ファクタリングの郵送契約とは?クラウド契約との違いや契約の確認ポイントについて解説
ファクタリングの契約方法には、郵送契約やクラウド契約などの契約方法があります。それぞれメリット・デメリットが異なるため、ご自身に合った契約方法を選ぶことが大切です。また、ファクタリング利用においてのトラブルを防ぐためにも、契約で確認すべきことがいくつかあります。そのほか、契約締結後にすべきこともあるため、把握しておくことも重要です。本記事では、ファクタリングの郵送契約の概要や、契約の際の確認ポイントなどについて解説します。
目次
ファクタリングの契約方法
ファクタリングの契約方法は、郵送契約とクラウド契約があります。郵送契約とクラウド契約の概要について、詳しく解説しましょう。
郵送契約とは?
ファクタリングの郵送契約は、必要書類をファクタリング業者へ郵送して契約を交わす方法です。書類審査に通ったら、面談が行われることもあります。面談は直接ファクタリング業者へ出向いて行うほか、ビデオ電話ツールなどを使い、オンラインで面談することも可能です。郵送契約では、書類はすべて紙で用意しなければなりません。契約書には印鑑の押印も必要となるため、印鑑証明書も準備する必要があります。
クラウド契約とは?
クラウド契約とは、オンライン上で契約を交わす方法です。すべての手続きをオンライン上で行えるため、営業時間外に申し込むことも可能です。書類審査通過後に面談が行われることもありますが、ビデオ通話ツールなどで行えます。必要書類は、デジタル化してオンライン上にアップロードし、業者へ提出します。
ファクタリングの郵送契約とクラウド契約の違い
ファクタリングの郵送契約とクラウド契約は、どちらも非対面の契約方法です。しかし、非対面の契約方法とはいえ、それぞれメリット・デメリットが異なります。ファクタリングの郵送契約とクラウド契約の違いは、次の通りです。
●郵送契約とクラウド契約のメリット
●郵送契約とクラウド契約のデメリット
●郵送契約・クラウド契約に向いている人
では、それぞれの違いについて詳しく見てみましょう。
郵送契約とクラウド契約のメリット
郵送契約のメリットは、遠方の業者でも利用しやすいことです。書類を業者へ持ち込む必要がないため、県外の業者にまで選択肢を広げられます。また、郵送契約であれば、一つひとつの書類の内容を確認しながら、手続きを進めていけるのもメリットです。
クラウド契約のメリットも、郵送契約と同様に遠方の業者でも利用しやすいことがあげられます。また、オンライン上で手続きが完了するため、スピーディーに契約できるのもメリットです。申し込みだけなら、早朝や深夜など、時間を問わず行えます。
郵送契約とクラウド契約のデメリット
郵送契約のデメリットは、時間がかかることです。郵送してから業者へ届くまで、1日~数日かかります。その後審査となるため、資金調達までに2日~5日ほどかかるでしょう。また、書類に不備があった場合、修正した書類を再度郵送しなければなりません。郵送中に紛失するリスクもあります。
クラウド契約のデメリットは、ITスキルがない場合、申し込みが難しいことです。クラウド契約は、郵送よりも必要書類が少ないのが一般的であるもの、デジタル化して提出する必要があります。ITに詳しい人材がいない場合、操作できない可能性があります。
>郵送契約・クラウド契約に向いている人
郵送契約に向いている人は、一つひとつの内容を、しっかり理解して契約したい人です。また、PC作業が苦手な方も、郵送契約が向いているでしょう。クラウド契約が向いている人は、スピーディーに資金調達したい人です。
ファクタリングの郵送契約における確認ポイント
郵送契約やクラウド契約、対面契約などに関わらず、ファクタリングの契約において確認すべきポイントは次の通りです。
●譲渡対象の債権
●債権譲渡通知
●ファクタリング契約の解除
●損害賠償・違約金
●ファクタリング契約の有効期間
●償還請求権の有無
●手数料
では、それぞれのポイントについて詳しく解説しましょう。
譲渡対象の債権
契約の際には、譲渡対象の売掛債権について確認する必要があります。ファクタリングで利用できる債権は、支払が確定している債権のみです。売掛債権の金額や日付などに誤りがあると、審査に通らないので正確に記載してください。
債権譲渡通知
ファクタリング契約では、債権譲渡通知が必要な場合があります。利用者とファクタリング業者の2社間契約では、基本的に債権譲渡通知は必要ありません。利用者・ファクタリング業者・売掛先の3社間契約の場合は、債権譲渡通知が必要です。
ファクタリング契約の解除
