請求漏れの防止策4選|起きる原因と発覚時の対処法も解説

企業の取引では、請求手続きの不備により請求漏れが発生することがあります。請求漏れが発生すると資金繰りが悪化するだけでなく、取引先からの信頼を失う可能性もあるため、原因と防止策を知っておくことが大切です。
本記事では、請求漏れが発生する原因と具体的な防止策を解説します。
目次
請求漏れの防止策4選

請求漏れを防止する対策を4つ紹介します。
- 請求書にナンバリングする
- 請求状況の管理を徹底する
- 担当者を明確にする
- 管理ツールを導入する
ひとつずつ見ていきましょう。
1.請求書にナンバリングをする
請求漏れを防ぐためには、すべての請求書に連番を付ける方法がおすすめです。番号が付いていることで発行件数や未処理の有無を一覧で把握でき、発行忘れや重複をチェックしやすくなります。
数字で管理していない企業の多くは、担当者による属人的な業務で管理していることも多いでしょう。属人的な業務に頼るほど、漏れやミスの原因となる可能性が高まります。
各請求書にナンバリングして、常に台帳と照合する仕組みを導入することで、人為的なミスを未然に防げるようになります。
2.請求状況の管理を徹底する
請求漏れを防ぐためには、請求状況の管理を徹底することが大切です。請求業務の進捗が把握できていない場合、請求書の発行忘れや処理遅れが生じやすくなります。
例えば、エクセルなどを利用して「請求予定」「発行済」「送付済」「入金済」といったステータスを一元管理し、各取引の進捗を可視化できる仕組みを整える方法もおすすめです。
また、請求状況の管理をシステム化することで、誰が見ても状況を把握できる環境を作ることも大切です。
複数人が進捗を共有できる体制を整えておくことで、請求漏れを早期に発見し、迅速に対応できるようになります。
3.担当者を明確にする
担当者を明確にすることも、請求漏れを防ぐうえで重要なポイントです。請求の各工程に責任者を置くことで、抜けや重複といったヒューマンエラーを最小限に抑えられます。
また、役割分担や確認フローを文書化しておくことで、業務が属人的になることを防げます。
とくに起業したばかりの小さな会社などは、数人の職員でいくつもの業務を掛け持ちし、細かいルールを決めることなく請求業務を行っていることがあります。こうした状況では、誰がどこまで責任を持って請求業務を行うのかが曖昧になりがちです。
できるだけ請求業務のフローごとに責任の所在を文書化し、ヒューマンエラーを防ぎましょう。
4.管理ツールを導入する
予算に余裕がある場合は、請求業務を一元管理できる管理ツールを導入するのも効果的です。紙やエクセルでの管理は手間がかかるうえ、ヒューマンエラーを完全に防ぐことは難しいでしょう。
一般的な請求業務の管理ツールは請求書の作成から送付、入金確認までを一括管理でき、業務効率と精度を高められます。
請求漏れを未然に防止するために、以下の機能が備わっています。
- 作成忘れや送付漏れを防ぐアラート機能
- ステータスの自動更新
- 発行履歴の可視化 など
ただし、システム導入に費用が発生するため、予算を見ながら慎重に判断することが大切です。
請求漏れが起きたときに生じるリスク

請求漏れは、企業の経営に深刻な影響を与えます。未請求により売掛金の回収が遅れた結果、企業の資金繰りが悪化する可能性もあるでしょう。
また、たとえ請求金額が小さくてもミスが頻発すれば管理体制がずさんな会社と見なされ、信用を大きく損なうこともあります。さらに取引先との信頼関係が揺らぐことで、取引の縮小や契約解消に発展し、経営全体が悪化する事態も考えられます。
請求漏れが発生する原因3つ

