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ファクタリングでは情報共有されない?その理由と共有される可能性がある要素を解説

ファクタリングの契約を考えている人の中には「ファクタリング会社の情報を共有しているのか」と気になる人がいるでしょう。
クレジットカードは、ある程度の情報が共有されているため、ファクタリングも同じように考えてしまうのです。
今回は、ファクタリングの利用者に向けて、今までの利用実績などが情報共有されているのか解説します。

ファクタリング会社は基本的に情報共有なし

ファクタリング会社は、基本的に情報共有していません。
それぞれの会社が独立しているため、情報を共有する機会がないのです。
また、それぞれの会社は利益を出すことを目的としているため、情報共有しても意味がないと考えられます。
ただ、例外的な状況として、グループ会社で情報を共有しているかもしれません。
共有できる情報には限りがありますが、複数のファクタリング会社を保有するグループならば、何かしらの情報共有があるとも推測できるのです。

ファクタリング会社間で情報共有できない理由

上記のとおり、基本的にファクタリング会社間で情報共有はなされません。
ただ、厳密には情報共有できない理由があるため、これらについて解説します。

互いに競合関係

ファクタリング会社は、お互いに競合の関係性にあります。
このような状況において、情報共有してもほとんどメリットはないでしょう。
それぞれが、独自の戦略や審査で顧客を確保しているため、情報共有すると手の内を明かすことになります。
ファクタリング会社が増えている状況で、このような情報を共有することは、自滅と表現しても差し支えないぐらいです。
情報共有すると自分たちが不利になるため、ファクタリング会社は情報を共有しません。
それぞれが同じ考えを持つため、情報共有は成り立たないのです。

個人情報の保護

ファクタリング会社が保有している情報は、個人情報に該当する可能性があります。
これらの情報について、ファクタリング会社は自由に共有できません。
もし、情報共有したいならば、本人の同意を得るなどの作業が必要となるのです。
ただ、情報共有するメリットがないため、本人から同意を得ようとはしないでしょう。
近年は、個人情報の取り扱いに慎重な人が多く、そもそも同意を得られないことも考えられます。
情報共有についての同意を得られていないことで、そもそも他社に提供できない状況なのです。

審査基準の不一致

皆さんの中には「審査結果などは共有したらよいのではないか」と考える人がいるでしょう。
確かにこれは一理ありますが、ファクタリングは会社ごとに審査基準が独自であるという問題があります。
内容が一致していないため、仮に審査結果を共有したとしても、役立たないと考えられるのです。
例えば、継続的な利用を重視する会社と金額を重視する会社があったとします。
これらは審査基準が大きく異なるため、情報共有しても意味がないでしょう。
他社から情報提供してもらっても、役立てられないことがあるため、実質的に情報共有できません。

ファクタリングで情報共有される可能性がある3つの要素

ファクタリングの情報は、絶対に共有されないかと問われるとそうではありません。
結果として情報共有されることもあるため、そのような状況について理解を深めましょう。

債権譲渡登記

ファクタリングの契約にあたって、債権譲渡登記がなされている場合、実質的に情報共有だと考えられます。
債権譲渡登記の内容は、誰でも参照できるようになっているため、他社に向けた情報共有と捉えられるのです。
もちろん、登記された内容を確認するためには、売掛債権についての情報が求められます。
そのため、自由に情報を確認できるとはいえども、債権についての情報がすでに共有されている前提です。
他のファクタリング会社が、二重で買い取りすることが無いように、情報共有していると考えて良いでしょう。
なお、登記された内容は一定期間保存されているため、その間であれば誰がどのファクタリング会社を利用したか確認できます。
ただ、そこまでして情報を求めるファクタリング会社はほぼなく、二重譲渡を防ぐための情報共有という意味合いが大半です。

ファクタリング会社の乗り換え

ファクタリング会社を乗り換える際に、情報共有することがあるかもしれません。
これは、ファクタリング会社間で情報共有するのではなく、利用者からファクタリング会社へ情報共有するものです。
今までに利用してきたファクタリング会社やその条件を伝えることになるため、これは情報共有に該当します。
このような情報は、利用者が不利になるものではなく、むしろ乗り換えを有利にするものです。
今までの条件よりも良い条件でファクタリングしてもらえると考えられます。
また、ファクタリング会社からすると、他社のファクタリング状況が把握できるため、両者にメリットがあるのです。

契約の不履行

利用者が契約内容を正しく履行しない場合に、情報共有が発生する可能性があります。
例えば、支払いが遅延するなどすると、ファクタリング会社が情報共有して、注意を促すのです。
ただ、基本的には個人情報保護の観点から、ファクタリング会社は直接的に情報共有できません。
そのため、情報共有に向けた「日本ファクタリング信用情報機関」と呼ばれるものが存在しています。

日本ファクタリング信用情報機関にも注目

解説してきたように、ファクタリング会社は情報共有していません。
ただ、直接ではなく第三者機関を利用した情報共有があるため、こちらについて理解しておきましょう。

不正な利用者を共有する機関

日本ファクタリング信用情報機関は、ファクタリング会社が、不正だと判断した人の情報を集める機関です。
残念ながら、ファクタリングの利用者の中には、架空の請求書で申請する人がいます。
また、複数のファクタリング会社へ、同じ売掛債権を譲渡することもあるのです。
ファクタリング会社は、このような不正行為を回避しなければなりません。
そのために、日本ファクタリング信用情報機関へ情報共有して、問題を起こした利用者のファクタリングを拒否できるようにしているのです。
他にも、ファクタリング会社への弁済が遅延したことが情報共有される可能性があります。
弁済の遅延は、ファクタリング会社との信頼関係を崩壊させるものであるため、それらを共有できる仕組みです。

一部のファクタリング会社が加入

すべてのファクタリング会社が日本ファクタリング信用情報機関に加入しているわけではありません。
加入している会社は増えているものの、ファクタリング会社全体からみると一部だけです。
そのため、何かしらの問題を起こしても、日本ファクタリング信用情報機関に情報共有されない可能性はあります。
また、登録しているファクタリング会社の情報は公開されていないため、どこが情報共有しているかは不明です。

情報共有の基準は曖昧である点に注意

日本ファクタリング信用情報機関のWebサイトによると、情報共有される基準はファクタリング会社に依存しています。
例として、支払いが遅延した場合や二重ファクタリングなどが紹介されていますが、詳細は不明なのです。
そのため「情報共有されていると思ったが実はされていなかった」ということはあるかもしれません。
しかも、クレジットカードの信用情報とは異なり、自分自身で情報を照会できない仕組みです。
情報共有は、日本ファクタリング信用情報機関の加盟各社に限られており、不透明な部分がある点には注意しましょう。

ファクタリング会社の情報共有についてのまとめ

ファクタリング会社が情報共有しているのかどうかについて解説しました。
基本的に、個人情報保護などの観点から、ファクタリング会社の間で情報共有はなされていません。
それぞれのファクタリング会社が、個別に情報を管理していると考えておきましょう。
ただ、不正行為や弁済の遅延などについて情報共有する日本ファクタリング信用情報機関と呼ばれる機関は存在します。
すべてのファクタリング会社が加入している訳ではありませんが、そのような存在も知っておくべきです。