資金繰りの見える化は「資金繰り表」の作成が有効!見える化するメリットや作成手順を解説

経営状態に不安を感じている経営者の中には、打開するための施策として経営状態を見える化できないか、と考えている方も多いでしょう。実際、売上があるにもかかわらず、手元に現金が残らないという状況に悩む声も少なくありません。
そうした場面で有効な手段のひとつが「資金繰り表の作成」です。資金繰り表を活用すれば、現金の流れを可視化し、収支のバランスや問題点を明確に把握できるようになります。
この記事では、資金繰り表がなぜ必要なのかと、その作成手順、さらに表から見えてくる課題とその対処法についても紹介します。経営改善の第一歩として、どうぞご活用ください。
目次
資金繰りの「見える化」が必要な理由

資金繰りの「見える化」が必要な理由のひとつに「資金ショートの回避」が挙げられます。資金ショートは、企業の経営破綻を招く大きな要因のひとつです。なかでも注意すべきは「黒字倒産」です。
黒字倒産とは、帳簿上は利益が出ているにもかかわらず手元資金が不足し、支払いができずに倒産してしまう状況を指します。利益が出ていても売掛金の入金が遅れたり、支出が先行したりすることで、資金繰りが逼迫するケースも少なくありません。
例えば、IT業界やシステム開発業では、長期にわたるプロジェクトが多く、請負契約の場合は成果物を納品した後に初めて入金されるのが一般的です。一方で、エンジニアの人件費などのコストは前もって発生するため、資金繰り管理が不十分だと、支払不能に陥るリスクが高まります。
こうしたリスクを防ぐためには現金の流れを正確に把握し、将来的な資金の動きを見通すことが重要です。
見える化には「資金繰り表」を活用する

経営状況を見える化する方法として「資金繰り表」の活用が有効です。
資金繰り表とは、現金の入金と出金の流れを時系列で整理した表で、一定期間における資金の増減や残高の推移を把握できます。
以下は、資金繰り表のサンプルです。
このように表として見える化することで、現金の動きや資金の偏りが把握できます。結果として、支払い時期の集中や資金ショートのリスクを事前に認識できるようになるでしょう。
資金繰り表を作成するメリット

資金繰り表は、単に現金の動きを記録するのみでなく、経営上のさまざまなリスクや課題を早期に発見する手助けにもなります。
ここからは資金繰り表を作成する主なメリットを3つ解説します。
資金不足のリスクを事前に察知できる
資金繰り表を作成すると「いつ・どのタイミングで資金が不足するか」の把握が可能です。あらかじめ資金不足のタイミングが分かっていれば、慌てることなく対策を講じられるようになります。
例えば1,000万円の受注があり、それに伴って500万円の仕入れが必要になるとしましょう。仕入代金の支払いは翌月、売上代金の回収は3ヵ月後となると、手元資金に余裕がなければ一時的に資金が足りなくなる事態も想定されます。
このような状況も、資金繰り表を通じて事前に把握しておけば、あらかじめ金融機関などに相談して資金調達の準備を進められます。
また、設備投資や取引先からの追加発注や機械の急な修理費用といった突発的な支出も発生しうることも、あらかじめ資金の流れを「見える化」すべき理由のひとつです。あらかじめ把握できていれば、こうした支出にも備えやすくなります。
経営のムダや偏りを把握しやすくなる
資金繰り表を作成することで、毎月発生する支出の内訳を客観的に確認でき、経営のムダや偏りに気づきやすくなります。支出項目を「家賃」「光熱費」「外注費」「広告費」などに分けて記録している場合は、より具体的な分析が可能です。
実際に、資金繰り表からは以下のような点が確認できるでしょう。
- オフィス賃料や光熱費などの固定費が売上に対して過大である
- 不要な経費が含まれている
- 外注費や広告費が特定の月に集中している
このような支出のムダや資金の偏りを見直すことで、収支バランスの改善や手元資金の確保につながります。
金融機関から信頼を得やすくなる
資金繰り表は、金融機関との信頼関係を築くうえでも有効なツールです。融資の審査を受ける際に重要なポイントは、事業の将来的な資金計画や売掛金の回収見込みを、数字を用いて具体的に説明できるかどうかです。
資金繰り表を提示することで、資金の出入りを把握し、適切な管理が行われていることを客観的に示すことができます。その結果、金融機関側も返済能力の有無を明確に評価できるようになり、融資審査が進みやすくなるでしょう。
なお、金融機関へは一般的に「月次の資金繰り表」の提出を求められることになります。これは、資金の増減や残高推移を月ごとに確認し、先々の資金計画に無理がないかをチェックすることが目的です。
資金繰り表の作成手順