請求漏れはこちらの業務に不備がなかったとしても、取引先のトラブルで請求漏れが発生するケースも考えられます。請求漏れが発生する主な原因は、以下の3つです。
- 請求書の記載が間違っている
- 請求書の送信手続きを間違える
- 取引先で問題が発生している
ひとつずつ見ていきましょう。
1.請求書の記載が間違っている
よくある原因のひとつが、請求書の記載ミスです。請求書に記載する金額や品目、宛先などに誤りがあると、取引先が受領を拒否する可能性があります。再発行を求められ、結果として請求が遅延することもあるでしょう。
また、請求時期の誤記によって正しいタイミングで売上を計上できないこともあります。こうした誤りは社内チェックをすり抜けやすいため、作成時にダブルチェックを徹底し、定型フォーマットや自動入力機能のあるツールを活用して防ぎましょう。
2.請求書の送信手続きを間違える
請求漏れを防ぐには、請求書の送信手続きミスにも注意しましょう。送信手続き上の不備によって取引先に請求が届かず、気づかぬまま放置されることもあります。
以下の不備がないことは、入念に確認しましょう。
- メールに請求書を添付し忘れる
- 郵送したつもりで実際には発送されていない
- 送付先のアドレスや宛名を誤る
上記の送信手続きのミスを防止する策には、送信後のステータス確認や送付履歴の記録を徹底することが大切です。また、請求書の送信先を記憶するシステムの導入やアラート機能を活用するのも有効です。
3.取引先で問題が発生している
請求漏れは自社の不手際だけでなく、取引先側のトラブルによっても生じます。例えば、取引先内部での連携不足により請求情報が正しく伝わらなかったり、承認フローが途中で止まってしまったりすることもあるでしょう。
さらに、受け取った請求書の内容に不明点や疑義がある場合、確認作業が遅れて請求処理が滞るケースもあります。こうした事態を防ぐためには、請求書送付後に受領確認をしたり、取引先と情報を共有したりなどの体制を整えておくことが効果的です。
請求漏れが発覚したときに取るべき対処法3つ

請求漏れが発覚した際には早急に状況を説明し、対処することが大切です。また、同じミスを繰り返さないように再発防止策を検討しましょう。
1. お詫びと状況説明をする
請求漏れが発覚した場合、最初に迅速かつ誠意あるお詫びと状況説明を行ってください。取引先には請求が遅れた理由を明確に伝えるとともに、真摯な謝罪の言葉を添えることで信頼関係の維持に努めましょう。
メールで連絡する際は謝罪文だけでなく、請求内容の詳細や正しい金額、支払期日を明記して相手がスムーズに対応できるように配慮することが大切です。対応が遅れると信用を損ない、支払い拒否に発展するリスクもあるため、できる限り早めに対応して誠意を見せることが重要です。
2. 請求書を早急に送付
取引先が請求漏れの謝罪と状況説明に納得した場合は、できるだけ早急に正しい内容の請求書を送付しましょう。請求金額や内訳、支払い期日を明確に記載し、送付後は必ず受領確認を徹底することが大切です。
また再送後の進捗管理も怠らず、入金確認までを一元的に追跡することで、他の業務への影響を最小限に抑えられます。請求漏れに加えて再送が遅れると取引先に二重の迷惑をかけ、信頼を失うことにつながるため、迅速かつ正確な対応を心がけましょう。
3. 再発防止策を検討する
請求漏れが発覚した際は謝罪や請求書の送付で終わらせず、必ず再発防止策を検討および実行してください。
検討する際には、まずは原因を丁寧に洗い出し、どの工程でミスが起きたのかを明確にします。そのうえで、チェックリストの導入や担当者の役割分担の明確化といった具体的な対策を実行します。
さらに、できるだけ属人的な運用を避けてチーム全体で確認できる仕組みを整えると、請求漏れの再発リスクを減らせるでしょう。
請求漏れが発覚したときに取引先へ送るお詫びメールのテンプレート

請求漏れが発覚した際には、相手先に誠意をもって謝罪するメールを送ることが重要です。しかし、いざメールや手紙の文面を考える際には、どのような文章を書くべきか迷う方も多いでしょう。
ここでは、実際に使える謝罪メールのテンプレートを紹介します。
【お詫びメールのテンプレート】 件名:請求漏れに関するお詫びとご案内 〇〇株式会社〇〇様 平素よりお世話になっております。△△株式会社の□□です。 このたび、〇月分のご請求に関しまして、当方の不手際により請求が漏れておりましたことを深くお詫び申し上げます。誠に恐縮ですが、正しい請求書を添付いたしましたので、ご確認のうえお手続きをお願いできますでしょうか。 このたびは、多大なるご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。今後は、社内のチェック体制を強化し、同様の事態が起こらないよう再発防止に努めてまいります。今後とも変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。 敬具 |
正しい請求書を送付した旨に加え、丁寧な謝罪文を添えることがポイントです。
請求漏れにより資金繰りが悪化したときに改善を図る方法

