【業種別】資金繰り悪化の原因と即効性のある改善策|ファクタリング活用法も専門家が解説
「利益は出ているのに資金が足りない」という悩みを抱えている企業は少なくありません。中小・零細企業ではその傾向が顕著であり、構造的に資金繰りが悪化しやすい業種もあります。
資金繰りに不安を抱える事業者は、即効性のある資金改善策に注目してください。なかでも、ファクタリングは業種や企業規模を問わず、柔軟かつスピーディに活用できる手段です。
この記事では、資金繰りが悪化する背景を業種別に解説しながら、改善に向けた具体策とファクタリングの有効性を詳しく紹介します。今後の資金繰りを改善するために、ぜひ参考にしてみてください。
目次
【業種別】資金繰りが厳しくなりやすい理由
業種ごとに資金繰りが厳しくなりやすい主な要因を整理します。自社が抱える問題を正確に理解することが、資金繰り改善の第一歩になるでしょう。
製造業の場合
製造業の資金繰りが厳しくなりやすい主な理由は、以下のとおりです。
- 原材料費や外注費、光熱費など、売上が入る前に支払う費用が多い
- 機械の定期的な入れ替えや設備のメンテナンス費用がかかる
- 景気や為替の影響を受けやすく、売上が不安定になりやすい
製造業は受注から納品・請求までに数カ月以上を要することが多く、その間に原材料費や外注費など多くの支払いが先行します。売上が入金される前に手元の資金が枯渇し、資金繰りの悪化へとつながることも珍しくありません。
また、新しい機械を導入したり老朽化した設備をメンテナンスしたりすると、数百万円〜数千万円の出費が急に発生し、経営を圧迫することもあります。
さらに、製造業は景気や為替相場の影響を強く受けやすい業種です。不況の影響を被ったとしても人件費などの固定費は毎月発生するため、資金繰りが厳しくなるリスクがあります。
IT業の場合
IT業の資金繰りが厳しくなりやすい主な理由は、以下のとおりです。
- 無形商材が中心で担保となる資産が少なく、銀行融資を受けにくい
- 専門人材の人件費が高く、固定費が膨らみやすい
- 受託開発で納期が遅れると売上計上が遅れ、支払いだけが先行する
IT業はソフトウェアやシステムなどの無形商材を扱うため、金融機関から見た「担保価値」が低く、融資を受けにくい傾向があります。その結果、資金調達手段が限られ、資金繰りが難しくなります。
また、受託開発型のビジネスでは、クライアント側の都合でプロジェクトの進行が遅れることも少なくありません。納品が遅れると売上の計上も遅れ、人件費や外注費などの支払いが先行する状況が続き、運転資金がショートすることもあります。
卸売業の場合
卸売業の資金繰りが厳しくなりやすい主な理由は、以下のとおりです。
- 商品の仕入代金の支払いが売上よりも先に発生する
- 利益率が低く、わずかな粗利減少でも資金を圧迫しやすい
- 在庫管理の難しさから、過剰在庫や不良在庫が発生しやすい
卸売業は商品を仕入れてから販売し、売上代金を回収するまでに時間差があります。売掛金の回収は後日になるため、資金が一時的に不足しがちです。
また、卸売業は他業種に比べて利益率が低い傾向があります。原価が上昇したり販売価格を下げざるを得ない状況に陥ったりすると、粗利がさらに減少して資金繰りが厳しくなります。
小売業の場合
小売業の資金繰りが厳しくなりやすい理由は、以下のとおりです。
- 商品が売れるまで現金が入らず、仕入コストが先行する
- シーズン商品や流行商品が売れ残ると、値引き・処分で利益が削られる
- テナント料や人件費、光熱費などの固定費が高額になりやすい
小売業は、仕入れた商品が売れて初めて現金が手元に入るビジネスです。売上に先行して仕入れコストや賃料などの支払いが発生するため、資金繰りが苦しくなることがあります。
また、シーズンや流行に左右される商品の場合、売れ残りが出ると値引き・処分を行わざるを得なくなり、利益が大きく削られることも少なくありません。売上が少しでも下振れすると固定費の支出をカバーできず、赤字となるリスクが高くなります。
飲食業の場合
飲食業の資金繰りが厳しくなりやすい理由は、以下のとおりです。
- 食材の仕入れが日々発生する一方で、売上は天候や曜日に左右されやすい
- テナント料や人件費、光熱費などの固定費負担が大きい
