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ファクタリング手数料の計算方法とは?実際の数字を使った計算方法と手数料コストを抑えるための方法を紹介

ファクタリングでは必ず手数料が発生します。経営者の中には手数料コストを抑えて資金調達したいという方がおられます。

実際、ファクタリングの手数料に影響する手数料率は基本的に変動制なので、手数料率が低いなら手数料コストを抑えることが可能です。

手数料コストを節約するためには、手数料の計算方法、手数料率の変動に影響するものを知っておく必要があります。

そこでこの記事では、手数料の計算方法、手数料率の変動に影響する要素、手数料コストを抑えるためにできることを紹介します。

ファクタリングに手数料が発生する理由

ファクタリング手数料の計算方法を解説する前に、そもそもの話としてファクタリングに手数料が発生する理由を説明しておきましょう。

ファクタリングはビジネスとしてファクタリング事業者から提供されるサービスです。したがって、ファクタリング事業者は売掛債権を買取する際に、自社の利益分として手数料を取ります。

さらにサービスを提供するために必要な事務手続きのための費用が含まれるのが一般的です。

事務手続き費用に含まれるものの例としては、事務手数料、審査費用、交通費、収入印紙、債権譲渡登記をする場合はその費用などがあります。

事業者によっては、事務手数料や債権登記費用は手数料とは別に請求するところがあるので、その点は申込をする事業者から確認してください。

ファクタリング事業者は売掛債権を買取するに際し売掛金未回収のリスクを負担します。これも手数料を取る理由の1つです。

売掛先が倒産したなどの理由で売掛金回収不能となれば、債権回収の権利を獲得したファクタリング事業者が損失を被ります。

ファクタリング事業者はこうしたリスクを負担する対価として手数料を請求するわけです。

ファクタリング手数料の計算に必要なものと計算方法

ファクタリング手数料の計算方法は以下の通りです。

 (売掛債権の額面)×(掛け目)=(買取金額)
 (買取金額)×(手数料率)=(手数料)

この2つの計算方法で手数料が求められる理由を理解するには、手数料の計算に必要な項目の意味を知っておく必要があります。手数料計算に必要な項目は以下の3点です。

 掛け目
 買取金額
 手数料率

手数料の計算方法を理解するために必要なこれらの項目について定義や役割を説明します。

掛け目

手数料の計算方法を理解する上で欠かせない項目が掛け目です。ファクタリングにおける掛け目とは、ファクタリング事業者が売掛債権を買取する際に、売掛債権の額面にかける一定比率の買取率を指します。

掛け目の役割は保証金のようなものです。したがって、ファクタリングでの資金調達完了後に売掛先から売掛金を回収できれば、ファクタリング事業者は掛け目で差し引いた金額を利用者に返還します。

一部の事業者においては掛け目なしでの買取をしているところがあります。掛け目の有無、比率については利用する事業者に直接お尋ねください。

買取金額

手数料の計算方法を知る上で必要な別の項目は買取金額です。買取金額は売掛債権の額面ではなく、ファクタリングの対象となる金額を指します。買取金額計算方法は以下の通りです。

 (売掛債権の額面)×(掛け目)=(買取金額)

たとえば、1,000万円の売掛債権をファクタリング事業者に買取依頼し、ファクタリング事業者の設定する掛け目が80%なら、ファクタリングの対象となる金額、つまり買取金額は800万円になります。

手数料率

ファクタリング手数料の計算方法で押さえておくべき3つ目の項目は手数料率です。手数料率は買取金額の○○%という形で表示されます。

後ほど詳しく説明しますが、手数料率はファクタリングの契約形態、売掛先の支払い能力などの要素により上下します。

一部の事業者のみが手数料率が変動しない固定制を採用しています。

ファクタリング手数料の計算方法

ファクタリング手数料の計算方法に必要な項目の意味を分かった上で、実際の数字を使って計算してみます。計算方法は以下の通りでした。

 (売掛債権の額面)×(掛け目)=(買取金額)
 (買取金額)×(手数料率)=(ファクタリング手数料)

例として、1,000万円の売掛債権をファクタリング事業者に買取依頼し、ファクタリング事業者の設定する掛け目が80%、手数料率が10%というケースを考えます。計算方法は次の通りです。

 1,000万円(売掛債権)×80%(掛け目)=800万円(買取金額)
 800万円(買取金額)×10%(手数料率)=80万円(手数料)

この例では、手数料は80万円です。

したがって、利用者がファクタリング事業者から最初に受け取る金額は以下の計算方法で求めることができます。

 800万円(買取金額)-80万円(手数料)=720万円(最初に受け取る金額)

利用者への返還額と受取額合計の計算方法

掛け目は保証金の役割なので、ファクタリング事業者から最初に資金を受け取った後、無事売掛金が回収できれば、利用者へ残りのお金が返還されます。

先ほどの例を使うと、返還額と受取額の合計は以下の通りです。

● 1,000万円(売掛債権)-800万円(買取金額)=200万円(返還額)
● 720万円(最初に受け取る金額)+200万円(返還額)=920万円(受取額合計)

ファクタリングには基本的に手数料がかかるので売掛債権の額面全額は資金化できません。ファクタリングで資金調達する際にはその点を念頭に置いてください。

<h4>手数料率の変動に影響する要素

ファクタリング手数料が上がるか下がるかに影響するのはその計算方法で考えたように、手数料率が影響します。

手数料率が下がれば手数料は下がりますが、手数料率が上がれば手数料も上がります。したがって、手数料コストを抑えたいなら、何が手数料率の変動に影響するのかを知っておくことが必要です。

