売掛金の回収期間を短縮する5つの方法!今すぐできる見直し策と注意点も解説

経営者の方の中には、売掛金の回収が遅れがちで、資金繰りに不安を感じている方も多いでしょう。売上があっても現金の入金が遅れれば日々の支払いに支障をきたし、信頼を損なうことになりかねません。
実は、売掛金の回収期間には、見直す余地のあるポイントがいくつもあります。この記事では、すぐに取り組める方法に加え、実行時の注意点や中長期的な改善策も紹介します。回収のスピードを高め、経営の安定を図りたい方は参考にしてください。
目次
売掛金の回収期間を指す売掛債権回転期間とは
売掛金の回収期間を短くするには、まず現状の回収スピードを把握することが重要です。その際に役立つのが「売掛債権回転期間」という指標です。ここでは「売掛債権回転期間」について、以下の内容を解説します。
- 概要
- 計算方法
- 活用方法
- 売上債権回転期間との違い
自社の資金状況を客観的に把握するためにも、この指標への理解を深めておきましょう。
概要
売掛債権回転期間とは、商品やサービスを提供してから売掛金が入金されるまでに、平均でかかる日数を示す指標です。
回収までの日数が短いほど現金が早く手元に戻るため、資金繰りが安定します。一方、日数が長いと資金不足に陥る恐れがあり、経営に悪影響を及ぼす原因となります。
この指標を活用すれば、取引先ごとの支払い傾向や資金回収スピードの客観的な評価が可能です。
計算方法
売掛債権回転期間は、次の式で求められます。
- 売掛債権回転期間 ⁼ 売上債権 ÷ 売上高
ただし、日常業務では「月数」や「日数」で把握したほうが直感的に理解しやすいため、一般的には以下の式がよく使われます。
- 月単位
⇒ 売掛債権回転月数 ⁼ 売上債権 ÷ (売上高 ÷ 12カ月) - 日数単位
⇒ 売掛債権回転月数 ⁼ 売上債権 ÷ (売上高 ÷ 365日)
例えば年間の売掛債権が900万円、売上高が3,600万円であれば、売掛債権回転期間は3カ月となります。これは、平均して3カ月後に売上1回分が回収されていることを意味します。
活用方法
売掛債権回転期間は、資金繰りの見直しや経営判断に役立ちます。とくに以下の2つの使い方が効果的です。
- 同業他社との比較
⇒ 業界平均より回転期間が長いと、現金化が遅れていると考えられる - 自社の過去データとの比較
⇒ 年ごとの推移を見て、以前より長くなっていれば資金繰りが悪化している恐れがある
数値を定期的にチェックすることで、経営課題を早い段階で発見できます。
売上債権回転期間との違い
売掛債権回転期間とよく似た言葉に「売上債権回転期間」があります。どちらも回収日数を示す指標ですが、両者には次のような違いがあります。
項目 | 含まれる内容 | 資金回収の全体像 | 向いているケース |
---|---|---|---|
売掛債権回転期間 | 売掛金のみ | 一部をカバー | 売掛金のみで取引 |
売上債権回転期間 | 売掛金+受取手形 | 全体をカバー | 売掛金と受取手形で取引 |
受取手形を扱っている場合は売掛金のみでは実態をつかみにくいため、売上債権回転期間を用いると、より正確に回収状況を把握できます。
売り手企業にとって売掛金の回収期間を短縮したほうが良い理由
売掛金の回収期間を見直すことで、経営全体にさまざまな良い影響が生まれます。とくに資金繰りに悩む企業にとっては、次のような効果が期待できます。
- 売上が早く現金化され、資金繰りが安定する
- 人件費や仕入れなどの支払いに充てられる
- 借入に頼る機会が減り、利息負担や借入残高を抑えられる
- 自己資本比率が上がり、財務体質が健全になる
回収のスピードが上がることで外部資金への依存度が下がるため、経営の自由度も広がるでしょう。
売掛金の回収期間を短縮する方法5つ
売掛金の回収が遅れると手元の資金が不足しやすくなり、仕入れや支払いに支障をきたす恐れがあります。ここでは、すぐに実践できる売掛金回収の見直し策を5つ紹介します。
- 請求書の発行を迅速に行う
- 取引先と回収条件を交渉する
- 売掛金管理システムを導入する
