ファクタリングの手数料に上限はある?相場や利息制限法との関係を解説
ファクタリング利用時は手数料がかかるため、できるだけ低くおさえたいと考えている事業者は多くいます。
ただ、ファクタリングの手数料の上限について知っておかなければ、多くのコストがかかってしまうかもしれません。
また、ファクタリングの理解を深めるために、利息制限法との関係を知っておくとよいでしょう。
そこでこの記事では、ファクタリングの手数料の上限や相場、利息制限法との関係について解説していきます。
ファクタリングの手数料に関わる重要な内容となるので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
ファクタリングの手数料に上限はあるのか
ファクタリングの手数料に上限はあるのでしょうか。
ここからは、下記の内容について見ていきましょう。
1. ファクタリングの手数料に上限はない
2. ファクタリングの利用時は手数料がかかる
3. ファクタリングの手数料相場
4. ファクタリング以外の資金調達方法の手数料相場
1.ファクタリングの手数料に上限はない
ファクタリングの手数料に上限はありません。
取り締まる法律もないことから、ファクタリングの手数料はファクタリング会社が決めています。
つまり、ファクタリングの手数料の上限は、ファクタリング会社によって異なるのです。
2.ファクタリングの利用時は手数料がかかる
ファクタリングの手数料は売掛債権を現金化するたびに支払います。
ファクタリングを利用する機会が多い事業者は、その分多くの手数料を支払うこととなるでしょう。
入金額を増やすためにも、手数料をおさえることは重要です。
3.ファクタリングの手数料相場
ファクタリングの手数料相場はこちらです。
・2社間ファクタリング:10%~20%
・3社間ファクタリング:2%~10%
ファクタリングの手数料は、2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングの方が低いケースが一般的です。
4.ファクタリング以外の資金調達方法の手数料相場
ファクタリング以外の資金調達方法の手数料相場はこちらです。
・銀行の融資:1%~4%
・ビジネスローン:1%~18%
銀行の融資とビジネスローンの手数料は金利です。
銀行の融資では、1%から4%程度の金利がかかります。
金利の上限が低く、コストをおさえた資金調達が可能です。
ビジネスローンの金利は年利で1%から18%程度かかり、ノンバンクよりもメガバンクや地方銀行の方が低いです。
ファクタリングと利息制限法の関係
金融取引では利息制限法が適用されます。
では、ファクタリングで利息制限法は適用されるのでしょうか。
ファクタリングと利息制限法の関係について解説していきます。
1. ファクタリングとは
2. 利息制限法とは
3. ファクタリングに利息制限法は適用されない
1.ファクタリングとは
ファクタリングとは、事業者が保有している売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうサービスのことです。
売掛金は支払期日にならなければ入金されません。
支払期日は売掛先によって異なり、30日程度の短いケースもあれば、60日以上の長いケースもあります。
手元資金が豊富にあれば、資金繰りで困ることはないでしょう。
しかし、手元資金に余裕がなければ、資金繰りが苦しくなることが考えられます。
最悪の場合、黒字倒産となってしまう可能性があります。
ファクタリングを適切に利用すれば、数日程度で資金を用意できます。
即日入金に対応しているファクタリング会社もあるので、ファクタリングは資金繰りの悩みを抱えている事業者の助けとなるサービスだといえるでしょう。
2.利息制限法とは
利息制限法とは、金利に対して上限を設ける法律のことです。
借入をすると、金利の支払いをおこないます。
低金利であれば負担が少ないものの、高金利で貸付を受ける場合、借主の負担額が大きくなってしまいます。
借主が搾取されないために設けられたのが、この利息制限法です。
金利の上限を設けることで、借主を守るセーフティーネットの役割を果たしています。
利息制限法の上限利率はこちらです。
・借入金額が10万円未満:20%
・借入金額が10万円以上100万円未満:18%
・借入金額が100万円以上:15%
上記の上限利率をこえる場合は違法となります。
3.ファクタリングに利息制限法は適用されない
ファクタリングは借入ではありません。
利息制限法が適用されるのは金利であることから、ファクタリングは適用外となります。
給与ファクタリングは利息制限法の対象となる
一般的なファクタリングは、利息制限法の対象外です。
しかし、給与ファクタリングは利息制限法の対象となります。
給与ファクタリングとは、給与を受け取る権利を業者に買い取ってもらい、給料日前に現金化するサービスのことです。
給与ファクタリングはファクタリングという名称が付けられていますが、融資であると判断されています。
そのため、利息制限法が適用されるのです。
