イージーファクターファクタリングサービス

お気軽にお問い合わせください。

フリーダイヤル 0120-224-012

【 受付時間　平日9:00～19:00 】

emailオンライン申込

保証ファクタリングとは？買取型との違いやメリット、デメリットについて解説

ファクタリングには「売掛金を現金化する」買取型だけでなく、売掛金の未回収リスクに備えるための「保証型」ファクタリングもあります。

一般的には、買取型の方が認知されていますが、実はファクタリングは用途や仕組みによって複数の種類が存在します。その中でも保証ファクタリングは、取引先の倒産や支払遅延が発生した際に保証金が支払われる リスク対策に特化したサービスとして近年注目されています。

本記事では、保証ファクタリングの特徴や仕組み、買取型との違い、メリットとデメリットまで解説します。

「売掛金回収の不安を減らしたい」「与信管理に手が回らない」という企業にとって、有効な選択肢となるはずです。

保証ファクタリングとは？

保証ファクタリングとは、取引先からの未回収リスク（貸し倒れリスク）をファクタリング会社が保証するサービスです。

通常のファクタリングは売掛金を買い取って資金化する仕組みですが、保証ファクタリングは「回収不能時の保証」に特化している点が大きな特徴です。

取引先の倒産や支払い遅延に備えたい企業にとって、リスク管理手段として有効なサービスといえます。

保証ファクタリングは売掛金の回収を保証するサービス

保証ファクタリングでは、売掛金の発生時点では資金化を行わず、売掛先が支払えなかった場合のみファクタリング会社が保証金を支払う仕組みが採用されています。

ポイントは、次のとおりです。

  • 売掛金の発生時に資金化するサービスではない
  • 回収不能（倒産・支払不能など）が発生した場合に保証が適用
  • 「売掛金の保険」に近い性質を持つ

企業は売掛金を通常どおり回収しつつ、万一の不測の事態だけを保証会社に引き受けてもらうため、キャッシュフローの安定化やリスク管理に優れた手法となります。

保証ファクタリングの仕組み

保証ファクタリングの流れは、一般的に下記のとおりです。

保証契約を締結
企業は売掛先ごと、または特定の取引に対して保証契約を行います。

売掛金の通常回収を実施
売掛金はこれまで通り、企業が直接売掛先から回収します。

売掛先が支払不能になった場合のみ保証金を請求
倒産・事業停止・長期延滞などの条件に該当した場合、ファクタリング会社へ保証請求を行い、保証金が支払われます。

この仕組みにより、保証ファクタリングは平常時のキャッシュフローには影響せず、万一時の損失を最小限に抑えられるというメリットがあります。

保証ファクタリング以外の売掛金回収方法と違い

売掛金の回収リスクに備える方法は、保証ファクタリングだけではありません。代表的なものに 取引信用保険 と 自家保険 があります。

取引信用保険

取引信用保険とは、企業が取引先に対して行った信用取引（掛け売り）によって生じる売掛金や受取手形などの債権が、取引先の倒産や支払不能といった信用リスクによって回収できなくなった場合に、その損害を保険会社が補填する保険です。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 対象リスク: 取引先の倒産（法的な倒産手続き、事実上の倒産）や、支払遅延・支払不能など、信用リスクに起因する未回収をカバーします。
  • 保証の仕組み: 事前に保険会社と契約を結び、保証の対象となる取引先や与信限度額を設定します。未回収が発生した場合、保険契約に基づき保険金が支払われます。
  • コスト: 保険料が発生します。保険料率は、取引先の信用力や保険のカバー範囲などによって変動します。
  • 利用の目的: 予期せぬ取引先の倒産による連鎖倒産リスクの回避や、新規取引の拡大、与信管理の補完といった目的で利用されます。