- 分割請求で早期に資金を回収する
- ファクタリングサービスを活用する
ひとつずつ見ていきましょう。
請求書の発行を迅速に行う
売掛金の回収を早めるには、請求書をできる限り早く発行できる仕組みづくりから始めます。例えば、以下のような取り組みが効果的です。
- 締め日を待たずに、取引が発生するたびに請求書を発行する
- 電子請求書システムを導入する
さらに、請求書には支払期限や支払い遅延時の対応を明記しておくと、取引先に対する意識づけにもなります。こうした小さな工夫の積み重ねが、回収スピードの差となって現れます。
取引先と回収条件を交渉する
現在の回収期間が長すぎる場合は、取引先と支払条件の見直しを交渉してみましょう。
例えば「月末締め翌々月末払い」を「翌月末払い」に変更できれば、資金繰りは大きく改善します。
継続的な取引を通じて関係性が築けている相手であれば、柔軟に応じてもらえる可能性があります。
ただし、無理な交渉は信頼関係を損ねる恐れがあるため、相手の状況にも配慮しながら丁寧に進めることが大切です。
売掛金管理システムを導入する
売掛金を紙やエクセルで管理している場合、入金の確認漏れや対応の遅れが起こりやすくなります。こうしたトラブルを防ぐには、売掛金管理システムの導入が効果的です。
このシステムを導入すると、次のようなメリットがあります。
- 売上や入金の状況をすぐに確認できる
- 入金予定日や遅れを自動で知らせてくれる
- 入金が遅れた取引先にすぐ連絡できる
- 回収できていない取引先をリストで確認できる
- 取引先の信用状況もまとめて管理できる
- 請求や入金のミスが起きにくくなる
資金の流れを把握しやすくなるため、回収のスピードアップにもつながります。
分割請求で早期に資金を回収する
取引金額が大きい場合は納品後にまとめての請求ではなく、工程や進捗に応じて分割で請求する方法が有効です。
例えば「契約時に30%、中間時に40%、納品時に30%」のように分けて請求すれば、資金の一部を早い段階で回収できます。
顧客にとっても支払い負担が分散されるため、提案しやすいのもこの方法の強みです。回収が完了するまでの期間が長くなりがちな業種では、とくに有効な手段と言えます。
ファクタリングサービスを活用する
売掛金の入金を待たずに現金を確保したいときは、ファクタリングの利用が効果的です。ファクタリングは、売掛金を専門業者に売却し、支払期日前に資金を受け取れる仕組みです。
銀行融資のように担保や保証人が不要なうえ、審査も比較的スムーズに進みます。手数料は必要になるものの手続きも簡単なため、急な仕入れや人件費の支払いなどにも柔軟に対応できます。資金繰りの改善策として、前向きに活用を検討してみると良いでしょう。
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無料見積りはこちら売掛金の回収期間を短縮する手順
売掛金の回収期間を短くするには、以下3つの手順で進めると良いでしょう。
- 回収遅れの原因を数値と傾向から洗い出す
⇒ 取引先ごとの遅延状況や、請求書の発行タイミングなどを会計ソフトや売掛帳で確認し、問題の傾向を見つける - 売掛金回収に関する業務フローを整備する
⇒ 請求業務を細かく分けて分析し、手間やミスが多い部分を特定。必要に応じて請求書発行の自動化や外注化も検討する - 回収状況を数値で確認し継続的に改善する
⇒ 月ごとの平均回収日数や取引先別の実績をグラフ化し、変化を定期的に確認。継続して改善し続ける
売掛金の回収スピードを無理なく引き上げやすくなるため、取り入れてみてください。
売掛金回収期間を短縮するときの注意点3つ
売掛金の回収期間を短縮する取り組みは、やり方を間違えると取引先との関係悪化や業務の混乱を招く恐れがあります。実行前に押さえておきたい注意点は、以下の3つです。
- 取引先との関係悪化に注意する
- 社内業務の負担増を避ける
- ファクタリング利用時は業者選定に注意する
スムーズに回収期間を短縮するために、参考にしてください。
取引先との関係悪化に注意する
