ファクタリングは個人事業主でもできる?利用のメリットや注意点を解説
まず、個人事業主はファクタリングを利用できるかどうかについてです。結論から言いますと、ファクタリングは個人でも利用可能です。ファクタリング会社は年々増加しており、売掛債権(請求書)を持っていれば誰でも利用できる環境になっています。審査や手数料などあらゆる面において法人に比べて不利になることなく資金調達ができることもあり、個人事業主にとっては利用しやすいサービスであるといえます。そこでここから個人事業主がファクタリングを利用するメリットや注意点について解説します。
目次
個人事業主がファクタリングを利用するメリット
近年金融機関の貸し渋りが問題となっており、実績が少なく規模が小さい個人事業主が将来性のある事業を展開しているにもかかわらず資金繰りに苦しむ事例が少なくありません。これを問題視した政府が売掛債権を売却することによる資金調達であるファクタリングの普及を進めているのです。利用者の業績や資産に関係なく資金調達ができるファクタリングは個人事業主にとっては救世主といえるでしょう。ここではそのメリットについて見ていきます。メリットは主に次の4つです。
・担保・保証人が必要ない
・審査に通りやすい
・入金までのスピードが早い
・売掛先が倒産しても返済義務がない
担保・保証人が必要ない
ファクタリングは売掛債権さえあれば誰でも利用することができます。金融機関からの借入では担保や保証人を求められる場合がありますが、ファクタリングではそういった資産や人脈がなくても利用できるため、個人事業主にとっては大きなメリットであると言えます。
審査に通りやすい
ファクタリングの審査は金融機関の融資に比べて審査が通りやすいと言われています。ファクタリングは売掛債権を売却することで資金を調達するサービスなので、審査で問われるのは売掛債権をしっかり現金化できるかどうか、つまり売掛先の信用度です。これは、しっかりとした企業と取引していれば、利用者の業績や規模に関係なく審査を突破できることを意味します。直近の業績が悪く、かつ返済や支払いが迫っていて素早い資金調達を必要としている個人事業主にとって、利用者の業績に関係なく利用できるファクタリングはとても魅力的であると言えます。
入金までのスピードが早い
資金調達でまず思い浮かぶのが金融機関からの融資ですが審査には1週間以上かかることがほとんどです。大企業ならともかく、個人事業主はその1週間のタイムラグによって事業展開や支払いが遅れることは、致命的なダメージになりかねません。その点、ファクタリングは最短即日で審査から入金まで完了する可能性があります。入金まですべてWebで完結するファクタリング会社もあり、個人でも手間と時間をかけずに資金調達ができる点はファクタリングならではと言えるでしょう。
売掛先が倒産しても返済義務がない
ファクタリングでは売掛債権を買い取ってもらうためその売掛先が倒産した場合ファクタリング会社は損害を被ることになります。ただ、この場合でも基本的にファクタリング利用者は調達した資金を返還する必要はありません(ファクタリング会社によって必要とされる場合もあるので要注意)。小規模で資金を管理している場合が多く、トラブルによる損失は致命的であり絶対に避けたいと考える個人事業主にとってはトラブル時も返済義務がないファクタリングは安心して利用できると言えるでしょう。
個人事業主がファクタリングを利用する際の注意点
審査も通りやすく素早い資金調達が可能なファクタリング。個人事業主にとって魅力的な点が多く思えますが、利用する際の注意点もあります。資金調達は経営において非常に重要な要素であるため、複数名でチェックすることが難しい個人事業主はここで解説する注意点をもとに最善な選択肢を取れるようにしましょう。注意点は主に次の5つです。
・手数料がかかる
・違法業者に注意
・取引先に知られる可能性がある
・必ず審査が通るとは限らない
・個人事業主に対応してない場合も
手数料がかかる
個人事業主にとってかなり有力な選択肢であるファクタリング。もちろん無料で利用できる訳ではなく、手数料がかかります。本来だったら全額手に入るはずの売掛債権から手数料を引かれているため、実質的に売上を減らしていることになります。利用の仕方によっては未来の自分に負担をかけてしまうことになるかもしれません。ファクタリングは迅速な事業展開や迫った支払いに対応するための手段として有効ではありますが、得られる利益と失う利益をしっかりと検討し、他のコストを抑えられる資金調達手段がないかを考えた上で必要最低限の範囲で利用するようにしましょう。
違法業者に注意
ファクタリングは便利で急速に普及していることもあり、違法な業者が存在します。政府も注意を促しています。違法業者はファクタリングに見せかけて単に金銭の貸付の契約をさせたり、法外な手数料を要求してきたり、売掛先が倒産した際のリスクを利用者に追わせたりするといった特徴があります。金融機関の借入などに慣れていると借入先を疑うことは少ないかもしれませんが、ファクタリングを利用する際は相手会社や契約内容について十分注意するようにしましょう。
取引先に知られる可能性がある
ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。3社間を選んだ場合、2社間に比べて手数料が安く済む代わりに売掛先も交えて取引を行う必要があります。その場合売掛先にファクタリングの利用を知られるため、売掛先との取引に悪影響がでないよう必要な場合は適切な説明を行う必要があるでしょう。
必ず審査が通るとは限らない
メリットとして、審査では利用者ではなく売掛先企業の支払い能力が問われるため審査が通りやすいことをあげました。ただし、これは逆に利用者の信用度が問題なくても売掛先の支払い能力次第で審査が通らないことを意味します。ファクタリングだから審査が通るだろうと結果が出る前に支払いなどを詰め込むことは危険と言えるでしょう。
個人事業主に対応してない場合も
個人事業主は取引の規模が小さいこともあり、売掛債権の額も小さい場合が多いです。ファクタリング会社によっては買取する売掛債権額の下限を決めていることもあるので、ファクタリングを利用する際は自分が持っている売掛債権を売却できるかどうかをチェックするようにしましょう。
まとめ:個人事業主でも利用しやすいファクタリング
個人事業主がファクタリングを利用する際のメリットと注意点について解説してきましたがいかがだったでしょうか。金融機関の貸し渋りが増えている中、法人に対して不利な立場に置かれることが少なく、手軽に利用できるファクタリングはとても魅力的であると言えるでしょう。一方で、手数料が比較的高いことや違法業者に気をつけなければならないなど注意点があることもご理解いただけたかと思います。この記事が素早い資金調達を必要としている個人事業主の方がファクタリングの利用を検討する際の一助になれば幸いです。