ファクタリング契約の際には、契約解除の条件の確認も必要です。契約解除の条件は契約ごとに異なるため、どのようなケースで解除されるのかチェックしておきましょう。また、違反した際の資金返還についても、確認しておくことが大切です。
損害賠償・違約金
ファクタリング契約では、損害賠償・違約金について確認する必要があります。3社間契約では、売掛債権の支払期日になると、売掛先がファクタリング業者へ売掛金を振り込みます。
しかし、2社間契約では、売掛金は利用者へ支払われ、それをファクタリング業者へ振り込む形です。利用者が売掛金を期日までに振り込まない場合、損害賠償・違約金の生じる可能性があります。利用者に不利な条件の損害賠償・違約金でないか、確認してください。
ファクタリング契約の有効期間
ファクタリング契約では、契約の有効期間も確認が必要です。通常、ファクタリング契約は1回で終了し、ファクタリング業者が売掛金を回収したら契約終了です。しかし、契約期間が設定された契約もあり、放置しておくと自動更新されてしまいます。契約期間は設定されているか、解約手続きは必要なのか確認してください。
償還請求権の有無
契約の際には、償還請求権の有無も確認する必要があります。償還請求権は、売掛金が未回収になった場合、ファクタリング業者が利用者へ弁済請求をする権利です。
ファクタリング契約は、償還請求権無しが原則です。売掛債権を譲渡した時に、売掛金の回収権利とともに未回収リスクも、ファクタリング業者へ移行します。しかし、ファクタリング業者によっては、償還請求権有の契約を結ぶケースもあるため注意が必要です。
手数料
契約の際には、手数料の確認も重要です。手数料は契約方法によって異なるほか、売掛債権の信用力などさまざまな要素によって設定されます。しかし、大体の目安があるので、一般的な相場からかけ離れていないかチェックしましょう。
2社間契約であれば、手数料の目安は8%~18%です。3社間契約であれば、2%~9%ほどになります。また、手数料以外にも諸経費がかかることもあるため、相見積もりをして、トータルで受け取れる金額を比較することも大切です。
ファクタリングの郵送契約締結後の流れ
ファクタリングの郵送契約が締結すると、資金を受取れます。しかし、契約方法によっては、資金を受取って完了ではありません。ファクタリングの郵送契約締結後の流れは、次の通りです。
●入金確認
●売掛金の送金
●債権譲渡登記を抹消
では、それぞれの工程を詳しく見てみましょう。
入金確認
契約が締結したら、ファクタリング業者から入金されます。入金のタイミングは業者によって異なり、即日振り込まれることもあれば、翌日以降に振り込まれることもあります。入金を確認する際は、契約通りの額面であるかチェックし、金額が異なる場合は業者へ問い合わせてください。
ただし、入金される金額は、売掛金から手数料と諸経費を差し引いた金額です。売掛金の額面全額が入金されるわけではありません。3社間契約の場合は、入金確認後にファクタリング契約は完了です。
売掛金の送金
2社間契約している場合、売掛金は利用者へ入金されます。そのため、支払期日に売掛金が入金されたら、利用者がファクタリング業者へ送金しなければなりません。売掛債権はすでにファクタリング業者へ売却しているため、利用者が自由に使う権利はありません。
分割で払うなどの方法も不可で、支払期日に全額まとめて入金してください。使い込んでしまったり、支払期日に遅れたりすると、横領罪に問われる可能性もあるので注意が必要です。ファクタリング業者へ売掛金の送金が完了したら、2社間ファクタリングの完了です。
債権譲渡登記を抹消
2社間契約では、二重譲渡を防ぐために債権譲渡登記を行っているケースがあります。債権譲渡登記を行った場合、取引が完了した時点で債権譲渡取引を抹消する必要があります。抹消はご自身で手続きすることも可能ですが、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士へ依頼する場合、報酬のほかに登録免許税などの費用もかかります。売掛金を送金したらついつい忘れてしまいがちですが、必ず債権譲渡登記を抹消してください。
ファクタリングの郵送契約についてのまとめ
ファクタリングの郵送契約は、遠方のファクタリング業者とも契約しやすいため、業者選びの選択肢が増えます。また、近年ではオンラインで申し込むクラウド契約も増えていますが、ITに詳しい人材のいない企業では、書類をデジタル化するのはハードルが高いかもしれません。郵送契約であれば、必要書類は郵送できるため、IT知識がなくてもスムーズに契約できます。資金調達方法として、活用すると良いでしょう。