保証ファクタリングと同様に、売掛金の未回収リスクに対する有効なリスクヘッジ手段です。

保証ファクタリングが個別の売掛債権の保証に特化しているのに対し、取引信用保険は企業間取引全体のリスクを包括的にカバーする「保険商品」という点が異なります。

自家保険

自家保険とは、企業が売掛金の未回収リスクに対し、自社の内部資金を積み立てて備える方法です。

これは、外部の保険会社やファクタリング会社に頼らず、リスクを自己負担する形になります。

主な特徴は、次のとおりです。

  • リスクの自己負担: 未回収が発生した場合、積み立てた内部資金から補填します。
  • コスト: 保証料や保険料といった外部への費用支払いは発生しませんが、資金を準備するための機会費用が発生します。
  • 管理: 自社で積立額や運用方法を決定し、管理する必要があります。

リスク管理を内製化できる一方で、多額の未回収が発生した場合は自社の資金繰りに大きな影響を及ぼす可能性があります。特に中小企業やスタートアップなど、資金力が乏しい企業にとっては、予測不能なリスクに十分対応できないおそれがあります。

保証ファクタリングと買取ファクタリングの違い

保証ファクタリングと買取ファクタリングは何が違うのでしょうか。
下記の3つの項目に分けてみていきましょう。

1. 仕組み
2. 費用
3. 継続性

1．仕組み

保証ファクタリングとは売掛債権に保険をかけて、売掛金の未回収リスクに備えるサービスのことです。
支払期日を待たずに売掛先が倒産したとしても、保証額の範囲内であれば保証されます。

買取ファクタリングとは保有している売掛債権をファクタリング会社が買い取って現金化するサービスのことです。
支払期日を待たずに現金を得られるため、突発的なトラブルにも対応できます。

ファクタリングという名称は同じものの、仕組みはまったくの別物であることが分かりますね。

2．費用

保証ファクタリングで必要なのは保証料です。
保証料の相場は1％から8％だといわれています。

買取ファクタリングでは手数料を支払います。
2社間ファクタリングは10%から30%、3社間ファクタリングは1%から9%が一般的な相場です。

保証ファクタリングの方が費用を抑えられる傾向があります。

3．継続性

保証ファクタリングは継続性があります。
売掛先の倒産に備える保険のような性質があるため、継続して利用します。

一方で買取ファクタリングは売掛債権ごとの取引となるため、継続性はありません。

保証ファクタリングを利用するときの契約の流れ

保証ファクタリングは「売掛金の未回収リスクを移転する」サービスであり、通常のファクタリングよりも手続きが体系化されています。ここでは、実際に利用する際の契約の流れを、4つのステップに分けて解説します。

基本契約

はじめに行うのが、ファクタリング会社との「基本契約」の締結です。これはサービスを利用するための土台となる契約で、保証の対象範囲、手数料の体系、請求支払い方法などが定められます。

基本契約を結ぶ段階では、まだ特定の売掛先（取引先）に対する保証は開始されません。

あくまで、「これから保証ファクタリングを利用できる状態を整えるための準備」です。

保証希望先を提示する

基本契約を締結した後、保証してほしい取引先をファクタリング会社に提示します。提示された売掛先に対して、ファクタリング会社は信用調査（与信審査）を行い、下記の内容を判断します。

  • 保証を引き受けられるかどうか
  • 引き受ける場合、保証限度額はいくらか
  • 手数料（保証料）の水準

この段階で提示した売掛先すべてが保証対象になるとは限らず、信用状況によっては保証限度額が低く設定されるケースもあります。

個別保証の契約

売掛先ごとに与信審査が終わると、審査結果に基づき「個別保証契約」を締結します。ここで初めて、特定の売掛先の売掛金について保証が開始されます。

個別保証契約では、主に以下が定められます。

  • 保証対象となる売掛先
  • 保証限度額
  • 保証期間
  • 保証料率

この契約が完了すると、売掛先が倒産したり支払い不能に陥ったりした場合に、ファクタリング会社が一定額を保証する仕組みが成立します。

保証の履行

売掛先の倒産や支払い遅延が発生し、売掛金が回収できなくなった場合は、ファクタリング会社へ「保証請求」を行います。

請求が認められると、ファクタリング会社が設定された保証限度額の範囲内で補填します。

企業側は、未回収のリスクから守られ、事業のキャッシュフローを安定させることができます。

なお、保証履行後も状況によっては、ファクタリング会社による代位弁済後の回収業務が行われる場合があります。

保証ファクタリングのメリット6選

保証ファクタリングの特徴が分かったところで、次はどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
保証ファクタリングには下記の4つのメリットがあります。