なお、給与ファクタリングをおこなえるのは、貸金業登録をしている業者です。
貸金業登録をしていない業者が給与ファクタリングをおこなっているケースも考えられるので、十分に注意しましょう。
ファクタリングの手数料が決まる4つの要素
ファクタリングの手数料が決まる4つの要素はこちらです。
1. 売掛債権の信用度
2. 契約形態
3. 利用回数
4. 売掛債権の金額
それぞれの要素の内容について、ひとつずつ見ていきましょう。
1.売掛債権の信用度
ファクタリング会社が重要視しているのが、売掛債権の信用度です。
売掛債権の信用度が高いほど、手数料は低くなります。
信用度の高い売掛債権の特徴はこちらです。
・支払期日が短い
・売掛先が上場企業や公的機関である
・売掛先の経営が安定している
また、売掛債権の信用度は審査にも影響します。
売掛債権の信用度が高ければ、審査に通過する可能性が高まります。
ファクタリングを利用する際は、信用度の高い売掛債権を選びましょう。
2.契約形態
先述したように、ファクタリングの契約形態によって手数料が異なります。
手数料が低いのは3社間ファクタリングです。
2社間ファクタリングで契約をすると、売掛先は事業者に売掛金を振り込みます。
この売掛金は、事業者がファクタリング会社に振り込むのが一般的な流れです。
しかし、事業者が売掛金を振り込まずに使ってしまう可能性があります。
ファクタリング会社としてはリスクの高い取引となるため、手数料を高めに設定しているのです。
一方の3社間ファクタリングでは、売掛先がファクタリング会社に売掛金を振り込む仕組みです。
売掛金が使い込まれる心配がないので、売掛金の未回収リスクは低いと判断できます。
そのため、2社間ファクタリングよりも手数料を低く設定できます。
3.利用回数
ファクタリング会社は売掛金を確実に回収するために、人となりが分からない事業者との取引を慎重におこないます。
初回利用の場合は安全性が確認できないため、手数料を高めに設定するケースが多いです。
しかし利用回数が増えるにつれて、信頼できる人物であると認識されれば、手数料が低くなるかもしれません。
4.売掛債権の金額
ファクタリングの手数料は、売掛債権の金額で変動します。
売掛債権の金額が高いほど、手数料は低くなる傾向があります。
売掛債権の金額が高ければ、一度の契約である程度の利益を出せるからです。
ファクタリングの手数料をおさえるポイント5選
ファクタリングの手数料をおさえるポイントは、下記の5つです。
1. 相見積もりを取る
2. 手数料以外の費用を確認する
3. 3社間ファクタリングで契約する
4. オンラインファクタリングを選ぶ
5. 同じファクタリング会社を継続利用する
少しでも入金額を増やせるように、これから解説するポイントについて理解しておくことをおすすめします。
1.相見積もりを取る
ファクタリングの手数料は、売掛債権の信用度や契約形態などの要因によって決まります。
ただ、最終的にはファクタリング会社の判断となるので、同一条件でも手数料に違いがあるケースは珍しくありません。
そこで相見積もりを取って、手数料の比較をおすすめします。
相見積もりを取る際は、申込内容を変更しないようにしましょう
申込内容を変更してしまうと、正確な比較ができないからです。
申込内容を忘れないようにメモを取っておき、確認しながら見積もりを依頼しましょう。
2.手数料以外の費用を確認する
ファクタリングは手数料以外の費用がかかる場合があります。
手数料以外の費用がかかってしまうと、入金額の減少につながります。
どのような費用がかかるのか、支払額はいくらなのかを確認してくださいね。
3.3社間ファクタリングで契約する
手数料の低い3社間ファクタリングで契約すれば、低コストで資金調達ができます。
ただ、3社間ファクタリングは資金調達に時間がかかります。
売掛先にファクタリング利用の承諾を得る必要があるため、どうしても時間がかかってしまうのです。
入金スピードよりも手数料の低さを重視するのであれば、3社間ファクタリングが適しています。
4.オンラインファクタリングを選ぶ
オンラインファクタリングはAIが審査をおこないます。
結果として人件費の削減となるので、手数料は低めに設定されるケースが多いです。
5.同じファクタリング会社を継続利用する
気に入ったファクタリング会社が見つかった際は、継続利用をおすすめします。
同じファクタリング会社を継続利用することで、お得意様となり手数料が低くなる可能性があるからです。
誠実な態度を心がけ、ファクタリング会社と信頼関係を築いていきましょう。
ファクタリングの手数料の上限に関するまとめ
ファクタリングの手数料に上限はありません。
ファクタリングは売掛債権を現金化するサービスであり、借入とは異なります。
そのため、金利に対して上限を設ける利息制限法が適用されません。
ファクタリングは利用するたびに手数料がかかります。
手元資金を多く残すためにも、手数料の上限や相場を把握したうえで、ファクタリングを利用してみてはいかがでしょうか。
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