資金繰り表は、あらかじめ作成の流れを理解しておくことで無理なく取り組めます。ここでは、資金繰り表を作成する手順を解説します。
テンプレートを活用する
手間をかけずに資金繰り表を作成したい場合は、テンプレートの活用がおすすめです。インターネット上にはさまざまな形式の資金繰り表のテンプレートが公開されています。無料で利用できるものも多く、初心者でも取り組みやすいことが特徴です。
例えば、日本政策金融公庫や商工会議所などの公的機関では、実務に沿ったフォーマットが提供されており、信頼性のある様式で作成できます。
こうしたテンプレートを活用することで、一から自分で作る手間を省きつつ、基本を押さえた資金繰り表を効率よく作成できるでしょう。
項目ごとに数値を入力する
資金繰り表を作成する際は、テンプレートに沿って各項目に数値を入力していきます。基本的に、資金繰り表は以下5つのパートに分かれています。
項目 | 内容 |
---|---|
前期(前月)繰越現金・当座預金 | 前月末時点での現金や当座預金の残高を記載 |
収入計 | 入金が見込まれる項目・現金売上・売掛金・その他収入など、 |
支出計 | 日々の運営に関する支出・現金仕入・手形決済・賃金給与など |
財務収支計 | 借入金の受け取りや返済など、事業関連でない収入や支出を記載 |
翌月繰越現金・当座預金 | 当月末の現金残高を算出し、翌月の「前期繰越」として引き継ぐ |
これらの項目をExcelなどの表計算ソフトに入力していくことで、資金の流れを可視化しやすくなります。
資金繰り表を作成する際のポイント

資金繰り表を作成する際は、以下のポイントを押さえて取り組みましょう。
- 固定費から入力する
- 予算は厳しめに設定する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
固定費から入力する
資金繰り表を効率良く作成するためには、まず「固定費」から入力します。家賃・人件費・通信費などの固定費は毎月ほぼ同額で発生するため、見積もりやすく、早い段階で表に反映させられます。
あらかじめ固定費を入力しておくことで、全体の支出の枠組みが定まり、その後の流動的な費用(広告費・仕入・外注費など)を調整しやすくなります。資金繰り全体のバランスをとるうえでも、まずは固定費をベースに構成していくことが重要です。
予算は厳しめに設定する
資金繰り表を作成する際は、予算をやや厳しめに設定することを意識しましょう。
実際よりも楽観的な数字で組んでしまうと、予想外の支出や入金遅延が発生したときの対応が遅れ、資金ショートにつながる恐れがあります。
リスクを回避するためには、以下のような保守的な見積もりが有効です。
- 売上はやや低めに設定する
- 支出はやや高めに見積もる
- 入金のタイミングはやや遅めに想定する
- 振込などの支払いタイミングはやや早めに見積もる
このように余裕を持った数値で資金繰り表を組み立てることで、不測の事態にも対応しやすくなり、経営の安定性が高まります。
資金繰りに課題が見えたときの対処法

