役立つのです。
ただ、ファクタリングで売掛債権を譲渡する際は、手数料が発生する点に注意しましょう。
例えば、100万円の売掛債権を手数料10%でファクタリングすると、90万円程度になってしまいます。
短期間で売掛債権を現金化できる反面、手元に残るお金は少なくなってしまうのです。
売買契約であるため担保は不要
上記で解説したとおり、ファクタリングは融資ではなく、売掛債権そのものでやりとりする行為です。
生活に馴染みやすい例で例えると、購入したブランド品を中古品買い取り業者へ持ち込むことと大差ありません。
このような中古品の買い取りにあたっては、特段の担保が必要ないのと同様に、ファクタリングでも担保は不要なのです。
強いていうならば、売掛債権そのものが担保のような役割を果たしていると考えれば良いでしょう。
言い換えると、ファクタリングでは売掛債権以外に担保は必要ないため、もし何かしら求められるならば詐欺の疑いがあります。
債権が担保になるのは「売掛債権担保融資」
ファクタリングでは、売掛債権が担保にならないことを解説しました。
ただ、売掛債権担保融資と呼ばれる取引では、売掛債権が担保になることがあります。
こちらはファクタリングとは根本的に異なるため、誤った理解を持たないようにしましょう。
売掛債権担保融資とは
売掛債権担保融資は、中小企業が保有する売掛債権や在庫などを担保として、金融機関が融資する制度です。
また、これらの融資にあたって、経済産業省が所管する信用保証協会が債務保証を行う制度を含みます。
つまり、これはファクタリングのように売買取引ではなく、お金を借り入れる融資に該当するものです。
金融機関による融資であるため、多くの書類を提出して審査を受けなければなりません。
ただ、審査の結果次第では、ファクタリングよりも多くの現金を調達できる可能性があります。
売掛債権担保融資とファクタリングのどちらが良いとは一概にいえません。
売掛債権が担保となる
売掛債権担保融資という名前のとおり、企業が保有している売掛債権を担保に提出しなければなりません。
これから入金される予定の債権を担保にすることで、まとまったお金を調達できる仕組みです。
金融機関としては、売掛債権を担保として提出してもらうことで、万が一回収できなかった場合のリスクヘッジとします。
なお、売掛債権という担保が存在するため、第三者保証人や不動産などの提供は必要ありません。
自分だけの範疇で、融資を完結させられることが、売掛債権担保融資のメリットだと考えられます。
ファクタリングは担保が必要ないため手数料が高くなりがち
ファクタリングの概要でも解説したとおり、ファクタリングを利用する際には手数料が発生します。
ただ、残念ながらこの手数料は融資と比較すると高くなりがちです。
これは担保が不要であることにも関係するため、どのような背景があるのか理解しましょう。
ファクタリング会社がリスクを背負う
ファクタリングの取引において手数料が高くなる理由は、ファクタリング会社がリスクを背負うからです。
売買取引であり売掛債権はファクタリング会社の所有にはなります。
ただ、売掛先が必ず入金してくれるとは限らないため、ファクタリング会社のリスクがゼロになりません。
ファクタリングには「万が一に備えたリスクヘッジ」という意味合いがあるため、担保不要で手数料は高くなっているのです。
なお、ファクタリングの中でも3社間ファクタリングは、手数料が低くなる傾向にあります。
担保が必要な融資と遜色ない内容で取引できることもあるため、必要に応じて確認してみると良いでしょう。
ファクタリングを利用する際の手数料
上記で解説したように、ファクタリングは売掛債権を売買します。
ファクタリング会社へ譲渡した後は、ファクタリング会社が回収する責任を負うため、リスクは避けられないのです。
そのため、回収できない場合のリスクに備えて、以下のような手数料相場が存在します。
● 2社間ファクタリング:10~20%程度
● 3社間ファクタリング:1~9%程度
3社間ファクタリングは担保がないものの、売掛先からファクタリング会社へ直接入金されます。
2社間ファクタリングよりも、未回収のリスクが軽減されるため、手数料が低くなる仕組みです。
手数料が気になるなら融資がおすすめ
ファクタリングの手数料が気になるなら、売掛債権担保融資がおすすめです。
ファクタリングとは異なり、売掛債権を担保に提出するため、手数料を安く抑えられます。
ファクタリングの手数料を、実質年利に換算した場合と比較すると、目に見えて違いを感じるでしょう。
ただ、売掛債権を担保とするため、ファクタリングのようにスムーズな取引を実現できません。
担保としてふさわしいかどうかなどの審査があり、条件を満たすことでやっと契約できます。
担保の必要なファクタリングは詐欺を疑う
もし、ファクタリングを契約する際に担保を求められたならば、詐欺を疑いましょう。
繰り返し説明しているとおり、ファクタリングは担保の必要がない取引です。
そうであるにも関わらず、何かしらの担保を求められるということは、実体がファクタリングではないかもしれません。
例えば、ファクタリングではなく融資になると、担保を求められる可能性があります。
もし、契約にあたって担保の提供を求められているならば、融資の契約に誘導されているのかもしれません。
ファクタリングと融資は、根本的に大きく異なった取引であるため、誤って契約することは絶対に避けるべきです。
担保を求めてくるファクタリング会社は、一般的なファクタリング取引とはかけ離れているため、別の会社を探した方が良いでしょう。
ファクタリングには担保が必要であるかどうかのまとめ
ファクタリングには担保が必要であるのかどうか解説しました。
売掛債権の売買取引であるため、ファクタリングに担保は必要ありません。
売掛債権をファクタリング会社へ譲渡することで、担保なしで現金化できます。
なお、売掛債権を担保とした取引である「売掛債権担保融資」と呼ばれるものがあるため、こちらと混同しないように注意しましょう。