- 食材費や光熱費の物価高騰により利益が圧迫されやすい
飲食業は営業のたびに食材を仕入れる必要があり、毎日のように出費が発生します。売上の見通しが立ちにくいことに加え、予約のキャンセルや食材の廃棄が発生すると、仕入れにかけた費用を回収できずに赤字となることもあります。
近年では原材料費や光熱費の高騰が経営を圧迫し、倒産に追い込まれる事業者も増えてきています。東京商工会議所の調査によると、業種別にみると飲食業は業種別で「資金繰りが苦しい」と回答した割合が最も高く、実に半数以上が資金繰りの厳しさを訴えています。
出典元:東京商工会議所「中小企業の経営課題に関するアンケート」
【状況別】資金繰り改善に役立つ資金調達方法を比較
資金調達の手段によって、資金を得るまでにかかる時間や得られる金額、確実性などは大きく変わります。自社の事業フェーズ(創業・成長・安定)や業種の特性に応じて資金調達手段を使い分けることも、資金繰り改善の観点では重要です。
以下では、状況別にいくつかの資金調達手段を取り上げ、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
早急に資金調達が必要な場合
災害や売上減少、取引先の倒産など、突発的な要因でキャッシュフローが急激に悪化した場合は、スピードを重視した資金調達方法を選択しましょう。
概要 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
ファクタリング | 売掛債権を現金化する | 最短即日で売掛金を現金化できる | 手数料は一般的な融資よりも高くなりやすい |
手形割引 | 手形を銀行に持ち込み、期日前に現金化する | 金利が比較的低めで、支払期日前に現金を得られる | 割引料が発生する
不渡りになる可能性がある |
ビジネスローン | 金融機関やノンバンクから短期的に資金を借りる | 即日融資に対応しているケースもある | 銀行のプロパー融資に比べると金利は高め |
高額の資金調達が必要な場合
事業拡大や設備投資など、まとまった資金が必要な場合は、金利の低さや返済期間の柔軟さを意識した資金調達をしましょう。
概要 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
銀行のプロパー融資 | 銀行から直接融資を受ける | 金利が低く、長期返済も可能 | 厳しい審査をクリアしなければ利用できない |
日本政策金融公庫の融資 | 政府系金融機関から融資を受ける | 運転資金や創業失禁など幅広い目的で活用できる | 審査に数週間かかることがある |
不動産担保ローン | 自社保有の不動産を担保に融資を受ける | 担保の評価次第で高額な資金を調達できる | 返済できない場合は不動産を失う |
信用力に不安がある場合
創業間もない企業や、過去の赤字決算・税金滞納などで信用力に不安がある企業であっても、資金調達する方法はあります。
概要 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
補助金・助成金 | 国や自治体から支援を受ける | 採択されれば返済の必要がない | 申請に手間がかかる上、採択されるとは限らない |
請求書カード払い | クレジットカードで請求書を支払う | 実質的な支払い期限を延ばせる | 資金調達できる金額はクレジットカードの利用枠が上限 |
クラウドファンディング | インターネット上で不特定多数から資金を集める | 共感が得られれば信用力に関係なく資金調達ができる | 必ず資金が集まるとは限らない |
また、上記以外にもファクタリングが資金調達手段として有効です。自社の信用力ではなく「売掛先の信用力」によって利用できるかが決まるため、他の資金調達方法が難しい場合でも利用できる可能性があります。
【零細企業にもおすすめ】融資が難しい時こそファクタリングが有効
零細企業の場合、借入金の多さや赤字決算などが理由で、金融機関からの融資を受けられないことも少なくありません。そこで注目したいのがファクタリングです。
以下では、ファクタリングの仕組みや零細企業だからこそ検討すべき理由を解説します。
ファクタリングとは?