売掛金の回収を早めようとするあまり、無理な交渉をしてしまうと取引先との信頼関係が壊れる恐れがあります。とくに長年取引している企業や大口顧客に対して急な条件変更を求めると、今後の取引に影響を及ぼしかねません。
例えば「今後は締め日を月末から15日に変更してください」といった要望は、相手の業務にも影響します。交渉の際は相手の立場や事情にも配慮しながら、段階的な変更や代替案の提示を心がけましょう。
社内業務の負担増を避ける
売掛金の回収期間を短縮できた場合、請求書の発行や入金確認などの社内業務のスピードアップが求められます。しかし、現場のリソースが限られている中で無理に回収体制を強化すると、経理や営業部門に過度な負担がかかる恐れがあります。
例えば「締め処理を毎週行う」といった対応は、一見効果的に見えても、現場の負担を増やす要因となりかねません。こうしたリスクを避けるには、まず現時点の業務フローを整理し、無理のない範囲での見直しから着手しましょう。
作業負担を抑えながら対応スピードを上げるには、請求書発行や入金確認を自動化する仕組みを取り入れるのもひとつの方法です。
ファクタリング利用時は業者選定に注意する
ファクタリングを活用する際は、業者選びが重要なポイントとなります。契約内容や手数料が不明瞭な業者を選ぶと、かえって資金繰りが悪化する恐れがあるからです。
実際、金融庁も以下のように注意喚起しています。
「しかし、近時、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されています。また、ファクタリングとして行われる取引であっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものは、貸金業に該当するおそれがあります。」
悪質な業者に関わると、事前説明なしに高額な手数料を差し引かれたり、売掛先に通知されて信用に影響が出たりするケースもあります。契約前は必ず内容をよく確認し、信頼できる業者を選びましょう。
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無料見積りはこちら売掛金の回収期間を短縮した後に取り組みたい中長期的な経営施策
売掛金の回収期間を改善しても、根本的な資金繰り対策としては不十分です。中長期的な視点で資金の流れを安定させるためには、以下の2つがポイントとなります。
- 取引先の与信管理を強化する
- キャッシュフロー分析を継続する
将来的に資金不足のリスクを軽減させるため、継続して取り組みましょう。
取引先の与信管理を強化する
中長期的に安定した資金回収を目指すには、取引先の信用力を継続的に見極める体制が欠かせません。与信管理とは、取引先の財務状況や支払履歴を調べ、支払いリスクを事前に判断する取り組みです。
例えば、新規取引の前に決算書を確認したり、既存取引先の経営状況を定期的にチェックしたりすることが有効です。また、外部の信用調査機関を活用する方法もあります。
定期的な与信管理を習慣づけることで未回収リスクを減らし、長期的に安定した経営が期待できます。
キャッシュフロー分析を継続する
将来の資金不足や過剰在庫の兆しを早めに察知するには、継続したキャッシュフロー分析が有効です。キャッシュフロー分析とは、現金の出入りを時系列で把握し、将来の資金の過不足を予測する方法です。
例えば、月ごとの収支をグラフ化し、資金が不足しそうな時期を予測すれば融資のタイミングを計画的に判断できます。
こうした数字に基づいた判断を重ねることで、急な支払いにも対応しやすくなり、経営の安定につながります。
まとめ

売掛金の回収期間を短縮することは、資金繰りの改善にとどまらず、経営の自由度を広げる効果もあります。例えば、請求書の発行や回収状況の見直しなどは、すぐに取りかかれる取り組みです。
ただし、取引先との信頼関係に影響するため、回収条件の変更は慎重に進めてください。継続的なキャッシュフローの分析を重ねることで、経営の先行きにも希望が見えてくるでしょう。
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