手数料率の変動に影響する要素は以下の通りです。

 売掛先の信用評価
 売掛債権の額
 入金期日
 3者間ファクタリング・2社間ファクタリングの選択

売掛先の信用評価

手数料率の変動に影響する要素が売掛先の信用評価、つまり売掛先が持つ売掛金の支払能力です。

売掛先の信用評価は高いなら、売掛金回収不能になるリスクは低いと判断できます。したがって、ファクタリグ事業者は手数料率を下げて買取に応じることが可能です。

一方で、売掛先の信用評価にやや疑問が残る状態であれば売掛金回収不能になるリスクが高いので、ファクタリング事業者は買取に応じない、買取に応じるとしてもリスクを負担することを考えて手数料率を高く設定します。

こうした理由から、売掛先の信用評価は手数料率の変動、ひいては手数料の金額に影響を及ぼすといえるわけです。

売掛債権の額

手数料率の変動に影響を与える別の要素は売掛債権の額です。高額債権の買取を依頼すれば手数料率が下がる可能性があります。

ファクタリングにまつわる業務は債権の額が高額でも低額でも基本的に同じ内容です。したがって、ファクタリング事業者からすれば高額債権買取の方が普通の債権買取よりも利益効率が高い仕事といえます。

さらに、ファクタリング事業者は高額債権の買取依頼をする利用者については、引き続き自社を利用することを願います。

こうした理由により、高額債権の買取について、ファクタリング事業者は顧客満足度を高めて次回以降の利用を促すため手数料率を下げることがあります。

入金期日

ファクタリングの申込から売掛金の入金期日までの期間も手数料率に影響します。

申込日から売掛金の入金期日がかなり先であれば、ファクタリング事業者は売掛金回収を長く待つ必要があります。回収を長く待つということは売掛金回収不能のリスクが高まることを意味します。

こうした理由から、ファクタリング事業者は入金期日がかなり先の売掛債権を買取する場合、売掛金回収不能のリスクを普通以上に負うので手数料率を上げるわけです。

3者間ファクタリング・2社間ファクタリングの選択

ファクタリングの契約には、3者間ファクタリングと2社間ファクタリングの2種類があります。どちらの契約スタイルにするかは手数料率に影響します。

一般的に3社間ファクタリングの方が2社間ファクタリングより手数料率が低いです。

3社間ファクタリングは売掛先に債権譲渡通知を送付し売掛金の支払い先を利用者からファクタリング事業者に変更することを承諾してもらいます。

一方2社間ファクタリングには売掛先への債権譲渡通知、売掛金の支払先の変更がありません。利用者はファクタリングでの資金調達後、これまで通り売掛先から売掛金を回収しそれをファクタリング事業者に引き渡します。

両者の手順を比較するとわかるように、3社間ファクタリングはファクタリング事業者が直接売掛先とやり取りでき、2社間ファクタリングではそれができません。したがって、2社間ファクタリングは3社間ファクタリングより売掛金回収不能となるリスクが高いです。

こうした理由から、3社間ファクタリングは2社間ファクタリングより手数料率が低くなっています。参考までに3社間・2社間ファクタリングにおける手数料率の相場は以下の通りです。

 3社間ファクタリング:1%~10%
 2社間ファクタリング:5%~20%

手数料を下げるためにできること

ファクタリング手数料を下げたいなら手数料率が下がるような工夫をすることがポイントです。具体的には以下の点をおこなうことができます。

 信用力が高い売掛先の売掛債権を買取依頼する
 入金期日が近い売掛債権を買取依頼する
 3者間ファクタリングを選択する
 同じファクタリング事業者を継続利用する

信用力が高い売掛先の売掛債権を買取依頼する

手数料率を下げたいなら信用力が高い売掛先の売掛債権をファクタリング事業者に持ち込むのがおすすめです。信用力が高い売掛先としては次のようなところがあります。

 大企業・有名企業
 国や地方公共団体
 国民健康保険団体連合会・社会保険診療報酬支払基金
 長期間継続して取引がある売掛先

入金期日が近い売掛債権を買取依頼する

売掛債権が複数あれば入金期日が近い売掛債権をファクタリング事業者に買取依頼することで、手数料率が下がる可能性があります。

入金期日まで長く待つ必要がないということは、売掛金未回収になるリスクが軽減されるということです。したがって、ファクタリング事業者はそうした売掛債権については手数料率を上げることなく買取することができます。

3社間ファクタリングを利用する

選択可能であれば3社間ファクタリングでの契約にすれば手数料コストを節約することができます。3社間ファクタリングは2社間ファクタリングよりも手数料率の相場が低いからです。

ただし、3社間ファクタリングを選ぶ場合以下の点に注意してください。

 債権譲渡通知によりファクタリングでの資金調達が売掛先に知られる
 2社間ファクタリングより手続きの手順が多いので、資金調達完了までに1週間程度時間がかかる

継続利用

利用経験があるファクタリング事業者を継続して利用するなら手数料が下がる可能性があります。

ファクタリング事業者は売掛金回収不能になるリスクが低い優良債権を持ち込む優良顧客については、良い関係を維持し継続的に自社を利用して欲しいと考えるからです。そのために手数料率を下げて対応することがあります。

ファクタリング手数料の計算方法につてのまとめ

この記事ではファクタリング手数料の計算方法について解説しました。手数料は次の計算方法で求めることができます。

 (売掛債権の額面)×(掛け目)=(買取金額)
 (買取金額)×(手数料率)=(ファクタリング手数料)

手数料の計算方法からわかるように、手数料率が下がれば手数料コストの削減が可能です。そのために信用評価の高い売掛先の売掛債権を持ち込む、入金期日が近い売掛債権を買取依頼する、3社間ファクタリングで契約するといったことがおこなえます。

ファクタリング手数料を上手に節約できれば、手に入る資金の額が増えるので資金繰りの悩みがより効果的に解消できるでしょう。