ファクタリングは、保有する売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、売掛金を早期に現金化する方法です。
売掛先を介さず、利用企業とファクタリング会社の間で契約する「2社間ファクタリング」と、売掛先の承諾を得て3社で契約を結ぶ「3社間ファクタリング」があります。
ファクタリングが零細企業に向いている理由
ファクタリングが零細企業に向いている理由は、以下のとおりです。
- 柔軟な審査に期待できる
- 最短即日で現金化できる
- 担保や保証人が必要ない
金融機関から融資を受ける場合、自社の業歴や財務状況などが重視されます。しかし、ファクタリングの審査では「売掛先の信用力」が重視されるケースが一般的です。そのため、設立間もない企業や赤字決算などがある企業でも、利用できる可能性があります。
また、通常の銀行融資では入金までに数週間かかることもあるのに対し、ファクタリングなら最短即日で資金を調達できます。売掛金を早期に現金化できれば仕入れや設備投資をしやすくなり、結果として売上拡大のチャンスも広がるでしょう。
また、ファクタリングは売掛債権そのものを買い取る取引です。基本的には担保を求められないため、工場や不動産などの大きな資産を持たない零細企業でも利用しやすいでしょう。
資金繰りを安定させるには?経営者が実践すべき5つの改善アクション
資金繰りが不安定な状態が続くと、経営の意思決定にも支障をきたします。資金繰りを根本的に改善したい経営者の方は、まず以下のアクションから実践してみましょう。
- 資金繰り表を作成する
- 固定費を見直す
- 原価管理・在庫管理を徹底する
- 支払サイトを短縮する
ひとつずつ解説します。
資金繰り表を作成する
まずは短期~中期の入出金を見える化するために、資金繰り表を作成しましょう。資金繰り表は一定期間の現金の動きをまとめた表です。入出金を正確に把握しておくことで資金ショートのリスクを事前に察知でき、適切な場面で対策を講じられるようになります。
例えばIT業の場合、検収・納品タイミングがズレることで入金が遅れるケースも多いため、プロジェクトごとに資金の動きを分けて管理すると精度が上がるでしょう。
固定費を見直す
家賃や人件費、光熱費といった固定費は、売上に関係なく毎月発生するため、高くなりすぎると経営が圧迫される可能性があります。少なくとも業績が安定するまでは、固定費をなるべく削減する工夫が必要です。
例えば飲食業の場合、集客に見合わない立地であれば移転や小規模店舗への切り替えも視野に入れると良いでしょう。
原価管理・在庫管理を徹底する
たとえ売上があっても、仕入れコストが高すぎたり、売れない在庫を大量に抱えていたりすると、手元に現金が残りにくくなります。だからこそ、日々の原価率を確認し仕入れ価格を見直したり、適正在庫を保ったりなどの工夫が必要です。
例えば卸売業の場合、在庫回転率の悪い商品は仕入れを控えたり早期に値下げ販売したりすることで、資金繰り改善につながる場合があります。
支払サイトを短縮する
仕入れや外注費などの支払いが早く、売掛金の入金が遅くなりやすい業種では、たとえ黒字でも資金ショートを引き起こしやすくなります。
顧客との契約内容を見直して入金サイトを短縮したり、長期サイトの取引先の割合を減らしたりといった調整をすることで、キャッシュフローが安定しやすくなるでしょう。
まとめ
資金繰りが厳しくなる原因は、業種によってさまざまです。しかし現状を正確に把握し、早めに改善策を実行することが安定した経営につながるという点は共通しています。
まずは、資金繰り表の作成や固定費の見直しなど、基本的な改善アクションから着手しましょう。「自分達だけでは対処が難しい」と感じたときは、専門家の力を借りるのもひとつの方法です。
また、自社の経営状況や資金ニーズに適した資金調達方法を選ぶことも重要です。もし「銀行融資が難しい」「すぐに現金が必要」といったお悩みを抱えている場合は、売掛金を早期に資金化できるファクタリングの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
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東京大学法学部卒業後、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。ニューヨーク支店での非日系企業向けコーポレートファイナンス担当を経て独立。企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
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