資金繰り表を作成することで、将来的に資金が不足するタイミングや支出の偏りなど、さまざまな課題が可視化されます。実際に課題が見つかった場合には、早急に手を打つことが重要です。
ここでは、資金繰りの悪化に直面した際に取るべき具体的な対処法を解説します。
収支を改善させる
資金繰りに課題が見えた場合、まず取り組むべきは「収支の改善」です。出ていくお金を減らし、入ってくるお金を増やすための見直しを行いましょう。
なかでも、以下の対応が有効です。
- 不要なサービスや定期契約の解約による支出の削減
- 利益率の低い商品やサービスの見直し
- オフィス賃料・光熱費・通信費などの固定費の見直し
業務に不要なサブスクや利用頻度の低いサービスは早めに解約し、無駄な支出を抑えましょう。また、収益性の低い商品は取扱いを見直すことも重要です。家賃や光熱費などの固定費は、立地や契約内容の見直しによって削減できる場合があります。
加えて、外注や広告の内容を精査し、費用対効果の低いものは縮小を検討しましょう。これらを実施することで、限られた資金のなかでも経営を安定させやすくなり、資金ショートのリスクを軽減できます。
入金サイクルを早めてもらう
資金繰りを改善する方法のひとつとして、入金サイクルの短縮があります。入金サイクルを早める方法として、以下のような工夫が有効です。
- 手形による回収を現金払いに変更する
- 振込日を調整してもらう
手形による回収は現金化までに時間がかかるため、できる限り現金払いや振込への切り替えを検討しましょう。
また、取引先と支払条件の見直しができる場合には、入金タイミングの前倒しを交渉するのも有効です。例えば、従来「月末締め・翌々月末払い」だったものを「月末締め・翌月末払い」に変更することで、資金の受け取りが1ヵ月ほど早まります。
資金繰りの改善はファクタリングが有効
資金繰りを安定させるためには、売掛金の回収タイミングを早めることが効果的ですが、取引先の都合などにより調整が難しいケースもあるでしょう。そうした場合に検討すべき方法が「ファクタリング」です。
ファクタリングとは、売掛債権を金融機関や専門業者に譲渡し、支払期日前に資金を受け取る仕組みです。借入とは異なり、負債として計上されず、担保や保証人も原則必要ありません。
ファクタリングには、次のようなメリット・デメリットがあります。
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | ・最短即日で現金化可能・業績赤字や税金滞納中でも対応可能な場合がある |
デメリット・注意点 | ・資金化できる上限は売掛債権の範囲に限られる・手数料が発生する |
サービスによっては、申込みから最短即日での入金が可能なため、急な支払いが生じたとしても問題なく対応できるでしょう。
「Easy Factor」であれば最短60分で入金可能で、手数料も2〜8%程度と比較的低水準に設定されています。急ぎで資金を確保でき、かつコストを抑えられるため、資金繰りにお悩みの方はご検討ください。
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資金繰りを見える化するためには「資金繰り表」の作成が有効です。日々の収支を把握することで、資金不足のリスクや経営のムダに早めに気づき、手を打てるようになります。
手間なく作成したい場合は、テンプレートの活用がおすすめです。また、資金繰り表の作成により課題が見つかった際には、収支の見直しや入金サイクルの短縮などの改善策を早めに講じることが重要です。
とはいえ、すぐにクライアントの事情でなかなか改善できない場合もあるかもしれません。そうした際には、ファクタリングの活用が有効となります。ファクタリングであれば、売掛債権を早期に売却でき、資金繰りの改善に役立ちます。
なかでも「EasyFactor」は、完全オンライン対応で最短60分での入金も可能なサービスです。建設業など資金繰りが不安定になりがちな業種にも柔軟に対応しており、手数料も2〜8%と相場よりもやや低めの水準です。
資金繰りや資金調達でお悩みの経営者の方は一度、お気軽にメールや電話でご相談ください。
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東京大学法学部卒業後、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。ニューヨーク支店での非日系企業向けコーポレートファイナンス担当を経て独立。企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
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