請求漏れが発生した場合、企業の資金繰りが悪化するケースもあります。資金繰りの悪化を改善するための主な選択肢は、以下のとおりです。
- 銀行からの融資
- カードローンの利用
- ファクタリングの利用
それぞれ解説していくため、自社の状況に適した方法を選んでみてください。
銀行からの融資
請求漏れが原因で資金繰りが悪化した場合、銀行からの融資は有効な改善策のひとつです。運転資金として借入を行えば、売掛金の入金を待つ間のキャッシュフローを安定させられます。とくに信用実績がある企業であれば、比較的低金利での借入も可能です。
ただし、融資の審査には時間がかかるケースも多いため、すぐに資金を確保したい場合には対応が遅れてしまうこともあるでしょう。早めに銀行へ相談し準備を進めておくことが重要です。
カードローンの利用
資金繰りが急激に悪化した際には、緊急的な資金調達手段としてカードローンを利用するのも良いでしょう。法人向けや個人事業主向けのカードローンは審査が比較的早く、即日融資に対応しているケースも多いため、急な資金需要にも対応できます。
少額の運転資金であれば手軽に借入をし、売掛金が入金されるまでの一時的な資金不足を補う方法として有効です。ただし、金利は銀行融資に比べて高めに設定されていることが多く、長期利用時には返済負担が大きくなる可能性があります。
ファクタリングの利用
ファクタリングは未回収の売掛金を早期に現金化できる仕組みで、直近の資金繰りを改善する場合に有効です。請求漏れなどで入金が遅れた際にも、キャッシュフローの悪化を防げます。
ファクタリングの特徴は審査が比較的早く、サービスによっては即日入金にも対応しているため、急な資金ニーズにも柔軟に対応できる点です。
ただし、再請求によって確実に売掛金が回収できるケースでしか利用できない点は理解しておきましょう。
EasyFactorは、業界最低水準の手数料で利用でき、最短即日で入金可能なファクタリングサービスです。取引先に知られることがないため、今後の取引への影響を心配することなくご利用いただけます。請求漏れによる資金繰りに困っている方は、利用をご検討ください。
売掛金を最短60分で現金化!手数料2%〜8%でスピード資金調達
無料見積りはこちらまとめ
請求漏れは、企業の信用や資金繰りに大きな影響を及ぼす深刻なリスクです。請求漏れが発生する原因は請求書の記載ミスや送付手続きの不備、管理体制の甘さなどが挙げられます。
未然に防ぐためには請求状況の可視化や管理ツールの導入など、業務の仕組みを工夫する取り組みが効果的です。万が一、請求漏れが発生した場合には迅速なお詫びと請求書の再送、さらに再発防止策を講じることが重要です。
請求漏れが原因で資金繰りが悪化してしまった際には、EasyFactorのファクタリングをご活用ください。申込みから最短60分で入金に対応しているため、早期の解決を図れる可能性があります。詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
オンライン完結で請求書が資金に変わる!
法人・個人事業主いずれもご利用いただけます
⭐ Easy Factorが選ばれる理由
📄 必要書類はたった3点
2. 請求書
3. 通帳のコピー
※ Zoom + CLOUDSIGNでオンライン完結
💡 他社からのお乗り換えがお得!
他社の場合
❌ 債権譲渡登記有り
❌ 事務手数料有り
❌ 出張費有料
Easy Factor
✅ 債権譲渡登記無し
✅ 事務手数料無し
✅ 来店不要!オンライン完結!
📋 ご利用の流れ
お見積り依頼
WEBフォームまたはお電話で簡単にお見積り依頼。担当者からご連絡いたします。
Zoomで商談・査定
オンライン面談で詳細をご説明。必要書類3点をご提示いただき査定いたします。
契約・入金
CLOUDSIGNでオンライン契約完了後、最短60分でご指定口座へ入金いたします。
東京大学法学部卒業後、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。ニューヨーク支店での非日系企業向けコーポレートファイナンス担当を経て独立。企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
- 請求漏れの防止策4選|起きる原因と発覚時の対処法も解説 - 2025年9月9日
- 請求書の前払い契約とは?前受金との違いや各サービスの特徴を解説 - 2025年8月30日
- 資金繰りを改善する方法|立替払いやファクタリングの特徴と注意点 - 2025年8月2日