1. 売掛先の倒産リスクを軽減できる
2. 売掛先に知られることなく保証される
3. 与信管理のアウトソーシングができる
4. 信頼できるファクタリング会社と契約できる
5．建設業の場合は助成金を使用できる
6．売掛先が複数でもまとめて依頼できる

1．売掛先の倒産リスクを軽減できる

保証ファクタリングの最大のメリットは、売掛先の倒産リスクを軽減できることです。

売掛先が倒産してしまうと、資金繰りの悪化や資金ショートにつながるおそれがあります。
最悪の場合、連鎖倒産を引き起こす可能性があるため、適切な対策をしなければなりません。

そこで保証ファクタイングを利用すれば、売掛先が倒産した場合、保証限度内の保証金が支払われます。
売掛金の全額回収はむずかしくても、連鎖倒産に至るまでの痛手をこうむることはないでしょう。

2．売掛先に知られることなく保証される

保証ファクタリングを利用したとしても、売掛先に知られる心配はありません。
なぜなら、保証ファクタリングはファクタリングの利用者とファクタリング会社の2社間で契約を締結するためです。

売掛先との関係性を保ちつつ保証してもらえるのは、保証ファクタリングを利用する大きなメリットだといえるでしょう。

3．与信管理のアウトソーシングができる

日本の企業間取引では掛取引が一般的なため、売掛先の支払能力を知ることは重要です。
より確実な取引をするためにも与信管理は必要ですが、人員が不足しており余裕がないケースは珍しくありません。

保証ファクタリングではファクタリング会社が与信管理をおこないます。
与信管理まで手が回らなくても、保証ファクタリングを利用することで解決できるでしょう。

4．信頼できるファクタリング会社と契約できる

保証ファクタリングを取り扱っているのは、大手企業とつながりがあるファクタリング会社が多いです。
社会的な信用度の高いファクタリング会社と契約できるため、安心してお任せできます。

5．建設業の場合は助成金を使用できる

建設業では、保証ファクタリングの契約に関連して活用できる公的な支援制度が用意されている場合があります。

特に中小企業向けの 下請債権保全制度 など、資金繰りを安定させるための助成や保証料補助が行われており、保証ファクタリングの導入コストを抑えながら取引リスクを軽減できる点が大きなメリットです。

建設業は、案件ごとの金額が大きく、売掛金の回収遅延が発生すると資金繰りが一気に悪化する業種でもあります。

そのため、助成金を活用しながら保証ファクタリングを導入することでキャッシュフローの安定化と取引リスクの低減を同時に実現できる という利点があります。

公的制度は地域や時期によって内容が変わるため、利用を検討する際は最新情報の確認が重要です。

6．売掛先が複数でもまとめて依頼できる

保証ファクタリングは、売掛先が複数ある企業でも一括して保証を依頼できるため、管理コストの削減に大きく役立ちます。

通常、売掛先の数が多い企業ほど回収リスクの管理が手間となりますが、保証ファクタリングを利用すれば、保証会社が売掛先ごとの信用調査から保証判断までをまとめて行ってくれます。

その結果、次の効果を得られます。

  • 売掛先ごとの契約・審査の手間が減る
  • 回収リスクを全体としてコントロールしやすくなる
  • 社内の債権管理業務を大幅に軽減できる

売掛先が小規模〜大規模まで混在している企業でも利用しやすく、取引量の多い企業ほどメリットが大きくなる仕組み といえます。

保証ファクタリングのデメリット3選

保証ファクタリングにはさまざまなメリットがあります。
しかしデメリットもあるので、必ず確認してから利用するかどうかを検討しましょう。
保証ファクタリングのデメリットはこちらの3つです。

1. 保証料を支払う
2. 売掛先の信用力によっては断られることがある
3. 保証料は掛け捨て

それぞれのデメリットの内容について解説していきます。

1．保証料を支払う

先述したように、保証ファクタリングでは保証料の支払いが発生します。
保証料は売掛先の信用力により異なります。

信用力が低いとみなされた売掛先の場合、高額な保証料の支払いが必要です。
資金にある程度の余裕を持たせたうえで利用することをおすすめします。

2．売掛先の信用力によっては断られることがある

保証ファクタリングは売掛先の信用力によって変動すると説明しました。
しかし、明らかに信用力がないと判断された場合は、保証ファクタリングの利用を断られることがあります。

ファクタリング会社としては保証金の支払いは少ない方がよいです。
そのため、売掛先の支払能力を厳しく審査することは仕方がありません。
保証ファクタリングの申込をしたからといって、必ず契約できるわけではない点に注意しましょう。

3．保証料は掛け捨て

保証ファクタリングの保証料は掛け捨てであり、積立ではありません。
保証金が支払われるのは、売掛債権が回収できないと判断された場合のみです。

「保証料が掛け捨てでもったいない」と考える事業者は、保証ファクタリング以外の対策を講じる必要があります。
ただし、あまりにも高い保証料を支払うのも得策ではありません。
保証料やリスク許容度などを考慮したうえで、保証ファクタリングの利用を検討するとよいでしょう。

保証ファクタリングの利用が適している3つのケース

保証ファクタリングを適切に利用すれば、より安全に事業をおこなえるでしょう。
では、保証ファクタリングはどのようなケースで利用すればよいのでしょうか。
ここからは、保証ファクタリングの利用が適している3つのケースについて解説していきます。

1. 売掛先が少ないとき
2. 新しい取引先との契約するとき
3. 与信管理に手が回っていないとき

1．売掛先が少ないとき

売掛先が少なければ、一つの企業が倒産したときの損害は多大なものとなるでしょう。
いくら信用力のある売掛先だとしても、倒産する可能性はゼロではありません。

保証ファクタリングを利用してリスクヘッジをするとよいでしょう。

2．新しい取引先との契約するとき

新しい取引先がどのくらい信用できるのかは未知数な部分があります。
そこで保証ファクタリングを利用して、与信管理をしてもらうのです。

保証料が低ければ信用力が高いと判断できるため、安心して取引をできるでしょう。
反対に保証料が高ければ信用力に問題があるかもしれません。

3．与信管理に手が回っていないとき

人材不足が深刻化している日本では人材確保がむずかしいです。
そのため、与信管理まで手が回らない企業も多いでしょう。

保証ファクタリングを利用すれば与信管理をお任せできます。
与信管理に手が回らないときは保証ファクタリングの利用を検討することをおすすめします。

保証ファクタリングに関するまとめ

保証ファクタリングとは売掛金の未回収リスクに備えられるサービスのことです。
買取ファクタリングとの違いは費用や継続性などがあげられます。

売掛先に知られることなく保証されることや、与信管理のアウトソーシングができることが保証ファクタリングのメリットです。
ただし、保証料の支払いがあり、売掛先の信用力によっては断られることがある点には注意が必要です。

保証ファクタリングの特徴を把握したうえで、売掛金のリスクヘッジとして活用してみてはいかがでしょうか。

村上 杏理（むらかみ あんり）／ 資金繰り改善コンサルタント・金融ライター
Latest posts by 村上 杏理（むらかみ あんり）／ 資金繰り改善コンサルタント・金融ライター (see all)

関連記事